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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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同業者に人気の機種

クリニックFのホームページやブログを読んで、同業者=医師や歯科医師が患者さんとして来てくださる事が増えました。

主に女性のドクターが、肌のメンテナンスや最新の機器を試しに来てくださるのです。

医者の世界は

「御夫婦揃って医師」

ということも多く、御主人様も一緒に遊びに来てくださることもあります。

診療前後の話も楽しいですし、なにより僕自身とても励みになるのです。

本当にありがたいことですよね。

昨日も御夫婦でいらして下さっていた方がいたのですが、なんと、奥様手作りのチョコレートケーキをお土産に頂きました。

毎日男顔負けの忙しさで、料理や掃除は苦手だし、そもそも時間がない・・・そんな女医さんが多い実情を知っている僕としては、思いがけないプレゼントに感動してしまいましたよ。

スタッフ皆で頂きました。ありがとうございます!

ちなみに、女医さんに人気の機種/施術をここで御紹介しておきましょう。ドクターが選ぶものだけに、レーザー好きな方には御参考になるかもしれません。

まず、最も人気の高いものが、サーマクールNXTとアファームマルチプレックス。

御自身の美容目的もあるようですが、同時に実際購入されようかどうしようか迷われている方が、効果の程を知りたいので打ってください、というケースも。

いずれも、たるみの改善や毛穴の改善、そして肌のテクスチャー改善に威力がありますので、僕も納得の選択です。

次に人気のあるのが、パール、eCO2、フラクセルⅡ。どれもダウンタイムがありますから、時間や勤務に余裕があるときに来られるようです。

3位は、シミやたるみを解消したい、という場合で、オーロラSR及びSRAをMAXやC6と組み合わせたり、リファームSTとタイタンを組み合わせたりするケースです。

コンビネーション治療としても効果的ですね。

日々の激務でお疲れの方も多く、レーザー/光治療の後に、ヘッドスパやアロマセラピー、リフレクソロジーなどのオプションでつけられるマッサージも喜んで頂いています。

同業者から見ても信頼できるクリニックでありたいな、としみじみと思いますね。


糖尿病の急増と老化の関係

現在は、約300万年の人類史上、初めて体験する飽食の時代です。

17世紀に、ブルボン朝の太陽王=ルイ14世が夜な夜なヴェルサイユ宮殿で開いた宴会で、王侯貴族のみが食すことを許されていた濃厚なフランス料理を、今や極東の日本で生活する一般の人々が、ミシュランやグルナビ片手にワインを傾け、評論したりしている時代です。

これは、よく考えてみれば驚異ですよね。

つい数十年前まで、白米が御馳走だった僕たちの祖先は、この状況をどんな気持ちで眺めているのでしょう。

ちなみに、もともとフランス料理なるものが発達したのは、ルイ14世によって抱えられていた数百人もの宮廷料理人が、ルイ16世の時代にフランス革命とともに職を失い、地方に散っていったのが始まりといわれているそうです。

食の歴史というのは調べてみるとおもしろく、その時代背景と共にとても勉強になります。

日本では今、不景気に関するニュースが毎日流れていますが、それでも世界的な視野で見れば、「食べすぎ」「飲みすぎ」=栄養過多・・・という恵まれた人がいかに多いことか。

1929年の世界大恐慌では、不況のために餓死する人のいる状態が、4年ぐらい続いたということでしたので、今の

「100年に一度の不況」

というフレーズは、もしかしたらオバマ大統領の演説マジックなのかもしれないな、と思ったりもします。

閑話休題

以前にも書きましたが、生体は「飢餓」に対して、遺伝子レベルでも内分泌レベルでも多くの防御機構を持っていますが、「飽食」に対する防御機能はほとんどありません。

このわずか50年足らずの間に、飽食というまったく新たな食習慣が生まれてしまった。けれど、そのための対応システムは体内に整っていないのです。

それ故に増えている疾患のひとつで、アンチエイジングを考える上でも見逃せないのが、糖尿病です。

先進国では増加の一途を辿っているこの病気。特にアジア・アフリカ地域での患者数急増が顕著であり、日本ではこの40年間で約3万人から700万人程度にまで膨れ上がってきている、と言われています。

現在は5人に一人が“糖尿病予備軍”だと呼ばれていますが、そもそもなぜ血糖値が上がると身体によくないのか御存知ですか?

