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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

BLOG|ブログ

診療明日までです

2011年のゴールデンウィーク。クリニックFの診療は、明日が最終日です。

明後日5月1日から学会参加のためアメリカに向かいます。

出張明けの診療は、5月9日から。

GW最後の診療となる明日は御予約でかなり混み合っていますが、1〜2箇所は空いている枠がありそうです。お急ぎの方は明日11時以降お電話ください。

今日は自宅で学会準備に追われています。


レーザーアンチエイジング:2011年4月現在のラインアップ

昨日のブログでも書きましたが、2011年4月現在、レーザーによるアンチエイジング領域における最先端治療器により、肌全体を若返りさせる作業には以下の四つを挙げられます。

1 「ホワイトニング」 もしくは 「ブライトニング」

これは、端的に言うと

「表皮にあるヘモグロビン(赤)やメラニン(茶)などの色素を減らすこと」

です。

人の肌の色を決定している要素の多くは、ヘモグロビン(赤)とメラニン(茶)なのですが、これらの色素にそれぞれ反応するレーザー光機器を使用して減少させることで、より「白い肌」、より「透明感のある肌」を手に入れることが出来ます。

化粧品によって「白い肌」は手に入りますが、「透明感のある肌」は、レーザー光治療以外では手に入れることの出来ないものだと思っています。

■使用する代表的な 光/レーザー/RF機器

◎フォトフェイシャル/光治療ベース

○オーロラSR / シネロン社

○オーロラSRA  /シネロン社

○ライムライト /キュテラ社

○アキュチップ /キュテラ社

○マックスG /パロマ社 

○BBL /サイトン社

◎レーザーベース

○メドライトC6 /ホヤコンバイオ社

○アコレード /サイノシュア社

○エリート /サイノシュア社

○エクセルV /キュテラ社

2 「タイトニング」

これは、

「真皮の線維芽細胞を活性化してコラーゲンやエラスチンを再生させること」

と言えます。

初対面の人の年齢を予想するとき、肌のはりと充実感を1つの“メルクマール”にしていることに気づくと思います。

肌のヒアルロン酸は16歳をピークに。肌のコラーゲンは20歳をピークに。

肌のエラスチン(弾性線維)は25歳をピークに低下してゆく傾向があります。

これらを再生する能力があるのは、現在の医療ではレーザー光治療だけです。

また、コラーゲンやエラスチンを経口で摂取しても、このような高分子がそのまま肌に入ることは、ほぼ100%ありません。「髪を食べたら髪がふさふさになるのか?」ということを冷静に考えていただければお分かりですよね。

■使用する代表的な 光/レーザー/RF機器

○リファームST /シネロン社

○ポラリスWRA /シネロン社

○タイタンXL /キュテラ社

○スキンタイト /サイトン社 

○ラックスDeepIR /パロマ社

○ジェネシス /キュテラ社

○テノール /アルマレーザー社

○アクセントウルトラ (ただし主にボディ用) /アルマレーザー社

3 「リフティング」

「皮下脂肪組織を貫通し、支えている、皮下線維組織のゆるみを引き締めること」

と言えます。

人の顔は加齢とともに重力に逆らえずに下がってくるといいますよね。

この肌のゆるみのほとんどは、顔面表情筋よりも表面に近い部分の、皮下脂肪層を支えている皮下線維組織の僅かな弛みから発生しますので、顔面表情筋を鍛えることで、たるみを予防もしくは改善することは不可能です。

■使用する代表的な RF/超音波機器

○サーマクール /ソルタメディカル社

○ePrime /シネロン・キャンデラ社 

○ウルセラ /ウルセラ社

4 「リサーフェシング」

肌の一部を入れ替えることで、肌の表面を再びサーフェス(平滑)にする作業です。上記三つの概念が「肌の改善」にあたるのに対し、こちらは「肌の入れ換え」ができますので、これまで治療がされにくかった「ニキビ跡」や「毛穴縮小」などの治療が可能になりました。

■使用する代表的な レーザー/RF機器

◎低侵襲性 (ダウンタイムなし)

