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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:EBMNEvidence Based Medical Devices・レーザー/光/RF/プラズマ他が適応する疾患・治療法など

欧州皮膚科学会専門誌の挿絵と白斑症

今月号の欧州皮膚科学会専門誌の巻頭論文を読んでいたら、15世紀のトルコの医師が、尋常性白斑の治療に使っていた手法が書かれていました。

まあ簡単にいうと焼きゴテなんですが、なんだか絵が印象的です。笑。

白斑症ですが、色の白いを求める日本人はあまり気にしない人もいますが、実は結構多くの人が持っています。

シミが気になると来院された方を診察してみると、実際には発症している白斑との境界の正常の皮膚が、シミっぽく見えているというケースも多々あります。

もしも気になる方は白黒反対に観察してみてくださいね。

最近ですが、コロナワクチンを打った人に、白斑症が多発する症例が散見されます。

これは免疫細胞がなんらかの影響で交差して、メラノサイトを破壊してしまうようなのです。

気になる方は専門医にご相談くださいね。


強力な光が生体に対してなぜ影響を与えることができるのか?

僕の医学の専門はレーザー光治療ですが、光を使って肌の細胞を若返らせることを目的としています。

強力な光が生体に対してなぜ影響を与えることができるのか?実は謎でした。

光が生体に影響を与えるとしたら、葉緑体を思い浮かべる人が多いですが、もちろん植物にある葉緑体は、動物には存在しません。

実際にこの答えを予想したのは、1989年。当時のソ連邦崩壊のさなかのモスクワの学者KARUでした。

可視光から近赤外光は、光受容体であるミトコンドリア内膜上に存在するチトクロームCオキシダーゼに作用することを発表したのです。光刺激により、電子伝達系を介したミトコンドリア内膜でのATP合成が促進されることが若返りのトリガーになります。

ミトコンドリアはもともとは酸素を利用することのできる別の生物で、それが酸素を利用できない真核生物の細胞の中に取り込まれたので、現在の酸素によりエネルギーを作る生物が生まれました。このため、独立した遺伝子をもっていることが知られています。

細胞核の中のDNAにはミトコンドリアの遺伝子は含まれておらず、父親系の遺伝子が含まれない。つまり、ミトコンドリアに依存する運動能力などは、母系遺伝になり、基本的に世の男性は、自分のミトコンドリアの遺伝子を後世に残すことができないのです。

ミトコンドリアDNAは必ず母親から子に受け継がれ、父親から受け継がれることはない。またミトコンドリアDNAは男女の交合による組換えを経ることがないため、個々人のミトコンドリアDNAの違いは突然変異のみになるのです。興味深いですよね。

写真はKURUの論文の表紙です。


2022年年末のご挨拶

東京では12月31日の太陽が沈み、いよいよ2022年があと数時間で終わります。もう数名の患者さんを診察施術して今年の外来が終了となります。


*写真は鎌倉は由比ヶ浜での日の入りです。

引き続き難しい状況が続いた1年でしたが、そんな中でもクリニックにお越しくださった方々に感謝いたします。ありがとうございました。
マスクの常用による顔の違和感にもすっかり慣れてしまった感があります。紫外線や埃といった刺激物もある程度カットしますから、皮膚の質感自体は上がって良さそうなものですが、これがどうしてどうして。コロナ禍による外出の減少やマスクの常用により肌が綺麗になった!という方は残念ながらあまりお見掛けしませんでしたね。

何より指摘したいのは、僕が「マスク肝斑」と呼んでいる症状。マスクを一日中していると、頬の同じところが何度も擦れてしまうので、これが三年ともなると!まさに肝斑様のシミを持って来院する人がとても多いのです。対策はもちろんレーザーもありますが、まずは原因を根絶するために、なるべくマスクを外す。さらに着けなければいけない場合も形状の違うマスクを一日に数回変えていただくのが良いと思います。

