「デルフォイの神託」の話を聞いたことがありますか?
ギリシャのデルフォイの神託は紀元前8世紀から、約1000年の間、最も権威ある神託として、欧州中から評価されていました。
神託というのは、いわば大事の時の「意思決定システム」なのですよね。
2年前になりますが、ギリシアのアテネで学会発表に行った時に、デルフォイまで足を延ばし、現地に行ってきました。
友人がデルフォイにて、「ソクラテスより賢い人はいない」との神託を受けたことで、ソクラテスは世界の知者に対して問答を申し込み、自分の「無知の知」を知りました。
大国アケメネス朝ペルシアがギリシャ連合に対して戦争を仕掛けてきた際の対戦のきっかけも、この神託でした。
デルフォイの神殿は、泉の横でトランス状態になった巫女が話す言葉を、男性の神官が筆記するというものでした。
実はこのデルフォイの泉周辺には高濃度にエチレンが含まれていたことが科学者の研究で分かってきたのです。
エチレンを吸ってトランス状態になった巫女の言葉を、男性神官が忖度したのでしょう。
こうした世界各地に存在する神託を得られる場所。現在のようなパンデミックの国難に対した際には、必ず国の長が意見を聞きに行ったことでしょう。
21世紀には、こうした神託の代わりをするのが、科学的根拠であり、西洋医学のエビデンスでもあると言えます。
昨年12月の初めての報告からわずか4カ月。
世界各国で4000報にもわたる論文が掲載され、数多くの薬の再検討が並行して行われています。
半面、SNS、リツイートなどによって情報は交錯し、こちらもパンデミック状態でもあります。
まさに地球が一つの市場となったグローバル時代。
この新型コロナウイルス問題の解決方策が、今後の人類の歴史的な転換点になるのですね。