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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:Smartside2 スマートサイド2

Dr.ニコラ・ゼルビナッティの来日 モナリザタッチ

今週の木曜日と金曜日は、日本美容外科学会が東京国際フォーラムで開催されています。

この会に合わせてイタリアはパヴィアから、Dr.二コラ・ゼルビナッティが来日しました。

日本美容外科学会のランチョンセミナーと、青山外苑前のDEKA JAPAN本社にて、限定された医師の間でレクチャーのための来日です。

僕が彼とこうして会うのは、ちょうど2011年にパヴィアのクリニックを訪れて以来です。

DEKA社マドンナリフトの機器を利用した「モナリザ・タッチ」という新たな手技を講義してくれました。

この手技についてはまた別の機会に触れたいと思います。

その後、この日の夜は銀座に場所を移し、中華料理店で会食となりました。

ご一緒させて頂いたのは、いつもお世話になっている先生ばかり。

写真左より

〇クロスクリニック 石川浩一先生

〇林原医院 林原伸治先生

〇東海大学形成外科 河野太郎准教授

〇Dr.二コラ・ゼルビナッティ

〇河田外科形成外科 河田真一先生

〇クリニックF 藤本幸弘

〇イタリアDEKA社マウロの大学生のお嬢さん

〇DEKA社技術開発マウロ・ガリ博士

英語を交えての楽しい会談となりました。

ゼルビナッティの今回日本での滞在はわずか2泊。とんぼ返りだそうです。

 


「スマートサイド」と「スマートサイド・スクエア」~マドンナリフト機器による使い分け

クリニックFでも利用している、皮膚を入れ替える施術が可能なマドンナリフト。

フラクショナルCO2レーザー機器です。

今年になって僕のクリニックでも眼瞼周囲だけではなく、顔全体を施術する患者さんが増えました。マドンナリフトのデビューはもうだいぶ前になりますが、年末も見えてきた今日この頃、間違いなく今年度の日本におけるアンチエイジング・レーザー業界のトレンドを象徴し、この業界を牽引した機器のひとつであると言えるかと思います。

さて、そんなマドンナリフトですが、実は使用できる機器が二つあるのを御存知でしたか?

僕の左手にあるのが「スマートサイド」

右手にあるのが「スマートサイド・スクエア」

と呼ばれる機器です。

クリニックFでは、この二つの機器を患者さんによって使い分けています。

スマートサイドの発振管は、ガラス製です。

対してスマートサイド・スクエアの発振管はRF製で、すべてコンピューター制御されています。

二つのCO2フラクショナル機種は、似たようで非なるもの。

言ってみれば、アナログレコードとデジタルコンパクトディスクの違いのようですが、ガラス管のスマートサイドの方が、実際の患者さんの仕上がりが良い場合もあります。

クリニックでも開院前にはこのように出力チェックしています。

上記写真の照射野の微妙な違いが分かりますか?

パワー設定と、パルス持続時間、そして照射間隔を一定にして、黒い紙に照射したパターン。

患者さんの症状によって、どちらの機器を使ったほうが良いかが決まります。

●一つはスマートサイドで照射した場合。

●一つはスマートサイド・スクエアのSPモードで照射した場合。

●一つはスマートサイド・スクエアのDPモードで照射した場合。

なのですが、

上記のうち一つだけ、二回照射したものがあります。

どのドットが同じ設定で照射したかわかりますか?

僕はすぐわかりますよ(笑)。

 


フラクセル マドンナリフト フラクショナルレーザー機器の適切なパワー設定

おはようございます。引き続き今日も朝から晴天に恵まれましたね。

今日6月4日(火)もクリニックFの診療日です。

このところ患者さんから続けて同じご質問がありましたので、レーザーのパワーについてすこし今日は書いてみたいと思います。

レーザーの照射をするとき、パワーをあげる方が効果が上がるのでは?

と考えている患者さんは依然多いようで、例えば施術中にぎりぎりまで我慢できるのでパワーを目一杯上げてほしい、と実際おっしゃる患者さんも少なからずいらっしゃいます。

サーマクールなどのRF(高周波)機器は、パワーを上げるほうが効果が上がる、というのはある程度真実であり、表皮に火傷をつくらない限り、ハイパワーで照射したほうが良い結果が得られるでしょう。

しかしながら、レーザーにもその理論が当てはまるとは限りません。

※※※※※

まず大前提としてレーザーには

① 波長

② パルス幅

③ フルレンス(照射強)