○フラクセル3 /ソルタメディカル社

○フラクセル2 /ソルタメディカル社

○モザイク /ルートロニック社

○アファームマルチプレックス /サイノシュア社

○マトリックスIR /シネロン社

○スターラックス1540XD /パロマ社

◎中侵襲性 (ダウンタイム 数日から一週間)

○eMatrix /シネロン社

○イントラセル /ジェイシス社

○パール /キュテラ社

○パールフラクショナル /キュテラ社

○プロフラクショナルXC /サイトン社

◎高侵襲性 (ダウンタイム 数日から数週間) 

○フラクセルリペア /ソルタメディカル社

○eCO2プレミアム /ルートロニック社

○アンコア(ブリッジセラピー DeepFX ActiveFX)  /ルミナス社 

○フラクショナルEDGE  /ジェイシス社

○SmartXide2  /デカ社

○CO2RE  /シネロン・キャンデラ社

この10年間のレーザー/光/RF/超音波の治療機器の新規開発技術により、これら肌のレイヤーに分けて、1~4の中の必要な治療行程を踏むことで、瑞々しく、ハリがあり、肌理(キメ)が整った美しい肌を再び手に入れられるようになったのです。

中でも、「ホワイトニング」+「タイトニング」の相乗作用を期待した

○ギャラクシー (オーロラ・リファーム) /シネロン社

○タイタン・ライムライト /キュテラ社

○BBL・スキンタイト /サイトン社

の組み合わせなどは、違った種類のエネルギーの重ね合わせにより、数多くのレイヤーに相乗効果があります。

特に

「ホワイトニング」+「タイトニング」+「リサーフェシング」の作用がある

○トリニティ (オーロラSR・リファーム・マトリックスIR) /シネロン社

○トリニティ・アドバンス(オーロラSRA・リファーム・マトリックスIR) /シネロン社

などは、肌のメンテナンスの機器としては、クリニックFでは、最も人気の高いメニューです。

しかしながら、繰り返しお話していますが、こうした肌全体を若返らせる機器を使用する場合、特に注意が必要なのは、同じ機器が隣のクリニックにあったとしても、同じ治療がなされているとは限らないということ。

レーザー治療機器は、あくまで「道具」に過ぎません。

料理人は、調理器具にこだわりをもって料理をつくると思いますが、カリスマシェフと同じ調理器具を購入すれば、同じクオリティの料理が作れるでしょうか?

新たに開発された最新レーザー治療機器は、もちろん機器を持たないクリニックでは治療が出来ないことは、事実です。

しかしながら、たとえ同じ機器を持っていたとしても、実際に治療器を道具として考えた場合、道具を使いこなす知識と経験が必要です。新しい機器を使用して、治療に使うためには機器を導入してからのテスト時間も大切です。

ハイテクである道具を、いかにメンテナンスしているかということも大切なファクターです。しかも、最新機器を使用する分野では、とくに少しでも新しい情報が極めて大切になります。

特に、

4 「リサーフェシング」 ◎高侵襲性 (ダウンタイム 数日から数週間)

のこのカテゴリーのレーザー機器を使用した場合には、パワーや照射密度などの設定を誤って、蒸散させすぎたことでニキビ痕が悪化したり、色素沈着が起こったりするトラブルが比較的多くありますので、クリニック選択には慎重になった方が良いと思います。

僕が毎月のように海外の国際学会に出席し、医師や機器メーカーの人たちとの人脈をつくり、新たな情報を得ているのは、安易に新規機器に飛びつくのではなくて、業界を鳥瞰し、トレンドをつかむという目的もあるのです。


レーザー治療 失敗

「レーザー治療 失敗」というキーワードで検索をかける方が多いのだそうです。

先輩のドクターから伺いました。

「レーザー治療 失敗」

う~ん、なかなかショッキングな言葉ですよね。それだけお悩みの方が多い、ということなのでしょうか。

「レーザー治療」で「失敗する」ということがクリニックFではないので、治療中の患者さんとこのトピックについてお話することはないのですが、レーザー治療におけるリスク、そして治療失敗の可能性については、ご来院前の患者さんからお問い合わせを頂いたり、聞かれることはあります。実際他院での治療で「これは失敗だ」と感じられている方もおいでになるようです。

レーザー治療の失敗とは、そもそも何でしょう?

