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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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数学の苦手な子どもたちへ

今日は朝から寒いですね。そんな中、とある大企業の社長さんが久しぶりにクリニックにお越しくださり、とても嬉しい週明けとなりました。

明日からいよいよ12月。今年もラストスパートに突入です。

クリニックFにおいでくださる患者さんは、小学生や中学生のお子さんをお持ちの主婦の方も多いのですが、今週から期末試験が始まるところもけっこうあるようですね。

期末試験! 懐かしいな。

施術後そういった患者さんたちと世間話をしていると

「理科はやっぱり塾に行かせないと、出来るようにならないのかしら」

とか

「うちの子は数学が苦手で、どうしたら出来るようになるんでしょうね。」

なんていう御相談?を受けたりしています。

僕が理系なので、理科や算数、数学の話が多いんですよね。国語や英語の話をしても仕方がない、と思われているのでしょうか(笑)。

確かに僕は、理科も数学も得意でした。

でも、実は小学校時代、算数は苦手だったんですよ。

意外ですか?

一見同じように見えて、数学と算数は全く次元が違う教科だと思うのです。

算数は、実数に関する学問ですよね。

実際に「存在する」 1とか10とかの数字を思い浮かべて、足したり引いたり、かけたり割ったり、「計算」をすればいい。

算数で、間違いなく計算して、正しい答えを出せるようになるためには、「そろばん」や「ドリル」が役に立つのだと思うのです。

僕が小学校時代、算数が得意ではなかったのは、

「どうせ電卓があるのにばからしい」

(今思えばなんて生意気な小学生だったことか!)

と言って、「ドリル」を全くやらなかったのです。そのため、成績表でも算数は「ふつう」評価止まりでした。

これが中学に入って算数が「数学」になった途端、俄然おもしろくなって、10段階評価の10をもらう常連になりました。高校三年生の時に全国模試で、偏差値判定「93」を取ったこともあります。

算数と違って数学は、実際に存在しない「実体のない数字」を、決められた法則の下想定して計算しなければならない。

方程式の虚数解や無理数、無限大など、実体として「認識しにくい」もしくは、「存在しない」数字を想像することができないと、出来るようにはならないわけです。

それには脳のある一部を活性化しなければならないですし、実数として算数の延長上で認識しようとしてしまうと、齟齬が起きて失敗する。

そろばんなどをやっていて、算数が得意で、数字を実数として関連付けて考える癖があるまじめな子どもは、教科が数学に入ると途端に理解出来なくなり、落ちこぼれてしまうことも多いのではないかな、と思います。

数学と算数の共通項は、「数字を使う学問」ということでしかないのでしょうね。それ以外は全く別の教科だと考えた方がいい。

実際、かつて数学が得意だったはずなのに、計算や経営を出来ない大人も沢山います。

(むしろ、経営は数学よりも算数が得意な人の方が向いてるかもしれません。)

数字の計算を学ぶのが「算数」であるならば、数学はその延長線上にあるわけではない。

数学は、国語に似ています。

国語を、ひらがなやアルファベット、カタカナ、漢字を使って行うコミュニケーションであると仮定すれば、「数」という「言語」を使って行うコミュニケーションを学ぶ学問が、数学なのです。

実際、僕が高校生の頃最も得意だった教科は国語でした。

逆に言うと、小学校のときに算数が出来なかったからと言って、中学生以降数学も出来ないのではないかと心配しなくてもいい。

数学に求められる最も重要な素養のひとつ、想像力があれば、ある日突然霧が晴れたように数学を理解できる日が来るかもしれないのです。

そして、数学は特定の条件下、論理という複雑な思考を訓練することで、学校を卒業し社会に出た時に必要な頭の使い方のトレーニングをしてくれるのです。

子供の理系離れが進んでいるといいます。

数学だけでなく、理科も僕は大好きでしたので、いかに理科や数学が面白い教科か次世代の子どもたちに教えたいな、診療の後塾講師でもやってみようかな、と思うことがしばしばありますよ。

大学の時のアルバイトで、高校生を教えていましたが、僕は三人兄弟の長男だけあって、教えるの好きなんですよね。

さて、冒頭の写真はなにかわかりますか?

なんと、iPhoneでダウンロードできる関数電卓なのですよ。

 


ローマで選んだ宿

ローマで宿泊するホテル。

どこにしようか、あれこれと見て、ローマ クイリナーレ ホテルというホテルにしました。

決して高級なホテルではありません。

でも、音楽好きな人に言えば

「なるほど、そこを選んだのか!」

と、わかるかもしれませんね。

共和国広場のナイアディの噴水(三越ローマ支店があるところです)から、

ヴィットリオエマヌエーレ2世の像があるヴェネチア広場に抜ける道の途中にあるのです。

このホテルの場所は、ローマ オペラ座のほぼ裏にあたります。

ローマに行かれた方はご存知かと思いますが、ローマ市内は地下鉄が二路線しか通っていません。

おそらく、地下鉄を掘ると、古代遺跡にぶつかってしまい、工事の予定が立たないのでしょうね。しかも、ローマの治安は必ずしも安全ではありません。

このホテルに泊まるとオペラで夜が遅くなっても、歩いて帰れるのは魅力的ですし、そしてなによりも、あの20世紀最高のソプラノ歌手とも言われるマリア・カラスが定宿にしていたことで有名なホテルなのです。

