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レーザーの歴史 その参 あざやほくろに効くレーザーの登場

あざやほくろに効くレーザーの登場

Photo_6

レーザー光線は、波長によって肌の下で反応する物質が変わる・・・という話はロックス=アンダソンによって指摘されましたが、肌の下の組織は、水・メラニン・ヘモグロビン・タンパク質の4つになります。 脱毛レーザー開発とほぼ同じ時期Photo_6 に、あざやほくろをとるためにメラニン吸収を主体にしたレーザーが開発されました。

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主に初期に使われたのが波長が694nmのルビーレーザーでした。 この波長はメラニンへの吸収性がよく、それに比較してコラーゲンやヘモグロビンへの吸収率が低いため、茶色いメラニンには使用しやすかったのです。
Stones_ruby2 この種のレーザーでも技術革新が進みます。実際にレーザーを照射する時間を「パルス幅」というのですが、この幅が短ければ短いほど、組織に対して熱が伝わる時間が短くなり、標的組織を破壊する能力が高くなるため、メラニン色素をとるためのレーザーはこのパルス幅を短くする技術の競争になりました。

パルスの幅がミリ秒(1/1000秒)単位のものをロングパルス・レーザー。その1,000分の1単位のマイクロ秒(1/1000000秒)単位のものをショートパルス・レーザー。

その後に開発されたさらに短いパルスのレーザーを1,000分の1単位のナノ秒(1/1000000000秒)単位、ピコ秒(1/1000000000000秒)単位、フェムト秒(1/1000000000000000秒)単位のものをウルトラ・ショートパルス・レーザーと言います。

Photo_7

ウルトラ・ショートパルス・レーザー以下のものをQスイッチレーザーといいますが694nmのQスイッチルビーレーザーを初めとして、755nmのQスイッチアレキサンドライトレーザー、さらに1064nmのQスイッチNd-YAGレーザーが開発されました。これらのレーザーは、いったんあざやほくろにレーザーを打ち込むと、この写真のように、まず色が白く変化し、じわじわと出血が始まり、色が変わり、3週間ぐらいでかさぶたととにもあざやほくろが取れるというものでした。

レーザーの歴史上、ここまでをablative treatmentと言います。肌にいったんかさぶたを作って数週間後に肌を治そうという考えが主流だったのです。

しかしながら、施術後にすぐにメイクをして帰れるというnon-ablative skin treatmentの技術が開発されたことによって、光治療器やレーザーを使用した肌の若返り療法は一気に加速します。
いわば、レーザーや光治療器は、ほくろやシミを対象とした手術室の“メス”から、顔全体のホワイトニングやリフティングを行う“進化した美顔器”的な存在に変化してゆくわけです。

Point to Plane 「点」から「面」へ 治療領域が広がってゆくのです。

明日のお題は「画期的な色彩的老化(シミ、くすみ)の治療法・IPL(フォトフェイシャル)の登場」です。


レーザーの歴史 その弐 東洋人における脱毛レーザーの応用

東洋人における脱毛レーザーの応用

Lpir

1996年、アメリカのフルモト(日系人)が、有色人種にも対応できる最初の脱毛レーザー、サイノシュア社LPIR(ロングパレスアレキサンドライトレーザー)を開発しました。
それがアレキサンドライトレーザーです。アレキサンドライトという人工宝石を用いて755nmという波長を出すレーザーでした。日本にも、その翌年である1997年に株式会社JMEC により輸入されました。

Gentlelase

その後、よりパルス幅(照射時間)が短いキャンデラ(Candela)社のアレキサンドライトレーザージェントルレーズ(GentleLASE) =冷却ガスとともに照射さGentlelase れるレーザーが日本に入ってきました。パルス幅が短いことによって、より細い毛にも対応可能となったのです。

Lightsheer_sm

さらに、ルミナス社(旧コヒレント社)より、半導体を使ったダイオードレーザーライトシェア(Light Sheer) が登場しました。ライトシュアは先端のハンドルピースに冷却装置がついているため火傷を起こしにくく、パルス幅も1秒当り5~30ミリと広くなっています。レーザーの性質上、不得意分野とされているうぶ毛の脱毛にも効果を発揮し、男性のヒゲの脱毛にも利用されています。このダイオードレーザーは、1999年4月に世界初の「永久減毛(Permanent Hair Reduction)」のFDA承認を受けました。

Apogee_elite

次に脱毛の世界に入ってきたレーザーが、ロングパルスヤグレーザー(波長1064nm)です。 肌の色の濃いApogee_elite 部位や毛根の深い場所の脱毛に最適なレーザーで、メラニン色素への吸収率は波長が長いほど低いため、1064nmのヤグレーザーは色素が多い肌には有利になるのです。日焼けした方の細く薄い毛を処理することもできます。メラニンに対する吸収率が高くないので、照射エネルギーをあげてもヤケドを起こす可能性はずっと減少します。最近アメリカでは、黒人やヒスパニッシュの脱毛に多く用いられています。