血糖値とは、血液の中にあるブドウ糖の濃度を測定した数値のことを言います。

血糖値が上がる食材を取りすぎ、血中のブドウ糖濃度が高くなる状況が続いていると、体を作っているタンパク質が糖漬けになってしまい、“糖化タンパク”に変質してしまうのです。

身体はそのほとんどがタンパク質で構成されています。 それらが糖化タンパクに変性してしまうと、様々な疾患を招いてしまいます。

どんな疾患が起こりえるかについては、語り始めると止まらなくなってしまうので今回は割愛しますが、僕の専門である皮膚のアンチエイジングに目を向けた場合、注目すべき点は「真皮」と呼ばれる部分も、やはりコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質から構成されていること。

皮膚に弾力やハリがあるかどうか、赤ちゃんのように柔らかいか、キメの細かさや透明感、毛穴の開き・・・など、外見の若々しさを演出する皮膚の美しさを決める要因には、この真皮が深く関与していることは御存知の通りです。

皮膚のタンパク質であるコラーゲンに糖化(メイラード反応)が生じ、糖化タンパクに変質してしまうと、タンパク質中のリジン残基のアミノ基あるいはアルギニン残基のグアニジル基と糖のカルボニル基が非酵素的に反応し、シッフ塩基、アマドリ生成物を経た後で、タンパク質とタンパク質を結ぶ“架橋構造”を形成します。

そして、この架橋構造が形成されると分子が硬くなり、皮膚本来の弾力性が失われてしまうのです。

また、コラーゲンやエラスチンの架橋により、架橋物を異物と判断し、分解酵素(コラゲナーゼ、エラスターゼ)の分泌量が増えるため、架橋物よりも正常なコラーゲンやエラスチンが分解されやすくなってしまいます。

それによって肌のハリや弾力、透明感が失われ、シワ、タルミ、毛穴の開き、クスミの発生・・・などへと繋がってしまうのです。

さらに、肌自体が脆くなるので、アトピー性皮膚炎やニキビなどの疾患に悩まされやすくなったり、一度出来た炎症が治まりにくくなったりします。

クリニックの患者さんでも、アトピー性皮膚炎やニキビでお悩みの方に

「甘いものはお好きですか?」

「白いゴハンやうどん、パスタ、ラーメンなどの麺類を良く食べてはいませんか?」

「お酒はお好きですか?」

「運動量が最近落ちていませんか?」

「ご家族に糖尿病やすい臓ガン、肝臓ガンの病歴のある方はいませんか?」

・・・と、お聞きすると、大抵ひとつだけでなく、二、三、心当たりのある人が多い。

その他にも、糖化が進むと傷の治りが悪かったり、せっかくレーザーを当てても効果が出にくくなってしまいます。

もうひとつ恐ろしいことは、糖化によって血中にあるビタミンなどの抗酸化物質が減り、フリーラジカルの発生量が多くなってしまうことです。

つまり、糖化によって酸化が進んでしまうのです。

これにより血管はどんどん詰まりやすくなってしまう。

糖尿病は深刻化するまで、自覚症状がほとんどない病気としても知られていますが、発症する以前=「糖化の進行始め」は、皮膚を見ればだいたいわかります。

病気を防ぐ為にも、老化を遅らせる為にも、抗糖化=アンチグリケーションを真剣に考えることが重要なのです。


ストレスがあると、なぜ過食してしまうのか?

肥満ネタをもう一つ。

ストレスがあると、食欲が増すことはありませんか?

そもそも“ストレス”という言葉の語源は、

「外力が物体に加わった場合の歪み」

という機械工学の専門用語でした。

これが、生体にも起こり得ることをに医学的に証明したのが、カナダの生理学者ハンス・セリエです。

生体に対するストレスは、彼の提唱した「セリエのストレス学説」に由来します。

セリエはストレスを「外部環境からの刺激によっておこる歪みに対する非特異的反応」と定義し、さらにストレスを引き起こす外部環境からの刺激を

「ストレッサー」

として定義しました。

代表的なストレッサーは

温熱、寒冷、圧力、騒音などの「物理的ストレッサー」

薬剤、有害化学物質などの「科学的ストレッサー」

ウイルス、細菌などの「生物的ストレッサー」

さらに、人間関係の葛藤や、社会不安、大切な人の喪失体験などの「精神的ストレッサー」・・・などがあります。

セリエは、マウスを使って実験的にストレスをかけ、ホルモンを抽出する研究を行った時に共通して現れる三つの症状(セリエの三微候)を報告したのですが、それは

1.副腎皮質の肥大

2.胸線や脾臓の委縮

3.胃、十二指腸の潰瘍と出血

の症状でした。

セリエがこの学説を発表した1936年当時は、医学の分野の中では、内分泌系の解明が最も盛んな頃でした。

これらの症状を共通に引き起こすホルモンはACTH(副腎皮質刺激ホルモン)ですので、セリエは「ストレッサーはACTH分泌を増加させる有害刺激である」と定義したのです。

