クリニックF、今日は月に一度の日曜外来です。
前田拓摩先生の診療日。
春を前にhaloなどの人気も再び上がってきました。
クリニックF、今日の外来は前田拓摩先生です。
GW直前でマドンナリフトやヘイロー、フラクセルなどダウンタイムのある施術も今週はよく出ています。
こんな機器のものたちも。
こちらはサイトン社ヘイローの広告。
人気は安定して来ましたね。
年末ご要望の多い、肌質を改善し、ニキビ跡や毛穴を縮小する「フラクショナルレーザー」機器。
ずらっと並べてみました。
フラクショナルレーザー治療法(fractional laser skin resurfacing:)は,2004年にMansteinらが報告した新しいレーザー照射概念です。
Manstein D, Herron GS, Sink RK, et al: Fractional photothermolysis: A new concept for cutaneous remodeling using microscopic patterns of thermal injury. Lasers Surg Med 34:426- 438, 2004.
この機器はレーザー光線を分離し、皮膚表面に1cm2あたり約2000個の、直径70μm前後の凝固柱を作るもので、創傷が非常に小さいため炎症が少なく、治癒が早い。
さらに、確実に真皮まで創傷を作るため、コラーゲン産生量が多く、小じわが改善し、かつ凝固した表皮が再生し新生の皮膚に入れ替わる為、皮膚表面が若々しい状態変化させることを可能としたのです。
僕は2004年のダラスの米国レーザー医学会でこの機種を初めて見て衝撃を受け、世界のレーザー治療はこの理論によって大きく変わると確信した医師の一人です。
先日も美容皮膚科学会誌でフラクショナルレーザー機器の総論論文の執筆を依頼され、最終原稿を投稿させていただいたばかりですが、ずっとこの機種理論の進化を見守ってきました。
クリニックFのFの文字も、Fujimotoの頭文字と共に、フラクショナルレーザー機器の頭文字「F」の意味を込めたつもりです。
それほど思い入れのある機種であるため、クリニックFには多くのフラクショナルレーザーがありますが、現状のラインナップではこちらでしょうか?
■サイトン社 ヘイロー(Halo)
■バリアント社(旧ソルタメディカル社) フラクセル3 DUAL
■DEKA社 スマートサイドスクエア(マドンナリフト)
■サイノシュア/パロマ社 スターラックス1540XD
この四機種が、2014年の年末現在クリニックFのトップ4フラクショナルレーザーになります。
今日はそれぞれの機器の違いについて改めて触れたいと思います。
まずは
① サイトン社 ヘイロー(Halo)
◆こちらは1470nm(凝固)と2940nm(蒸散)の役割を持つ二種類の波長のレーザー光を同軸に照射するという世界初のハイブリッドフラクショナルレーザー機器。
1470nmを利用することで、皮下100-700ミクロンメーターの表皮と真皮に熱刺激を加え、コラーゲンの再生によりタイトニング効果を引き出し、2940nmを利用することで0-100ミクロンメーターの表皮を蒸散させる効果があります。
照射後のダウンタイムは3日間程度。
フラクショナルビームが細かいため、目視できません。施術3日後には肌が脱皮をするかのように、古い角質層をはがします。
タイトニング、引き締め効果も高いので、表皮のきめが細かい35歳以上の人に適しています。
次は
② バリアント社 フラクセル3 DUAL です。
◆こちらの機種はフラクショナルレーザーの元祖、リライアント社(旧ソルタメディカル社、現バリアント社)の開発した機器。
1927nmのツリウムグラスと、1550nmのエルビウムグラスレーザーの複合機器ですが、アブレイティブとノンアブレイティブの中間にあたるツリウムグラスの波長が、ちょうどアジアンスキンにはぴったりでダウンタイムも少ないことからこの機種を選択する人が多いです。
三番目は