約10年前のレーザー治療とは、

「強いレーザー光をQスイッチの様な極単パルスで照射して、表皮上の平坦なシミやアザの様な色素をとりさる治療」

もしくは

「色素性のイボの様な凹凸物を、CO2レーザーの様な蒸散系の機器と、局所麻酔を用いてとりさる治療」

もしくは

「レーザー脱毛」

のことを指しました。

こうしたレーザー治療における「失敗」とは、

「オーバーパワーによる火傷や色素沈着症」

「肌を蒸散させすぎて、表皮が再生せず肥厚性瘢痕となった」

ことが主でした。

こういった古い意味でのレーザー治療の失敗は、現在の最新治療機器を使用し、医師に経験と知識があり、適正なパワーで照射した場合、ほとんど起こりえない症状です。

追記で言えば、古いレーザー機器を使って治療した部位を、現在の新しい機器で再度治療をやり直すことも可能です。

現在世界各地のトップレーザークリニックで需要のある最新レーザー治療とは、

病変部のみではなく、治療域の肌全体に照射して、肌全体を若返らせることを目的としているものが主流となっています。

人間には60兆の細胞があるといわれていますが、その細胞ではそれぞれ、「サイトカイン」といわれる細胞間情報伝達物質が行き来するネットワークが形成されています。

より広い範囲にレーザーや光を照射することで、顔であれば顔の全ての皮下細胞を活性化させることが出来るのです。

日本では、レーザー治療というと「シミとり」や「脱毛」を連想する人がほとんどなのですが、

レーザー先進国の欧米では、「光老化(Photo Damage)」してしまった肌を「リジュビネーション (Rejuvenation)」つまり、「若返り」させることを連想します。

定期的に美容院やスポーツジムへ行くように、レーザークリニックで治療を行うのです。

クリニックFに定期的に肌のメンテナンスにいらしてくださる患者さんの場合

タレントやモデルさん、歌手、美容家、ファッションプロデューサー、政治家、実業家、接客業・・・のように、顔の露出がそのままビジネスの収支に関わってこられる方は3週間~4週間に1回(年間約12~15回)

こうした露出が特にビジネスと直接関係のない方は、人によって2~4ヶ月に1回(年間3~6回)

といった形で、御自身の生活に合った頻度で顔全体のレーザーの施術を行うことをおすすめしています。

僕自身も40歳が見えてきた頃から2ヶ月に1度はレーザーを照射するようにしていますが、おかげさまで実年齢より若く見えると言っていただくのはもちろん、時差ボケや学会準備で徹夜続きでへろへろなときにも疲れが見えづらいようで、患者さんや取引先とお会いするときに重宝しています。日々接客業でもありますから、お客さんである患者さんに疲れを悟られない、というのは大事だな、と思っているのです。

疲れて沈んでいる人よりは、元気で生き生きとしている人と仕事をしたいと思われるのは、ビジネスの常識でもありますよね。

ちなみに、この手の新しいレーザー機器は、「火傷をしない程度のエネルギー光をより広く、数多くショットすること」を目的にしていますので、上記の「レーザー治療の失敗」にあたる様な事例はまずありません。

また、一部の紫外線のように、刺激の強い波長や、ガンを誘発する様な波長は、フィルターを使用してそもそも機器から照射されないようになっていますので、長期にわたり安全です。

それでは最新医学のレーザー/光/RF治療による肌のメンテナンス、リジュビネーション (Rejuvenation)とはどんなことを行うのか?

それは次のブログでお話したいと思います。


チャリティオークションでワインエキスパート

 

少し前の話になりますが、とあるチャリティオークションに参加しました。

オークションへの参加方法は二種類あって、ひとつが自宅にある未使用のものや、ビジネスでのサービスを、オークション商品として無償で提供することで参加する方法。

もうひとつが、そういった出品物を競り落とすためにチケットを購入することで参加する方法です。

このチケット費用がすべて寄付に充てられる、という仕組みです。

僕は、どちらの方法でも参加させていただき、商品の適用としてはクリニックのレーザー施術を、チケットの購入では20枚ほど購入させていただきました。

特にこのチケットで何か当てようと思っていたわけではなかったのと、オークション当日は診療で伺えなかったので、すっかり忘れていたところ、これを景品として後日頂きました。(オークションに参加できない人は代わってどなたかがbiddingしてくれる仕組みのようです)

「ワインエキスパート資格講座」DVD全5巻。

どなたかが購入されて、志半ばで挫折し出品されたのでしょうか・・・?

