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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

LBOを使った症例を発表

皮膚の色を決定している要素は、茶色いメラニンと赤いヘモグロビンです。

透明感の高い肌を得るためには、赤と茶色の要素を少しでも減らせばよいわけです。

次回の学会では医学系では珍しいLBOを使った症例を発表しますので知識の整理です。

ちょっと工学レーザーの話も入れますね。

赤みがある皮膚疾患の治療には、血管性レーザーが一般的に使用されます。

このタイプのレーザーは、血管内のヘモグロビンに反応して血管を破壊することで、血管拡張や血管網の病気を治療することができます。

代表的な血管性レーザー機器としては、以下のものがあります。

〇パルスダイレーザー(PDL):(595nm・585nm)主に顔の表面にある赤みを治療するために使用されます。

表皮を保護しながら血管内に光を照射し、血管内のヘモグロビンを破壊することで赤みを軽減します。

表皮を保護しながら血管内に光を照射し、血管内のヘモグロビンを破壊することで赤みを軽減します。

〇Nd:YAGレーザー:(1064nm)深い位置にある血管を治療するために使用されます。

表面の皮膚を通過して深い位置にある血管に光を照射し、血管を破壊することができます。

このうち、1064nmのNd:YAGレーザーの半分の波長532nmを作りだすことで、より浅い部位にあるヘモグロビンを破壊することができるのですが、それには非線形結晶を使います。

レーザー光の波長を変換するために使用される結晶です。

代表的なものは、KTP、KDP、DKDP、ADP、β-BBO、CBO、YCOB、GdCOB、GdYCOB、LiNO3、AgGaSe、KTA、CLBO、LBO、LB4、KN、AgGaS等いろいろな種類が多いのですが、

532nmを作る際には以下の三種類の結晶が使われることが多いです。

KTP結晶(ポタッシウム・チタン・リン酸塩 Potassium Titanyl Phosphate)

KTP結晶は、非線形光学結晶の中でも最も一般的に使用されているものの一つです。

Nd:YAGレーザーからの1064nmの光が入射すると、結晶内の非線形光学効果によって2倍の周波数(532nm)に変換されます。

KTP結晶は高い変換効率を持ち、安定性も高いため、広く使用されています。

BBO結晶(β-バリウムボロ酸 β-Barium Borate)

BBO結晶は、KTP結晶と同様に非線形光学結晶の一つです。

Nd:YAGレーザーからの1064nmの光が入射すると、結晶内の非線形光学効果によって2倍の周波数(532nm)に変換されます。

KTP結晶に比べて変換効率は低いですが、より広い波長範囲で使用できることが特徴です。

LBO結晶(リチウム三線酸ボロ酸エチル Lithium Triborate Ethyl)

LBO結晶は、KTP結晶やBBO結晶と同様に非線形光学結晶の一つです。

Nd:YAGレーザーからの1064nmの光が入射すると、結晶内の非線形光学効果によって2倍の周波数(532nm)に変換されます。

KTP結晶に比べて変換効率は高く、さらに高出力にも耐えることができます。

これらの非線形結晶を使用した第二高調波発生器は、Nd:YAGレーザーのような近赤外線領域で効率的に動作することができ、レーザー加工、医療用途、通信、環境モニタリングなど様々な分野で使用されています。

人工的に作られた光であるレーザーは、人類で最も偉大な発明の一つと言われるようになりました。

機器が完成したのは1960年。

僅か63年の歴史しかありません。

幸か不幸か、スターウォーズのレーザー砲や、ライトセーバーは未完成ですけれどね。(笑)

画像はwikiよりお借りしました。


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