③ DEKA社 スマートサイドスクエア(マドンナリフト)
◆CO2レーザーとラジオ波を複合させた、フラクショナル機器。
非常に優れたスキャナ機能を持ち、空中照射が可能なため、疾患や部位に影響なく使用できるのが特徴です。さらに、蒸散能力が高いため、深いニキビ跡や毛穴の様に立体的な構造を治療するためにはとてもメリットがあります。この4機種の中では、唯一空中照射が可能な機器です。
また、上眼瞼下眼瞼のゆるみやしわを治療するマドンナアイリフトの施術と合わせることが可能ですので、肌全体の若返りには良いですね。
最後に
④ サイノシュア/パロマ社 スターラックス1540XD
◆業界唯一のコンプレッション・フラクショナル機器。
クリスタルグラスを肌に押し付けて、皮膚を牽引させて照射が出来ます。皮膚を延ばすことで、コンタクトクーリングの効果をより高め、ターゲットに対してより近くなりますので、より効率よく治療が出来ます。
フラクショナルレーザーと言っても数多くの機種がありますが、これらはどの機種も代替が考えられません。
光治療機器も、フラクショナルレーザー機器も、RF機器も、HIFU機器も、
どれも組み合わせ治療が可能な時代になったということですね。
来年度に向けて、肌質を改善するのに最も効果的な機器治療を考えてみたいと思います。
まずは年齢別にはこの様な感じでしょうか。
1)20代の場合
まだ皮膚に緩みや弛みはみられない世代。治療はシミ、ニキビ跡、ほくろなどの部分治療にほぼ限定されると思います。治療は肌のホワイトニングもしくはブライトニングの治療が主になります。
2)30代の場合
皮膚に緩みとくすみが出てきますので、シミの治療に加え、コラーゲンやエラスチンを増やすタイトニングの治療を加える必要があります。
3)40代の場合
皮膚に小じわも出てくる世代ですので、上記に加え、リサーフェシングの機器を加える必要があります。
4)50-60代の場合
皮膚に弛みが出ますので、上記に加え、リフティングをする機器を加える必要があります。
※※※
症状別には
1)肌のシミを取り、肌の透明感を上げたいとき
①Qスイッチ レーザー (ルビー アレキサンドライト Nd:YAGなど)
②進化型フォトフェイシャル (ルミナス社M22 シネロン社ePlusSRAなど)
の組み合わせ治療を3-5回程度行うのが良いです。
クリニックFには①に相当するQスイッチレーザーが4機種。
さらに②に相当する光治療機器が8機種ありますので、患者さんによって機種選択をします。
2)ニキビ跡治療
以前のブログでも触れましたが、ニキビ跡は以下の形があります。
①Rolling ローリング型
②Ice-pick アイスピック型
③Shallow box-car 浅いボックスカー型
④Deep box-car Type 深いボックスカー型
クリニックFでは以下のようにレーザーを使い分けています。
ローリング型には ヘイロー(サイトン社)
アイスピック型には スターラックス1540XD(サイノシュア社)
浅いボックスカー型には フラクセル3DUAL(バリアント社)
深いボックスカー型には スマートサイドスクエア(DEKA社)
といったフラクショナルレーザー機器が、それぞれファーストチョイスになりますね。
3)毛穴治療
現状では、マドンナリフト(スマートサイドスクエアによる)もしくはヘイロー(Halo)にての治療が主になります。
4)フェイスリフトは嫌だけれど、顔の輪郭を整えて、若々しく生まれまわりたい。
こちらは、クリニックFで現在可能なリフティング機種をすべて組み合わせた治療がお勧めになります。
リフティングのために
●ウルセラ
●サーマクール
●ヘイロー
●サブライム
を行うのです。
◇ウルセラは焦点型超音波。
◇サーマクールはラジオ波
◇ヘイローは1470nmのフラクショナルレーザー
◇サブライムはバイポーラ-RF+近赤外線
すべてのエネルギーソースでリフティングが可能になります。
年末にこの施術をされた患者さんが数名いましたが、結果は素晴らしいですね。