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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:EBMNEvidence Based Medical Devices・レーザー/光/RF/プラズマ他が適応する疾患・治療法など

レーザー治療を専門

会食や、学会などで、レーザー治療を専門にしていますというと、ドクターも含めて多くの方は、シミ取りですか?という質問を受けます。

レーザーというと、組織をいったん傷つけて、再生を図ることで肌を改善する印象がある方が多いようですが、これは20年前のレーザーの治療です。

ただし、現在保険診療でできることはここまでですね。

実際にクリニックFでやっていることは、レーザー光を当てることで、皮下にコラーゲンやエラスチンを増殖させるためのmRNAを発現させることで、若かったころに発現していた遺伝子に近づけるというもの。

これらのエビデンスを得ることは、組織に発現したメッセンジャーRNAを測定することができるトランスクリプトーム解析というものを行うことで可能になりました。

僕も阪大との共同研究で、育毛のためのレーザー治療をするための機器を開発するためにトランスクリプトーム解析を行い、論文化(8)したこともあります。

手術やスレッド、フィラー、ボトックスなどでできるものは、プチ整形も含めて「若い顔を作る」技術。

でもレーザーをはじめとしたエネルギーベースの医療機器を使用すると、皮下の遺伝子を再活性化させることで、若い肌を取り戻し、文字通り「若返り」ができるのです。

最も違いが分かりやすいのは、動画が撮影されている時ですね。レーザー治療だけの人は、自然な表情で、自然な若返りができていると思います。

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レーザー技術の発展
1960年にTheodore Maimanがレーザーを発明して以来、医療やライフサイエンスの分野で多岐にわたる応用が開発され、現代医療に欠かせない技術となっている。

レーザー光の特性とその意義
高いコヒーレンス性や低スペクトル帯域幅、集中できる特性により、極めて短時間で精密なパルスを生成可能。波長、スペクトル範囲、パルス持続時間を調整できることで、組織や細胞に対して効果的な施術が可能。

細胞・組織との相互作用
レーザーのパルス持続時間やエネルギー密度が細胞に与える影響は多様。連続波では破壊的効果だけでなく、光機械的な反応が発生することもある。皮下にレーザーを照射した後に発生した活性酸素群を分離する研究で、藤本は工学博士号を取得しています。

診断用途
吸収・散乱を利用し、蛍光イメージングやラマン分光法によって、組織の状態や病理学的診断に利用。
光コヒーレンス断層計(OCT)では、非侵襲的に細胞や組織の詳細な3D画像を取得でき、眼科や皮膚科などで広く応用。

光線力学療法(PDT)
がん治療では、光感受性物質とレーザーを組み合わせることで、選択的にがん細胞を破壊する治療法として使用されている。
臨床においては、皮膚がんや早期の食道がん、非小細胞肺がんなどでの効果が確認されている。

手術治療における応用
マイクロ秒~ミリ秒単位のパルス照射では、主に熱反応が発生し、凝固・蒸発反応を活用して、組織の切断や凝固に応用。
眼科(網膜剥離治療など)、消化器外科、整形外科などでの手術補助としても活用されている。

最先端のレーザー応用
ナノ秒~フェムト秒パルスにより、従来の熱反応を抑えた光機械相互作用が発生。これにより、精密な組織アブレーションやマイクロダイセクションが可能。

ポレーション(細胞膜への穴開け)を用いた遺伝子導入や薬剤送達技術が、再生医療や遺伝子治療の分野で注目を集めている。
生体分子への直接的効果。藤本はレーザーアシストのドラッグデリバリーの論文で薬学博士号を取得しています。

低レベルレーザー療法(LLLT):痛みの軽減や創傷治癒の促進効果があり、理学療法や歯科治療などでも利用。LLLTは、非熱的な生物学的効果により、細胞の活性化やコラーゲン生成の促進が示唆されている。皮下の免疫細胞の司令塔であるマストセルの研究で藤本は医学博士号を取得しています。

今後の開発領域と課題
各分野での応用を進めるために、高精度なレーザー制御技術や、安全性の確保が求められる。ナノテクノロジーとの融合による新しい診断技術や、さらなる低侵襲治療技術の開発が期待されている。