ホテルとしての評判は正直言って今ひとつのようですが、オペラ好きな僕としては、一度行ってみたかった。

マリア・カラスの絶頂期は10年ほどといわれ、他のソプラノ歌手よりも短いのです。というのも、マリア・カラスはこのローマのオペラ座である事件を起こし、それをきっかけに絶頂期は終わりを向かえ急速に没落していったと言われているからです。

きっとその事件を起こしたときにも、このホテルに宿泊していたのでしょう。

どんな気持ちでその夜を過ごしたのか。

ホテルの入口に華やかさはありません。写真を撮るのも控えてしまうほど。

中に一歩入るとこんな感じ。

待合のロビーでは無線LANが使える様子。イタリアの旅でようやく安定したネット回線が拾そうです。

誰もいませんでしたが、こちらが食堂です。

1958年1月2日。

マリア・カラスは、ベッリーニの「ノルマ」に出演すべく、オペラ座に向かいます。

題名にもなっているノルマを演じたカラスは、第一幕終了後、発声の不調を訴え、突如出演を放棄してしまうのです。

場内は怒号の渦巻く大騒動となり、オペラ史上でも後世に残る事件となってしまいます。

そのときの映像をYou Tubeで見つけ、これを見てから今回の出張に出発しました。

別バージョンはこちら。

歴史の舞台ともなったオペラ座に、これから急いで向かいます。

 


フィレンツェからローマへ

再び11月初旬に訪れたイタリア出張記に戻ります。

フィレンツェSMNの駅に戻り、ユーロスターのローマ行きチケットを買います。

時間が少し余ったので、駅名にもなっている、駅からすぐのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会に行きました。

この名前のついた、香水のお店もあるそうですね。

礼拝堂は決して豪奢ではなくこざっぱりしたかんじでしたが、とても広く、聞けば奥行きが100m近くもあるのだとか。

こちらのステンドグラスも印象にのこりましたよ。

駅のすぐ前にあるこの教会を出て、ローマまで一直線。

雄大なトスカーナの風景を楽しめる、約2時間の旅です。

ローマ・テルミニ駅に着きました。ローマは二年ぶりです。

 

 


レーザーフローレンス参加証

クリニックFのカウンセリングルーム(診察室)の壁には、僕が持っている海外の学会で頂いた専門医証や、参加証をレイアウトしています。

患者さんとの話がこれで弾むこともあるので、カンバセーションピースとしても役に立つのです。

今回ここに、レーザーフローレンス2009 学会発表でいただいた参加証が加わりました。

 

Speaker(講演者)と書いてありますが、さすがイタリアだけあって、とてもデザインがきれいですよね。

今まで、この場所にはポーランドでの学会の招待講演感謝状があったのですが、こちらのがきれいだったので替えましたよ。

いらした方は、今度ご覧になってください。

 


ADMを「肝斑」と誤診されていませんか?

最近クリニックFにお越しくださる患者さんで

「他院で、シミを“肝斑”と診断されたけれど、違う気がするので藤本先生にもう一度診て欲しい」

とおっしゃる方がいます。

これが、けっこうな数なのです。

このブログでも何度か書いていますが、両頬の目の下に出現するシミは、肝斑の場合もありますが、そのほかの種類のシミが混在していることがほとんどです。

それに関連して、今日このブログに頂いたコメントで、他の方にも御参考にしていただけそうなものがありましたので、僕が書いた答えと共にここでご紹介させていただきます。

Q:「他院で、顔のシミが後天性真皮メラノサイトーシスと診断されました。

御ブログでこの症例を読み、最新の機材と適切な出力により、今までより効果的な治療ができることを知りました。御院、クリニックFでの治療を検討しています。

ちょうど症例のように頬の上に薄めのもやもやと一点の濃いシミのようなものがあります。

ADMの治療を保険適用とする病院も多いようですが、クリニックFでは適用になりますか?」

A:「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は、よく肝斑と誤診される疾患です。

僕の経験上、肝斑だと思って来院される患者さんのうち、8割の方がこのADMを合併した症例を持っています。

診断された先生の診断技術は、素晴らしいと思いますよ。

お話戻しますね。

日本には多くのレーザー機器が輸入されていますが、保険適応がなされるレーザーは、必ずしも最新のものではないのが現状です。

特に、この10年間に、アメリカを中心に世界で開発された「新技術を伴う」レーザー機器は、厚生労働省の認可が得られていないものばかりです。

日本では医師の個人輸入という形でしか手に入れることができません。つまり、日本では、最新のレーザー機器での保険診療はできないのです。

クリニックFでは、米国と同じ最新レーザー治療を、リアルタイムで、最も効率よく行うことを信条としていますので、現在は、保険適応のレーザー機器を使用していないのです。

患者さんのためにも、新技術の認可がより早く降りるシステムがあれば良いのにと思いますよ。


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