くすみや緩み、弛みが進んでしまった方も多かったように思います。きっとこれは「マスクがあるから」「どうせマスクで見えないのだから」という気持ちの欠片が心のどこかにあり、洗顔やスキンケアが疎かになったり、メイクによって保護されていた皮膚が露出してしまったことにあるのでしょう。
もちろんですが、そのほか社会情勢により過緊張やストレスが続き、心がなかなか晴れず自律神経調整機能が落ち、ホルモン活性も下がる、という要因もあるでしょう。

もう一点、海外では、コロナワクチン接種により、高確率で白斑が発生するという事例がこのところ報告されています。日本人は白斑には気づきにくいと言われていますが、皮膚科的にはシミよりもはるかに治療が難しいとされています。おそらくmRNAのコロナワクチンがメラノサイトの突起に過誤反応してしまい、自己免疫疾患を引き起こすのではとの議論がありますが、こちらも引き続き要注目ですね。

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今年お会いした患者さんには、クリニックFにお越しくださることが「久しぶりのお出かけなんです!」という方も何人かいらっしゃいました。僕たちとしては大変光栄なことで、「久しぶりのお出かけ」を出来るだけ楽しく有意義なものにするにはどうしたらよいか 細かなことをスタッフと話し合ったり実行に移した年でもありました。

皮膚にとって「お出かけ」は大切です。天気を感じ、自然の色を観て、音を聴いて、足を動かし手を動かす。登ったり降りたりして、手を延ばし気になるものに触れてみる。人と目を合わせ、会話をし、頷いたり笑ったりする。時に怒り泣くことも良いでしょう。五感の刺激を豊かに感じること。そのすべてが皮膚を磨いていきます。

僕たちにできることは変わらず最新知見を以て適切な機器と照射方法を選択し、その皮膚にあるDNAを再び起こす刺激を与え、目を覚まし開いてもらうことになります。

今年お会いできた方も、逆にお会い出来なかった方も どうか佳いお年をお迎えください。また2023年にお目にかかります。

クリニックF 院長  
医学博士 工学博士 薬学博士 MBA
藤本 幸弘
2022年12月31日クリニックF院長室にて


8年前 アコレード(Accolade)

8年前の記事。

クリニックFに2009年から導入されているアコレード(Accolade)。

755nmの波長をもつQスイッチアレキサンドライトレーザーで、
ナノ秒のパルスによる衝撃波でメラニンを粉砕します。

この波長はメラニンへの吸収性が高く、深達度も高く、副作用を最小限に留めるもので、アジア人の肌にはとても人気のあるものです。

サイノシュア社の機器は大きいですし、決して使い勝手が良いわけではないのですが、設定が玄人好みで、僕は好きですね。

https://takahirofujimoto.com/blog/blog/lasertreatment/melasma/post_3265/


レーザーと兵器

スターウォーズやガンダムで描かれている「光線を発射してダメージを与える」というレーザー兵器のアイデア自体は古くから存在していました。

1898年に発表されたH・G・ウェルズのSF小説「宇宙戦争」では、火星人が乗り込んだトライポッドから「Heat Ray」いわゆる目に見える熱線を発射するシーンが描写されていたそうです。

単一波長で指向性と収束性に優れたレーザーは1960年に現実に発明されました。

レーザー とは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光増幅放射)の頭字語(アクロニム)です。

その後CDやDVD、光ファイバー、レーザー印刷機器、レーザー彫刻加工機器、さらにはレーザー医療機器が開発されて、約30名のノーベル賞受賞者を排出して近代科学の最も重要な発明の一つと言われています。

しかしながら、発明から60年以上経った2020年においてもレーザーはSF映画の様に兵器として実用化されていません。

ところがここ数年、兵器ドローンなどに対してレーザー光線を使用する案が急激に持ち上がってきているのです。

ここで使うレーザーの波長は、目に見える驚きますね。

lightではなくて、近赤外線などの目に見えないmicrowave。

かつてMASER(Microwave Amplification by Stimulated Emission of Radiation)と言われるもの。

スターウォーズなどの映画でも、見えないレーザー光線がいきなり戦艦を破壊すると考えると、映画として成立しない気もしますが、もはや技術革新はそこまできているんですよね。

How The Once Elusive Dream Of Laser Weapons Suddenly Became A Reality (thedrive.com)


















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