④ 照射直径

⑤ 皮膚温度

という5つのパラメーターがあります。

これら5つの設定がその患者さんにとって最適であれば、より効果の高い治療ができることになります。

ここ数年突出して人気のある「フラクショナルレーザー」の場合は、これに

⑥ 照射密度

という新たなパラメーターが加わります。

これらの組み合わせのパターンは、それこそ無限大。医師のセンスと経験が問われるところです。

医師の方はこれらすべてに気を配り、バランスを見極めながら照射しなければなりません。

この前提を踏まえた上で、今回はフラクショナルレーザーについて考えてみましょう。

※※※※※

フラクショナルレーザーはパワーだけに依存しない代表的な機器です。

その理由をいくつか説明しますね。

まずは、生物学的な話。

例えばここ数年に出てきた英文論文では、フラクショナルレーザー施術後に、組織再構築が行われる際には、皮下のサイトカインが誘導されることが報告されています。

これらのサイトカインは、強いパワーで照射された場合、むしろ発生が抑えられるという研究発表が多いのです。

ちなみに創傷治癒過程に関与するサイトカインとその主な機能
サイトカインには、以下の様々なものがあります。

その中の一部を挙げていきますと

○TGF-β=トランスフォーミング増殖因子β

・マトリックスタンパク質(コラーゲンなど)を刺激する

・プロテアーゼ産生を阻害する

・有糸分裂を促す

・マクロファージおよび顆粒球の走化性を活性化する

・向炎症性サイトカイン(インターロイキン1、インターロイキン6 および腫瘍壊死因子α)を放出する

○bFGF =塩基性線維芽細胞増殖因子

・血管形成活性および有糸分裂誘発活性

・内皮細胞の遊走および増殖の初期刺激を与える

・コラーゲン産生を阻害し、コラーゲン束の攻勢を助長する

○EGF=内皮増殖因子

・再上皮化活性(すなわち、角質細胞増殖、角質細胞周辺化、過剰増殖創傷表皮など)

○PDGF=血小板由来増殖因子

・単球、マクロファージおよび好中球に対する走化活性

・in vitro での線維芽細胞および平滑筋細胞有糸分裂誘発活性に対する

・線維芽細胞を刺激して、細胞外マトリックスを産生し、コラーゲンマトリックスを引き締める

○VEGF=血管内皮増殖因子

・脈管形成及び血管新生を調節する

○ビメンチン

・線維芽細胞タンパク質:マトリックスおよび細胞間物質の産生に関与

・・・といったものがあります。

これらが複雑に絡み合って肌を再生しているのですから、高出力によってこれらサイトカインの生成が減ってしまっては肌の再構築などできませんよね。

皮下にダメージは与えても、生体の反応を考えると元に戻る以上のパワーで照射されてしまっては、意味がないということです。

※※※※※

もう一点は工学的、物理学的な話。

照射密度についてです。

一般にフラクショナルレーザーを照射すると、パワーを上げればあげるほど、深達度は深くなります。

しかしながら、安価な機種の中にはビームの焦点がずれていたり、精度が悪いものもあって、単にエネルギーが分散し、ヒートショックゾーン(熱変性)を幅広くしてしまうだけの機種があるのは事実です。

フラクショナルレーザー機器間の性能違いについては、僕も英文論文やこのブログで述べてきたつもりです。

フラクショナルレーザーとニキビ跡治療の関連性

ニキビ跡治療に最も適したフラクショナルレーザー

また、機種によってはパワーが上がるとやけどを防ぐために、照射密度が荒く設定されなおすものもあります。

実際にビーム照射径70µm前後だと、24時間以内に肌の再上皮化が行われますので、非常に適切だと思いますが、オーバーパワーで照射してしまうと、それ以上にダウンタイムがかかる。

さらに深いニキビ跡を治したいのか、毛穴を治したいのか、肌のきめやテクスチャーを治したいのかによって、それに適した深さや照射密度がありますので、対応してパワーを変える必要があることがわかりますよね。

※※※※※

こうしたパラメーター設定は、きわめて職人技的で、レーザーを実際に照射した医師の経験によってしか得られないものだと思います。

そして、一人一人の肌を診察し、より治療効果が上がるように機器を選び、一人一人照射方法を変えながら工夫し、結果を出すのが、この仕事の醍醐味の一つでもあるのです。

 


サーマクールアイ フラクセルアイ マドンナリフトアイ の違い 眼の周りのレーザー施術の話

おはようございます。

今日は5月24日クリニックFは休診日です。

今日は暑くなりそうですね。

僕はレーザー工学の大学院の研究室に顔を出し、実験をしてこようと思っています。

さて、今日は眼の周りのレーザー施術の話。

眼の周りと言っても、上瞼のたるみ。下瞼のゆるみやシワやクマ。目尻の笑いジワなどいつの悩みがあるとおもうのですが、レーザー医療の進化により、解決の糸口が見えてきました。

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初対面の人と会って、最も記憶に残る顔のパーツはどこだかご存知ですか?