生体にストレスがかかると、体重が増えることに対しては、上記の中の1と3のメカニズムが関わっているのだと思います。

ひとつめは、ストレスがかかることによって、視床下部から下垂体、さらに副腎のストレスホルモン系で、抗ストレスホルモンのACTH(副腎皮質刺激ホルモン)やコルチゾール(副腎皮質ホルモン)の分泌が増える。結果として脂肪組織にエネルギーが蓄積される

という経路と、

ふたつめは、胃壁や消化管を守るという点です。

消化管に対する一番の防御策は、食物を入れておくことですから、生体は食欲を増進することでこれに対応しようとするのです。特にストレスがかかると、腸管に食物がなくなる夜間に食欲が増す、“夜間過食”という状態になるのです。

皆さん、夜になってもう寝てもいい時間に、無性になにか食べたくなることってありませんか?

ダイエットをする人は、ストレスを食欲以外で解消する工夫や努力が、まず必要なのかもしれませんね。

クリニックFでは今年からダイエットやメディカルスパのメニューを増やし、新しいサイトを立ち上げました。ストレス解消や、加齢に対する対策を行っていこうと思っています。


AC BODYの減量測定データ解析

昨日、「AC BODY」についてのことをブログに上げたところ、早速何人かの先生や、企業の方々からご連絡やご質問をいただきました。

自分でも反響の多さに、ちょっと驚いています。

メタボリック syndrome の治療に興味を持つ方や、企業の方がとても多いのでしょう。

いくつか共通のご質問が合ったのですが、まだ、この技術とデータの特許申請中ですし、さらに国内外の肥満学会への発表も控えていますので、答えられる部分のみお答えしています。

通常のEMSは、高周波電流を利用するため、皮下の浅いところしか、電流は流れません。

皮下の浅い部分の筋肉は確かに鍛えられますので、使用することで「腹筋が割れた」という報告がありますが、これはもともと腹筋が割れるのが確認できるほど、皮下の脂肪がない人に限ると思います。

多くの医療関係者の方がご存じなとおり、通常のEMSは、「内臓脂肪の減少」に使うどころか、ダイエット(体重減少)に使用するのさえも無意味だという医学論文も発表されています。

この「AC BODY for medical」は、通常のEMSとは違う、特殊なプログラムが含まれていますが、そのプログラムに独自性があるということなのです。

まずは、このシステムを利用した40代男性、のCT写真です。

赤い部分が脂肪組織。

20回施術をしたところ、皮下脂肪も内臓脂肪も、ともに減少したのですが、特筆すべきところは、「内臓脂肪の減少率が高いこと」です。

さらにCT断面で、腸腰筋に相当する部分が太くなったのが視覚的にも観察されます。

データを解析していたのですが、取得したデータは、一枚のディスプレイには収まりきれません。

測定したデータを整理して、相関を見てゆきます。

まずは、測定したデータ

体重、BMI、体脂肪、体幹部脂肪量、全体筋肉量、体幹部筋肉量、下腹部周囲、へそ周囲、ウエストを数値化します。

そして、測定回数、1回、5回、8回、12回、16回、20回のプロットを行い、それぞれの平均値の相関を計算すると、検体データの一定の特徴が出てきます。

施術により

1.回数依存性に上記のデータがすべて着実に減少している。

2.体重減少があるにも関わらず、筋肉量は保持されている。

3.体幹部における変化の度合いは、筋肉量には変化がないが、脂肪量は減っている。

4.体脂肪と、体幹部脂肪の減少の度合いは、体幹部。すなわちウエスト周囲の脂肪のほうが減っている。

5.「脂肪/筋肉量」比率は、全体と体幹部双方で施術16回以降、急速に減少している。

というデータが解析されました。

次は血液データです。脂肪や肥満に関するホルモン値を測定しました。取得したデータは、血液検査の原価だけでも数万円するほどのデータです。

尿素窒素、クレアチニン、尿酸、総コレステロール、LDL、HDLコレステロール、中性脂肪、AST、ALT、γーGTP、空腹時血糖、白血球、赤血球、血色素量、ヘマトクリット値、MCV、MCH、MCHC、血小板、遊離脂肪酸、ソマトメジンC、インスリン、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、コルチゾール、エストラジオール(女性ホルモン)、遊離テストステロン(男性ホルモン)、レプチンですが、 正直、お金かかりました(笑)。