明日は、あざやほくろに効くレーザーの歴史について書きます。


レーザーの歴史 その壱 レーザー発想の誕生と黎明期 

今日から数日間にわたって、自分の専門でもあるレーザーの歴史についてこのブログで触れたいと思います。今日はレーザーの理論の誕生と、脱毛レーザーについてです。

レーザー発想の誕生と黎明期

ノーベル物理学賞を受賞したアインシュタインが1920年代半ばに行った研究である「誘導放出の研究」という論文がレーザー発想の原点です。

ここ数十年は、皮膚科領域だけ ではなく、外科手術などの他の医学領域や、工学部門でレーザーが活躍する時代となりました。いわばレーザーの発展期と言えます。

1954年に、C. H. Townes (タウンズ)とSchawlowらが、電波の一種のマイクロ波を強力にまっすぐに送り出す装置である「アンモニア分子線メーザー」を開発しました。

LASER(=Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)の最初のLはLightではなくてM (Microwave) でした。つまり1950年代は、“L”aserではなくて “M”aserだったのです。

1960年にはアメリカのT.H.メイマンがルビーの結晶を使い、光を強力に直線的に送り出すレーザー発振装置を開発しました。これが近代レーザーの発祥です。

1960年代にはレオン・ゴールドマンが、世界初のルビーレーザーで子供の皮膚の血管腫の治療が行いました。

彼はこの功績から「レーザー治療の父」と呼ばれています。

レーザー脱毛器の誕生
1983年、ハーバード大学皮膚科ウェルマン皮膚研究所のロックス・アンダソンとJ.A.パリッシュが「Selective Photothermolysis(選択的光熱融解理論)」という論文を著名な科学雑誌サイエンスにアクセプト(採用)させました。

001_2

(Anderson & Parrish, Selective Photothermolysis, Science, vol.220, page 524-7)

この理論は、「(レーザー光の)波長、光の照射継続時間(パルス幅)、単位面積あたりに照射する光エネルギー量の適切な組み合わせによって、生体の限定された領域に光熱分解を生じさせることができる」 というものでした。

○光の波長(Wavelength)

○照射持続時間(Pulse dilation)

○単位面積当たりのエネルギー量(Fluence)の

3つの要素を調節して照射すると特定の色素、細胞、そして細胞内構築物を選んで、融解する、もしくは組織の急速な温度上昇に起因するショックウェーブの機械的な力で組織を破壊することができるという理論です。

この論文では、標的色素のうち、微小血管のオキシヘモグロビンと、メラノゾームのメラニンの二つの色素について特に詳しい記載があります。

この実験の際に、ロックス・アンダソンのチームが、レーザーを使用して目の周りのアザの治療を行っていた時に、眉毛が生えてこなくなったという事実に着目しました。この事実から、「レーザーを使っての永久脱毛の可能性」を見出したとされています。

そして1996年、M.グロスマンによって、ルビーレーザーを用いた 世界初の脱毛機が誕生する運びとなったのです。このレーザーは、皮膚表皮にメラニンが少ない白人にのみ対応可能で、有色人種の皮膚の表面に含まれるメラニン色素に過剰反応してしまい、光が毛根まで届かなかったり表皮に火傷を負わせてしまうなどの結果を招きました。


究極の毛穴治療とは?

暑くなってきましたね・・

皮脂分泌も活発になり、毛穴の開きや黒ずみが気になる季節です。最近は女性ばかりでなく男性から毛穴をなんとかしたいというお問い合わせも多くなってきました。 日本人がこんなに毛穴について悩むようになるなんての昔は考えられなかったことでした。(乾燥肌で悩む人はいましたが) 食生活が変わってきたことや環境ホルモンの影響でしょうか?

Photo_5 僕自身は、毛穴を消すための「マックス・ピール」というQスイッチNd:YAGレーザーのカーボンを使ったレーザーピールに関わっていたこともあり毛穴の取材は、2003年くらいから国内外の雑誌より、多く受けるようになりました。

マックスピールはNdYAGというレーザーを使用するのですが、このレーザーの波長は黒いものに反応する性質があります。このレーザーはマイクロ秒と、ナノ秒の二種類のパルス幅が選択できるのです。

 顔に塗布したカーボンでマイクロ秒のパルスで熱を生成し、ナノ秒(Qスイッチ)の波長でカーボンを破壊して、表皮を軽くピールしてゆくのです。非常に良いレーザーでしたが、回数を何度も繰り返しても深いアクネスカーには改善に限界があり、素晴らしい結果が出た症例が非常に少なかったのです。   

Photo_4 今なら、米国レーザーの専門医としては、マックスではなくアファームを選択すると思います。毛穴を引き締め、黒ずみを除去する、しかも照射時間は約5分くらい。効果も翌日には明らかに分かりますし、すばらしいレーザーが開発されたものだと関心します。

  毛穴治療についてもうすこし書きたい気持ちがありますが、毛穴の話に行く前に、まずは僕の専門であるレーザーについて詳しくその歴史を書いていきたいと思います。


クリニックF 院長 藤本幸弘

医学博士  米国レーザー学会(ASLMS) 専門医

            ヨーロッパ皮膚科学会(EADV) 認定医

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