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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

医師による痩身のトレンド

先週帰国したフィレンツェでの学会講演記がまだまだ続いていますが、東京での僕の近況を。

連休の中日は、秋葉原のUDXビルで開催された、第7回日本臨床抗老化医学会 東京アンチエイジング・フォーラムに出席してきました。企業プレゼンテーションの枠での招待講演です。

秋葉原の大きな駐車場跡に忽然と現れたUDXビルに、当初は驚きましたが、久しぶりに行ってみるともう秋葉原の風景のひとつになってしまいましたね。

今回僕が講演を依頼されたのは、進化型EMSアルゴリズムを組み込んだメタボリックシンドローム解消機器

「AC BODY」

について。

ここ数年、米国レーザー医学会(ASLMS )の機器開発のトレンドは、痩身に向いています。

脂肪吸引の手術を除いた、実際の機器としては

1 レーザーまたは光を使用するもの
2 RFを利用するもの
3 超音波を利用するもの
4 冷凍凝固を利用するもの
5 薬(メソセラピーや投与薬)を利用するもの

の大きく5つの分野に分かれ、

さらにマーケットとしても

○体重を減らす
○内蔵脂肪を減らす
○皮下脂肪を減らす
○部分的な脂肪やセルライトを溶かす
○ボディを彫刻するように削る

などと、市場の細分化がなされてきました。

医療分野として見ても、医学的根拠やエヴィデンスがしっかりとあり、本格的なアプローチが可能になる“役者”がいよいよ揃ってきたな、というかんじです。

これが何を意味するか。

およそ10年前まで、この日本ではエステティックサロンの独壇場だった「痩身」という分野に、「メタボリックシンドローム」という“追い風”に乗りここ数年じわじわと医療が進出していましたが、これで医療がいよいよ本格的にこの分野に乗り出し、顔の美肌が主な目的だった「メディカルスパ」に痩身というもうひとつの“柱”が出来ることになるのです。

このブログでも何度かお話していますが、美容医療の分野で開業する医師にとって、ライバルは同業者ではないのが、この日本という国の特徴です。同業者を気にしているだけでは、戦略を誤ってしまう。

かつてエステティックサロンがターゲットとしていたマーケットをよくよく勉強している医師が、この世界で生き残っていくことが出来る。

そういう意味で、痩身のトレンドは無視することの出来ない情報ではないかと思いますね。

今回僕が発表した「AC BODY」は、今までも僕のブログ新国際学会周遊記の

痩身 ダイエットカテゴリーで

何度も触れてきましたように

腹部の体幹部の筋肉を鍛える事によって、基礎代謝をあげて、内蔵脂肪を中心に優位に減少させるというもの。

筋肉を鍛えるという、ある意味、最も古典的とも言えますが、最も確実な効果を期待できる機器でもあると言えるのです。

通常使用されるEMSの装置は、痩身に対しては「過去の遺物」という印象もありますが、この機器が痩身に効果がなかったのは、低周波を利用する電流の場合、体表面の、つまり浅い部位の筋肉にしか電流が届かないという致命的な弱点があったからなのです。

この特許を申請した新アルゴリズムは、この致命的な弱点を克服し、深い部位に電流を入れ、体表から深い部位にある、体幹部の大きな筋肉を鍛える事ができるのです。

体の中で基礎代謝量ををあげているのは筋肉です。

筋肉量が多い人は、基礎代謝も当然上がり、太りにくい体になるのです。

僕自身が実際に18回の施術を体験して、身を持って効果を再確認したので、この機器に本当に効果があるのかどうか、医学的検討を加えてほしいという依頼のもと、

ここ一年ぐらい、ボランティアの方のCTを撮ったり、数度に渡りホルモン値を含む血液検査を行って結果を判定してきました。

優位な変化が出たと判断しましたので、今年10月に浜松で行われた第30回日本肥満学会において、その成果を発表しました。

昨日の発表はその結果も付け加えたものにしました。

メタボリックシンドロームは、健康と病気の境界にある予備疾患です。

西洋医学の医師は、「病気に対するアプローチ」は手術や薬など、沢山持っていますが、

健康を維持するのに何が大切か? 若々しさや活力を保つために何ができるか? という「健康に対するアプローチ」をあまり持っていないのです。

この機器は、体幹部の筋肉を鍛え、内蔵脂肪を減少させることで、体をより若い状態に戻すという意味で、この予備疾患に対し対応できるという、基本的な使用法以外に

脂肪吸引の術後などに、体形維持のために併用する

さらには、体幹部の筋肉を他動的に鍛える事で、高齢者の病後離床を早める

脳梗塞などで廃用性萎縮がおこった筋肉を個別に鍛える

など、さらに多くの利用法があると思います。

僕の15分間の講演を聴いていただいた方の中で、どのくらいの方に真意が伝わったかまだ分かりませんが、体験して頂くと、ほとんどの方がかつてのEMSとの違いに驚きますよ。

 


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