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この分野に関する僕のかかわった主要な論文です。(ほかの分野の論文はもっとありますが)

(1) T. Fujimoto, M. Ito, S. Ito, H. Kanazawa, Fractional laser-assisted percutaneous drug delivery via temperature-responsive liposomes, J. Biomater. Sci. Polym. Ed. 28 (7), Feb-2017, 679-689 (2017). [doi: 10.1080/09205063.2017.1296346.]
(2) T. Fujimoto, J. Wang, K. Baba, Y. Oki, Y. Hiruta, M. Ito, S. Ito, H. Kanazawa, Transcutaneous drug delivery by liposomes using fractional laser technology., Lasers Surg. Med. 49(5), Jul-2017, 525-532 (2017) [doi: 10.1002/lsm.22616.]
(3) T. Fujimoto, Metabolic syndrome treatment with the ACBODY low-frequency rotating stimulation device, Bio. Clinica. 29(4), Apl-2014, 76-83 (2014).
(4) T. Fujimoto, Imai Y, Tei Y, Ito S, Kanazawa H, Yamaguchi S High temperature heat source generation with 4-6W power level quasi-cw(continuous wave) semiconductor lasers for medical use. J Biomed Opt. 19(10), Aug-2014, 101502(2014). [doi: 10.1117/1.JBO.19.10.101502.]
(5) T. Fujimoto, Imai Y, Tei Y, Yamaguchi S Development of A Semiconductor Laser Based High Temperature Fine Thermal Energy Source in an Optical Fiber Tip for Clinical Applications. Jpn. J. Appl. Phys. 52, Apl-2013, 052501(2013)
(6) T. Fujimoto, Imai Y, Tei Y, Fujioka T, Yamaguchi S
High temperature heat source generation with a very low power level quasi-cw(continuous wave) semiconductor laser for medical use. SPIE2013- , Feb-2013, 856569(2013) [doi: 10.1117/12.2002723.]
(7) T. Fujimoto, Ito S, Ito M, Kanazawa H, Yamaguchi S Induction of different reactive oxygen species in the skin during various laser therapies and their inhibition by fullerene.Lasers Surg Med. 44(😎, Oct-2012, 685-94(2012). [doi: 10.1002/lsm.22065.]
(😎 K Hasegawa, T Fujimoto, C Mita , Furumoto H, Inoue M, Ikegami K, Kitayama T, Yamamoto Y, Shimbo T, Yamazaki T, Tamai K.
Single-cell transcriptome analysis of fractional CO(2) laser efficiency in treating a mouse model of alopecia.Lasers Surg Med. 2022 Oct;54(8):1167-1176. [doi: 10.1002/lsm.23590.] Epub 2022 Aug 2.
PMID: 35916125
(9)T. Fujimoto, Nishiyama T, Hanaoka K. Inhibitory effects of intravenous anesthetics on mast cell function. Anesth Analg. 101(4) Oct-2012, 1054-1059(2012). [doi:10.1213/01.ane.0000166955.97368.80.]
(10) T. Fujimoto, Sato Y, Sasaki N, Teshima R, Hanaoka K, Kitani S. The canine mast cell activation via CRP. Biochem Biophys Res Commun. 31;301(1), Jan-2003, 212-217(2003). PMID:12535664
(11) A Nishijima, T Fujimoto,T Hirata, J Nishijima; A New Energy Device for Skin Activation to Acute Wound Using Cold Atmospheric Pressure Plasma: A Randomized Controlled Clinical Trial, Biomed J Sci & Tech Res, Vol.21(1), 15494-15501, DOI:10.26717/BJSTR.2019.21.003532
(12) A Nishijima, T Fujimoto, T Hirata, J Nishijima: Effects of Cold Atmospheric Pressure Plasma on Accelerating Acute Wound Healing: A Comparative Study among 4 Different Treatment Groups. Modern Plastic Surgery, 9, 18-31, 2019. doi: 10.4236/mps.2019.91004.
(13) M Murakami, S Hyodo, Y Fujikawa, T Fujimoto, K Maeda: Photoprotective effects of inclusion complexes of fullerenes with polyvinylpyrrolidone: Photodermatol Photoimmunol Photomed; 29: (Jul-2013), 196–203(2013), [DOI: 10.1111/phpp.12050]