せっかく頂いたので、次はワインの資格でもとりますか(笑)。

さあ、今日の診療も残りわずか。最後はフラクセル3の5連発です(笑)。

 


レーザー機器発振は、フェムト秒からアト秒の時代へ

昨日も工学部大学院の研究室に行ってきました。5月にアメリカはボルチモアで開催される学会発表の最終打ち合わせです。

毎回のことながら、レーザー工学技術の進歩には感心するのですが、今日は“光技術コーディネートジャーナル”として知られる専門誌「OPTRONICS」誌に寄稿された、東京大学物性研究所 先端分光研究所部門 板谷治郎准教授による「アト秒発振のできるレーザー機器」の話をご紹介しますね。

ちょっと難しいのですが、それでもはるかに難しい原文の内容をかなり易しく書いたつもりなので、どうぞお付き合いください。

シミなどを破壊する医療レーザー機器Qスイッチレーザーのパルス幅(照射時間)は、

○ナノ秒(10の-9乗)秒

の単位の発振が最も短いものとされています。

しかしながら、工学系のレーザー機器では

○ピコ秒(10の-12乗)秒

○フェムト秒(10の-15乗)秒

・・・と進化が進み、最近では

○アト秒(10の-18乗)秒

つまり、医療で使用されている最も短いナノ秒のパルス幅は(10億分の1)秒ですが、その秒数のさらに10億分の1という、想像を絶するほどの短い照射時間のレーザーを作ることができるのです。

フェムト秒のレーザーが開発されたことで、可視光線の光電場の振動の数周期に相当する数フェムトの超短パルスの発生を可能にし、ピコ秒からフェムト秒の時間のスケールで起こる物質内の「原子」の運動を直接観察することが可能になったことは、2006年のブログでもご報告しましたよね。

ここ数年の技術革新により、フェムト秒よりさらに1000分の1の、アト秒単位のパルス発振が可能になったことで、原子に比べて1000分の1以下の質量の「電子」のダイナミクスを観測することができるようになったのです。

これがどんなに偉大なことか、想像つきますか?

まずこの恩恵にあずかるのは、

◎最外殻電子軌道が同定できる

ということです。

約10年前に高強度レーザー光によって、分子の配向を操作できる技術が開発されました。高強度レーザーパルス光を配向をそろえたガス中に集光させると、

最外殻電子は

1)強レーザー場中でトンネルイオン化し

2)レーザー磁場で加速されたのちに

3)分子に再衝突して短調波の光を放出する

のです。

このデータを計時測定し、それをまさに生体CTスキャンの、コンピューター断層撮影の計算アルゴリズムを適応することで、原子または分子に特有な最外殻電子軌道の三次元形状を推定することができるのです。

理論では考えられてきたことですが、これが実際に測定できるなんて本当に画期的なことだと思い、感動しました。

また、こうしたアト秒ダイナミクスの代表例は、紫外線によるDNA損傷や、光合成などに関わる光化学反応です。

つまり、光化学反応をミクロに考えると、光励起(レイキ)によって電子が励起され、電荷が分子内を移動してゆきます。特に原子の結合に関与している電子が移動することによって電子配列の組み換えが引き起こされるのですが、この反応が実際に測定できる時代に入ったということなのです。

レーザー/光が生体に対してミクロでどのような変化をきたしているのか、それが測定できるとすると、物理学、生物学そして化学を融合させる、本当に画期的なことだと思います。

こうした最新の工学知識の知見を得ながら、今後の医療レーザー機器開発および、臨床治療がどのような方向に向かうのかを予想してゆくことは、興味深いことでもありますし、最先端レーザー医療にかかわる医師としては必要なことなのだと思いましたよ。


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