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COLUMN

コラム「音楽は名医」
6. 効果的に聴くことで、より不調がスッキリ。音楽を聴くときの4つのポイント

6. 効果的に聴くことで、より不調がスッキリ。
音楽を聴くときの4つのポイント

さて、ここまではリズム、メロディー、ハーモニーが三位一体となり云わば「音の集大成」とも言える音楽が、聴覚を通してヒトの脳に働きかけ、自律神経を整えたり、ホルモンの活性を促進させる仕組みをお話してきました。

脳はより複雑で難解なものを好むことから、最初は聴きなれなくとも理解が深まるにつれその良さがじわじわとわかるもの、数ある音楽ジャンルの中でもクラシック音楽のような周波数が幅広く、一曲を奏でるために必要な時間数も長く、理論構築と構成がしっかりしている音楽を積極的に取り入れることでより効果が増す、というお話もしてきたかと思います。

今回はそうしたクラシック音楽の楽しみ方、聴き方のポイントをご紹介します。

◆音楽を記憶してワクワクする

これはクラシック音楽に限りませんが、曲を何度も聴き込みメロディーを記憶することは、脳の活性化につながります。そしてどんな曲にも「サビ」と呼ばれる、一曲の中で一番盛り上がるパート、その曲の世界観を凝縮したパート、オープニングやクライマックスなど、場所に関係なく聴衆に好まれ支持を得ているパートがあるかと思います。

そうした部分を意識して記憶するようにしたり、あるいは単純にその曲の中で自分は一番ここが好きだな、という場所を見つけておくことはとても重要です。

こうした場所がひとつでも見つかると、脳の中に変化が起こります。曲を聴くときに、そのパートがくるぞくるぞ、という期待感が生まれ、まさにその部分がくる直前に、ドーパミンが放出されるのです。

期待、そしてワクワク感が脳内快楽ホルモンであるドーパミンの大量放出を助ける、というわけです。

ドーパミン放出によって得られる快楽感が、痛みを含めた不快感からの脱却に役立つことでしょう。

◆曲に浸って全身をゆだねる

何かをしながら、または何かを見たり、何かに気を取られている最中BGMとして音楽を聴く・・・そんな楽しみ方も音楽にはあることでしょう。

しかしながら、もし音楽の力を感じたい、音楽を薬として感じたい、という場合には、出来たら音楽だけに集中できる環境を一度整えてみてください。

身体をリラックスさせ、視覚を刺激しすぎない明りの元、できれば目を閉じてひとつの曲をじっくりと聴いてみてください。このほうが脳も曲に集中できます。

特に痛みや悩みがあるとき、意識はどうしてもそちらに向かいます。

そこで音の響き、メロディーやハーモニーの美しさ、そのストーリーに意識を集中してみてください。痛みや悩みから少しでも気持ちを切り離すこと、溜まっているストレスから少しでも解放される時間をつくること。これが結果として良い効果を生んでくれます。

◆繰り返し聴いてリピーターになる

音楽を繰り返し聴くことは、その曲への理解を深めてくれるだけでなく、脳の神経回路もより太く頑丈にします。

神経回路が頑丈になると、脳がスムーズにその曲を受け止め消化することができ、自律神経やホルモン活性への働き掛けも活発になります。

それにより、ホルモンの全体的なバランスが良くなり、心と体をコントロールしている自律神経が整う効果もより期待できます。音楽がもつ、体の中から調子を整える、まさに「ナチュラルメディスン」的効果をダイレクトに期待できるようになるのです。

◆快適な環境で聴く

言うまでもありませんが、環境も大事です。

いくら目を閉じ音楽以外の音はできるだけ遮断しても、何か気になる不快な匂いがあったり、お腹が空いていたり、喉が渇いていたり、何か不自然な体勢をとっていたり、埃が舞うような部屋で聴くのでは心からリラックスすることは出来ません。

こうしたこともぜひ少し気にかけてみてください。

また、寝るときに聴く場合は、いつ眠ってもいいように室温を調整したり、照明を落とすか消すのがよいでしょう。

そして、音のボリュームも出来るだけ絞り、余計なことは出来るだけ考えず、音楽だけを感じてみてください。

もしそれがうまくいくようであれば、過去にあった懐かしい記憶や、大好きなものや人を思い浮かべてみたり、あなたにとって幸せのイメージとはなんであったかを思い出してみてください。

ささやかでも温かく、つい笑顔になってしまうような記憶を手繰り寄せることも脳がとても喜ぶことのひとつです。こうした脳を喜ばせる小さな積み重ねが、少しずつあなたの日常を明るい方角へと導いてくれます。