これらを体重などの実測定データと合わせて多変量解析を行うと、プラスの相関が出るもの(赤)、マイナスの相関が出るもの(青)に分かれるのです。相関データは、0.9以上のものを有意な相関として判定しました。

パッと表の色を見ただけでも、関連している要素が見えてきますよね。

とても興味深いデータが出てきましたので、これは学会発表に回したいと思っています。

この機器開発や、リリース時期、販売会社については、決定され次第、今後もこのブログでご報告させていただきますね。


では、運動したら痩せるのか?

昨日のブログでご説明したとおり、リバウンドしないダイエットには、筋肉量の保持が必ず必要なのですが、ただ単に運動すればよいというものではありません。

たとえば自転車を30分漕ぐ運動をしたとして、果たしてどのくらいのカロリーを消費できるのでしょうか?

答えは、わずか70Kカロリー。お茶わん一杯分のエネルギーしか消費できないのです。

これでは運動後のビール一杯で、チャラになってしまいます。

かといって、 先日のブログに書いた様に、マラソンなどの激しい運動を続けた場合。確かに脂肪は燃えますが、その際に産生される活性酸素によって、体は酸化=老化してしまうのです。

痩せても、老けてしまっては、あまり嬉しくないですよね。

では、どうすればよいのでしょう???

それは、「腸腰筋」を鍛えることによって、代謝が上がる体に変えてゆくこと。これが、唯一の、そして最も効率的な方法なのだと思います。

「腸腰筋」は、体幹の背骨の前方から両足に伸びる「大腰筋」と、腸骨綾から両足に延びる「腸骨筋」の二つを合わせた、体の中でもっとも大きな筋肉なのです。お辞儀をするときに使いますね。

ちなみに、体の中で二番目に大きな筋肉は、両足にある「大腿四頭筋」です。

この筋肉を鍛えるためには、通常は数多くのトレーニングをこなさなければなりませんが、僕は昨年から、とある会社と協力してこの腸腰筋を鍛える機器を開発してきました。

海外のある技術がヒントになったのです。

その機械がこの写真の「AC BODY for medical」です。

保険診療の外来をしているときに、メタボリック syndrome と診察された患者さんに対して、我々医師は、

「食事の量に気を付けてくださいね」

「適度に運動をするようにしましょう」

という言葉しかかけられません。メタボリック シンドローム という飽食が原因の病気に対して、具体的な治療法を提案することが今まではできなかったのです。

メタボリックシンドロームに対して、改善効力がある医療機器を作りたいとの一心で、この機器の開発に関わってきました。

実はこの年末年始のまとまった時間に5日間かけて、この半年間のプロトタイプの実験で取得した数多くのデータを、統計およびその相関を解析することで、データをまとめる作業をしてきました。

これらの実験では、体重、体脂肪、腹囲、ウエスト径のすべてが施術回数に比例して減少させるという結果を出すことが出来たのですが、

それに加えて、今回目標としていた

「体幹部位の筋肉量を全く変えないで、脂肪組織のみを減少させる。」

そして、

「皮下脂肪よりも、内臓脂肪をより多く減少させる。」

という命題を、統計学的有意差をもって、二つともクリアすることが証明できたのです。

これらの検討データは明日のブログに載せますが、この機器。今年4月には医療機器として販売を始める予定です。

多くのお医者さんに使っていただき、効果を判定していただきたいと思います。

といっても、実はこの機器の販売ルートは、いくつかのオファーがあるものの、完全に決めていません。

現在、クリニックFではこの機種のプロトタイプをご希望の患者さんに使って頂き、好評を得ています。ご興味のある販売会社や、ドクターがいらしたら、クリニックFまで、ご連絡いただけると嬉しく思います。

僕自身、この機器を週1から2回、計14回使用したところ、ゴルフのヘッドスピードが47キロから51キロに上がりました。背筋の筋肉もついたのだと思うのですが、これは驚きの誤算でしたよ。


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