ある統計によると、初対面の場合、記憶に残るのは目が70%以上を占めていると言います。

僕がカウンセリングをしていても、

「目を大きく見せたい」

「目の周りを引き締めたい(引き上げたい)」

「目の周りの皺をなくしたい」

「目の際にあるシミが気になって仕方がないので、どうにかしたい」

・・・などなど

男女問わず、やはり目の周りのことを気にされて御来院される方は、とても多いのです。

特にクリニックFにお越しくださる方は、美容整形手術やヒアルロン酸などの注入をできるだけ選択したくない、というある意味「ナチュラル志向」(?)の方や、レーザーを最新工学に裏打ちされた皮膚を鍛える機械という認識を持たれている方がほとんどですので、

「レーザーで出来るところまで頑張りたい」

と思われるのでしょうね。

実際、目の周りのレーザー施術をすることで、劇的な効果がありますし、それにより初対面の印象を良くもできますから、良い時代になったものです。

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約10年前までレーザー照射と言えば、シミ(メラニン)やあざ(ヘモグロビン)をとる治療で、色素に反応する波長が開発されていました。

眼球内には、虹彩や網膜など、黒い組織(いわゆる黒目)が沢山あります。

このため、特に眼球の周りの治療は難しいとされていました。

しかしながら、この10年で進化したレーザー医療技術により、目の上、まぶたの上を照射することができる機器が開発されてきたことはご存知だと思います。

このうち、もっとも古くから眼球まわりに対する治療を推奨し始めたのがサーマクールを販売するサーメージ社(現ソルタメディカル社)でした。

2005年ぐらいのことだったでしょうか。

サーマクールは、メラニンに反応する波長のレーザーではなくRF(ラジオ波)を使用しますので、メラニンに対する危険度が低いことがわかっていたのです。

サーマクールのかなり初期段階で、まぶたの上の施術ができる「サーマクール・アイ」チップ(上部スライド緑)を発売したのは見事な戦略だったと思います。

追って、目の周りに対して施術を始めたのは、後に吸収合併することとなるフラクセルの開発会社(リライアント社)でした。

サーマクールが目のたるみを治療するために開発されたのと比較して、フラクセルは目の周りの皮膚を、新しく生まれ変わらせる(リサーフェシングする)ことによって、テクスチャーの改善を狙ったものでした。

特にメラニンの反応性の低い、1927nmのツリウムグラスを利用した「フラクセル3 DUAL」が開発されてからは、目の周りの浅い部位にできた色素斑をとるのにとても適しています。

特に1927nmの波長は、「フラクセル3 DUAL」以外には搭載されておらず、代わりがありませんのでクリニックFでは、とても重要な機器です。

ここ数年で注目を浴びるようになった目の周りの施術は、なんといってもイタリアのレーザーメーカ―(DEKA社)の作り上げたマドンナリフト・アイの施術でしょう。

今年の米国レーザー医学会では、数々のフラクショナルレーザー機器を比較使用して、目の周りの施術の比較演題を発表してきました。

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もしも目の周りのたるみや老いを感じたら。

ダウンタイムを望まないならばファーストチョイスは「サーマクール・アイ」を

色素をより効率よく治療したいのであれば、特にフラクセル3の1927nmの波長を利用した「フラクセル・アイ」を

眼瞼拳上の手術を考えるほど、たるみが気になるのであれば「マドンナリフト・アイ」を

選択するのが良いと思います。

フラクセル・アイであれば4日間。マドンナリフト・アイであれば6日間で完全に元通りになりますし、女性であれば化粧は次の日からできますよ。


マドンナリフト:眼瞼下垂のための上眼瞼拳上術がレーザー治療で可能か?

クリニックFでも大人気のマドンナリフト。

イタリアはフィレンツェにあるレーザー会社DEKA社の開発したフラクショナルCO2レーザーによる治療ですが、上まぶたのたるみを取るレーザー治療として認知度も上がってきました。

本物のマドンナがWEBに出てきたりと話題性も抜群なんですよね。

今回YOUTUBEで動画が新たに上がったようなのでご紹介しますね。

モデルは、皮膚科医ならだれでも知っている、とても著名な皮膚科の先生です。

Millions of patients have benefited from fractional resurfacing since its introduction and FDA clearance in 2004.

Advances in this technology have been refined to such an extent, that it now mimics the results previously realized only through eyelid surgery.

Fractional eyelift, better known as the Madonna lift, a procedure which is a safe and effective alternative to traditional eyelid surgery.

2004年にフラクショナルレーザーリサーフェシング(ソルタメディカル社 フラクセル)が米国FDAで認可されて以来、数百万人の患者が恩恵を受けてきましたが、レーザーの技術によって、上まぶた拳上術に代わる治療となり得るレベルに達しました。

数年前であればここまでの結果を出すためには、手術以外に選択肢がなかったのですが、メスを入れずに眼瞼下垂の治療が可能となったのです。

治療技術の進化は素晴らしいですよね。


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