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COLUMN

コラム「音楽は名医」
4. 悩んだ心に音楽を!健康的に悩みをケアする

4. 悩んだ心に音楽を!
健康的に悩みをケアする

どの時代に生きても人間が生きていく上で悩みを切り離すことはできません。脳の発達が際立った高等動物である人間は、様々な刺激とストレスを脳で受信しながら日々暮らしています。

人間に負荷をかける強大なストレスは、ライオンに襲われる草食動物が感じるような数秒単位のストレスとは異なります。なかなか解決の糸口を見つけられないまま、数カ月、数年、数十年といった単位でストレスが続くことも決して少なくないのです。

◆音楽が悩みに効く理由

悩みというストレスは、自律神経の乱れやホルモンの不調を招きます。交感神経が圧倒的に優位となり、身体はいつも緊張状態を強いられます。

脳内のホルモン不活性はもちろん、副腎からは「ストレスホルモン」と呼ばれるコルチゾルが過剰に分泌されてしまいます。

そして、ストレスによって脳の情報処理能力が低下し、それにより気持ちは不安定になり、感情のコントロールが失われたりします。脈拍や心拍も乱れ、汗が突然出たり、涙がこぼれたりすることもあるでしょう。

ストレスが溜まると食べ過ぎたりお酒やタバコの量が増えるという人がおいでになります。

これは食べることによって一時的に副交感神経が優位になり束の間多幸感に満たされること、お酒やタバコによってドーパミンが分泌されたり、新脳の抑制がとれるためです。

けれどこれらはあくまで一過性の効果に過ぎず、また依存度の強いものであるため、健康的なストレス解消法とはいえません。

こうした出口をなかなか見つけられない悩みに苛まれている方のために、音楽を活用するという方法があります。

音楽は脳に働きかけ、ホルモンを活性化し自律神経を整えてくれます。

美しい音色によって刺激された脳で分泌されるドーパミンやエンドルフィンは、コルチゾルの分泌を確実に低下させます。ゆったりと静かな曲は「自信ホルモン」「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンを増やし、ノルアドレナリンとドーパミンのバランスをとってくれます。

ドーパミン、エンドルフィン、セロトニンの3つは「心の三原色」ともいえるホルモンで、バランスが整うことで平常心を取り戻せます。また、自律神経のバランスが整うことで心に安定感が生まれ、悩みによる緊張から開放されます。

ストレスからくる体の不調を改善することにもつながります。

◆悩みに効果的な曲選び

悩みを改善するための音楽には、クラシックや環境音楽など、自然の情景が思い浮かぶようなものが効果的です。そして最初は少し暗い曲を敢えて選んで聴いてみてください。

落ち込んでいるときに明るい曲を聴いても心がそれを受け入れません。あくまで今の現実に即した、重く沈んだ自分の気持ちをそのまま表すような楽曲に気持ちを包み隠さずそのまま委ねてみてください。

音楽に同調してもらうこと、寄り添ってもらうことで、少々頑張りすぎて疲れてしまった自分の心を受け止め、気持ちをそのまま認め受け入れる作業を行います。

そうした一連の作業が行われた後、今度は少しずつ明るく晴れやかな曲、華やかで軽やかな曲を徐々に取り入れてください。

暗いトンネルの出口に射す光に向かって一歩ずつ歩いて進んでいく作業を行います。いつしか心が少しずつ軽くなっていることを実感できるはずです。

悩んでいるときは、曲を聴く順番にほんの少し気を配るだけで、気持ちの切り替えがしやすくなると思います。