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COLUMN

コラム「音楽は名医」
8. 美肌にはショパンの調べ

8. 美肌にはショパンの調べ

日本人女性の皮膚は欧米人から見たときはもちろん、同じ黄色人種の中で見てもそのキメの細やかさや弾力は非常に優れたものであると、かつては言われたものでした。

米と野菜を中心とした食生活や恵まれた水質を生かした入浴習慣、「色白は七難隠す」ということわざに代表されるような美意識、木でできた通気の良い住宅や豊かな四季ある一年を通してみた時の気温と湿度のバランス、化粧品へのこだわり・・・といったいくつもの要素が相重なり、それが実際人から見たときに美しい皮膚の印象を与え、こうした評価を不動にしていたのだと考えます。

しかしながら、現在は昔のような生活が困難な時代となりました。

異常気象ともいえるような気温と湿度の急激な変化に加え、食の安全性が問われ、入浴習慣も徐々に廃れ、住宅事情もすっかり様変わりしてしまいました。

また、特に大きな変化が女性の社会進出です。男性と同じように、あるいはそれ以上に社会的責任を背負いながら忙しく日々を送る女性が増え、これがますます皮膚を過酷な状況へと追いやっているのです。

◆ストレスフルな毎日で肌が「男性化」。美肌に欠かせない内側からのケア

このコラムで繰り返し毎回お話ししてきた自律神経とホルモンの安定は、男性にとっても女性にとっても美肌を手に入れるために絶対必要不可欠なものですが、女性の場合に限って言えば男性社会で男性と同じような重責を担って日々を送るようになると、自律神経が乱れるだけでなく、特に美肌に必要な女性ホルモンの活性が阻害され、反対に男性ホルモンの分泌が活発になってしまうという事態が起きてしまいます。

男性の髭が生える辺り=所謂「Uゾーン」と呼ばれる頬から顎にかけての部分を試しに拡大鏡でじっくり覗いてみたり、触ってみたりしてみてください。

もしその辺りにニキビができていたり、ざらつきがあったり、毛穴が目立っていたり、澱むようなくすみ感があったり、実年齢に比べてたるみすぎているような感覚があったらあなたも要注意です。

または、歯を食いしばりすぎて以前よりも顔が四角くなったりしていませんか? 顎に梅干しのような皺が寄っていませんか? 口角が下がっていることで、不機嫌な顔に見えたりしていませんか?・・・これらすべてあなたの「男性化」を物語る兆候だと考えてください。

そのまま視線を目元に移せばほぼ確実にクマが目の周りを色濃く囲んでいたり、皺が増えているはずです。

そう、いつの間にかあなたは「戦士」となって、男性のように日々を戦っていたのです。その男性化が進めば進むほど、美肌からは遠のいてしまいます。

こうした症状を改善したいと思われる方で、音楽の力を借りたいと思われる方にお薦めしたい「音の名医」がいます。

その人こそが「ピアノの詩人」フレデリック・フランソワ・ショパンです。

しっとりと潤いを携えた女性的な曲で彼の作品は溢れています。

女性のあらゆるステージにそれぞれ寄り添える楽曲を彼の作品には確実に見つけることができます。

◆聴くだけで美肌度UP! 10歳若返る!?

以前ショパンの名曲・名演を集めて「美肌」をテーマとしたCDを監修したのですが、選曲後に予備実験を行いました。

実験は女性10名に対して「このCDのうち好きな曲を繰り返し聴く」、もしくは「流して一枚のCDをすべて聴く」作業を1日1時間以上、そして特にここが大切なのですが、「若い頃の恋愛の楽しい思い出をショパンの曲に合わせて思い出しながら」10日間聴いてもらい、10日後に肌年齢の測定を行う、というものでした。

さて、10日後。

肌年齢を測定したところ、私自身驚く結果を得ることになりました。

なんとわずか10日間で約10歳の若返り効果が認められたのです。

正確には10名の女性の実年齢が平均42.6歳、専用の機器で測定した平均肌年齢は40.8歳であったのに対し、10日間の実験後には肌年齢が平均30.9歳と、実に9.9歳も肌年齢が若くなっていたということになります。

具体的に言うと、それぞれ肌のハリと水分量のパラメーターが上昇、油分量が低下したという結果を得ました。

女性ホルモンであるエストロゲンが上昇したことで肌のハリと水分量が上昇し、男性ホルモンであるアンドロステロンが減少することで油分が適度に低下したことが、肌年齢を大きく下げたことにつながると考えています。

女性が社会で活躍することは素晴らしいことですが、ストレスで肌の美しさや健康が損なわれてしまうのは残念なことです。

一日一時間だけでも女性性を豊かにする時間を持つこと。

恋愛でなくとも、昔好きだった憧れのスターを思い出したり、愛しい家族の顔を思い浮かべたり、いつもより時間をかけてじっくりと肌や髪、爪の手入れをしたり、メイクをしてオシャレをする・・・といったことでもよいかと思います。

これが欧米なら、曲に合わせて好きな人とダンスをしてください、というところですが日本人にはなかなか難しいかもしれませんね(笑)。

その場合は親しい人(ペットでもよいと思います)とのささやかなスキンシップもとても効力のあることでしょう。

頬を持ち上げて明るい笑顔、穏やかな微笑みを取り戻し、優美や清廉さ、温かさを視線や指先で再現してみてください。

それらすべてがショパンの調べに乗って女性ホルモンの活性を促します。