レーザー医療分野での博士論文作成指導

タイのMae Fah Luang 大学の博士課程で学ぶ、大学院生の医師2人のレーザー医療分野での博士論文作成の指導をする事になりました。

依頼受諾レターの作成です。


ニキビ跡治療

今月号の欧州皮膚科学会専門誌。

ニキビ跡治療についてでしたが、レーザーやRFなどのエネルギーデバイスを使用した総論がありました。

皮膚科学会誌にしては珍しい特集。

米国レーザー医学会では、「すでにニキビ痕治療は完成した」と言われて早10年。

いまだに古い治療を保険診療でされているドクターも多いですが、世界の常識は日本の非常識。

世界の治療法は大きく変わってきています。


亀田京橋クリニックにてレーザー医療の講演

本日は亀田総合病院の分院で京橋にある亀田京橋クリニックにてレーザー医療の講演をさせていただきました。

1960年に人工光であるレーザーが発明されてわずか64年。

多くの医療応用がなされてきました。

新たな医療技術が一般診療になるにはエビデンスの積み上げが必要になりますが、教科書のない分野で1から立証するためには、物理、化学、生物学の、医療とは違った科学分野での知識が必要になります。

僕の研究人生は、まさにレーザー医療のエビデンスを取ることに集中してきたと言えます。

懇親会では、

・岸本院長(元医科歯科大頭頚部外科教授)

・金子副院長(亀田病院呼吸器内科顧問兼務)

・亀田隆太(たかひろ)院長代理(亀田理事長の御子息)

・宇水事務部長

そして今回ご依頼いただいた町田洋一放射線科部長とご一緒して、日本の教育や、亀田総合病院そして日本医療の今後の方向性などの多岐にわたる非常に充実した話題となりました。

関係者の方々に御礼申し上げます。

本日の演題題目と抄録です。

「若い顔を作る」のではない、実際「若返る」レーザー・アンチエイジング治療とは

コロナ禍を経て美容のトレンドは再び整形外科手術にスポットライトが当たるようになりました。

若返りを求めて日本のアンチエイジングクリニックの門を叩けば、変わらずボトックスやスレッド、ヒアルロン酸などのフィラー治療も人気です。

しかしながらこれらによって得られるのは「作りこまれた若い顔」となります。

加工が主流の写真で残すには良いでしょうが、実際の対面や動画では隠しきることができず違和感を覚えることもあるでしょう。

私が院長を務めるクリニックで提案しているのは、全く異なる理論と手技に基づいた機器による治療です。

適切なレーザー治療を行うと、肌の中のコラーゲン、エラスチンを作るDNAを再活性させて、自分の遺伝子で若返ることが証明されていますが、一方保険診療下の日本には情報さえも入ってこない技術があります。

今回の講演では世界のレーザー、エネルギーデバイスの25年間のトレンドをご紹介させていただきたく思います。

藤本幸弘 Takahiro FUJIMOTO クリニックF院長 米国レーザー医学会専門医 欧州皮膚科学会国際認定医 医学博士(東京大学) 工学博士(東海大学) 薬学博士(慶應義塾大学) 世界のレーザー医療の国際学会での招待講演を200回以上行ってきました。

 


医療用レーザー機器と一般の美顔器

最近、毎日美顔器を使っていれば、レーザー治療の代わりになるのか?というご質問がありました。

答えとしては、不可能ですとお答えするしかありません。

何故か?

先日、ある科学雑誌の解説依頼で、レーザーの単位面積当たりの照射エネルギーを比較したのです。

それがこの表。

わかりにくいかもしれませんが、縦軸が最大パワー。

横軸が波長を表しています。

美顔器に主に使われるLED機器の最大パワーはmW/㎝2です。

対して、レーザー治療で用いられる機器の最大パワーはGW/㎝2。

どのぐらいの差があるかわかりますでしょうか?

mW×1000=W
W×1000=kW 
kW×1000=MW 
MW×1000=GW

つまり、医療用レーザー機器と、一般の美顔器では、1,000,000,000,000倍 一兆倍のパワーの差があるんです。

一生美顔器を使っていても、ただ一度のレーザー照射にかなわないというのはそういう事なんです。


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