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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:Energy based medical devicesレーザー・光治療・高周波・プラズマ他機器別

【レーザー機器の“ジェネリック化”と、オリジナルを選ぶ理由】

【レーザー機器の“ジェネリック化”と、オリジナルを選ぶ理由】

僕が医療レーザーの世界に入って25年以上が経つ。

当初は、どの機器も唯一無二の存在感を放っていた。しかし近年、“ジェネリック機器”と呼ぶべき製品が急増しており、日本の場合は機器の認可が遅いために、新しい技術が開発されるたび、オリジナルの機器がデビューすると一年もしないうちにコピー機器が個人輸入され、同じ様に扱われる事が多い。僕は工学博士なので、開発者の気持ちがわかります。ぶっちゃけ、たまったものじゃないですよね。笑

たとえばフラクショナルレーザー。

世界で初めてフラクショナル技術を概念化し、特許化したのはReliant Technologies社(後のSolta Medical)である。2004年に発表されたFraxel(Er:glass 1550nm)は、非アブレイティブフラクショナルレーザーという新しい治療概念を打ち立てた(Dermatol Surg. 2004 Sep;30(9):1179-88)。

このFraxelの登場によって、皮膚若返り治療は“全層アブレージョン”から“部分的ミクロアブレーションによる再構築”へとパラダイムシフトが起きた。

しかしその後、市場には無数の類似機が現れた。特許回避のため波長やパルス幅を微妙に変えた製品や、OEMで供給されるジェネリック機器たちだ。

■ 特許と論文が示す“思想”の違い

重要なのは、オリジナルメーカーとジェネリックメーカーの間には、特許数・論文数という圧倒的な差があるという事実だ。

例えばフラクショナルCO₂レーザーの分野。

Lumenis UltraPulse ActiveFX/DeepFX
特許: 米国特許 US6849078B2 他多数
論文: PubMedで100報以上(例: J Biomed Opt. 2007 Jan-Feb;12(1):014003.)

DEKA SmartXide DOT
特許: CO₂フラクショナルスキャニング関連欧州特許複数
論文: DEKA CO₂シリーズ関連で70報以上(例: Dermatol Surg. 1998 May;24(5):315-20.)

一方、OEMジェネリック機器にはほとんど論文が存在しない。仮にあったとしてもメーカー主導の社内評価程度である。
この特許と論文の数は、そのメーカーが「生み出してきた技術の蓄積」そのものである。

■ パルス幅とビームプロファイルの決定的差

では、オリジナルとジェネリックで何が違うのか。
パルス幅とピークパワー
μs単位の超短パルスを安定供給できるために、熱拡散を最小化し、精密なアブレーションが可能となる。

一方でジェネリック機器は1-4msecが主流で、結果として熱変性層が広がり、瘢痕化やダウンタイム延長につながる。
ビームプロファイルの均一性
ガルバノスキャナと光学系の精度により、スポット形状が完全円形か楕円かが決まる。これが治療ムラやホットスポットによる熱傷の発生頻度を大きく左右する。
冷却効率
ジェネリック機器では冷却プレートの熱伝導率が低く、実際にはほとんど冷えないこともある。

■ 僕がオリジナルを選ぶ理由

これらの違いは、決してスペック表だけでは見えてこない。パルス波形、熱変性層の深度分布、冷却プレート表面温度など、微細工学的データを解析して初めて浮かび上がる性能差である。
さらに医療機器を選択する際、僕が必ず重視するのは安定性と安全性である。
特にレーザー機器やエネルギーデバイスは、出力の微細な変動が治療結果に直結するため、安定性が低い製品では照射ムラや予期せぬ熱損傷を招くことがある。
このことは例えば、Hruzaらが報告したレーザー照射後の熱障害リスク(Dermatol Surg. 1996;22(5):445-450)にも示唆されている。

また、安全性に関しては、単なるデバイス設計だけでなく、
・長期使用データ
・多施設共同試験
・有害事象報告数の少なさ
が重要である。

実際、最近のシステマティックレビューでは、FDA承認機器と未承認機器を比較した場合、未承認機器では有害事象報告率が約2.8倍高いことが報告されている。

特許数や論文数が多いメーカーは、その裏付けとして臨床試験数も多く、安定性試験も重ねられているため、必然的に安定性と安全性が担保されやすい。

これこそが、僕がジェネリック的機器ではなくオリジナルメーカーを選び続ける理由の一つだ。

そして何より、
オリジナルメーカーは「生み出す思想」で動いている。
ジェネリックメーカーは「真似る思想」で動いている。

この思想の差は、臨床結果の差に直結する。

患者さんに対して“結果で応える医療”を志す以上、
僕はこれからも、特許と論文で裏付けられたオリジナル機器を選ぶ。

それが、医療者としての矜持であり、
未来に責任を持つということだ。


なぜ女性歌手は加齢すると声が出にくくなるのか? その一つの解決法の提案

なぜ女性歌手は加齢すると声が出にくくなるのか? その一つの解決法の提案

Why Do Female Singers Struggle to Sing as They Age? A Hypothesis and a Possible Solution
English follows Japanese

「額と目の周りの筋肉を鍛えたら 昔のように高い声を出せるようになる?」

僕が音楽好きなのもあって、クリニックFには、メディア露出の多いオペラやポップスの歌手の方がいらっしゃることが多いのです。最近、女性の歌うことを職業とされる方で、EMFACEを始めてから声が良く出るようになり、特に高音キーが合うようになってきたとの声を何名かから聞くようになりました。

僕自身も歌うことが好きで、ファルセットを出してみようと、声楽の正書を読み込んで勉強したことがあります。のどの筋肉の動きを意識するようになると、「もののけ姫」も原曲キーで歌えるようになりました。

いつかご披露しますね。(笑)

閑話休題

顔に当てた電磁刺激で「どうして声が出るのか?」と不思議に思ったのですが、今までどうにもならなかったキーが出るようになったと仰るので、自分なりに医学的な仮説を立てましたので、紹介します。

■ なぜ女性歌手は年齢とともに声が出にくくなるのか?

まず、声が出なくなる背景には身体の変化があります。特に女性は更年期を境に、ホルモンバランスが大きく変わります。これが声に与える影響はとても大きいのです。
声を出すためには、まず声帯がしっかりと振動する必要があります。そのためには、声帯が潤い、弾力を保っていることが重要。しかし、年齢とともにその潤いが失われ、声帯が硬くなり始めるのです。すると微細な振動が難しくなり、特に「高音」が出にくくなる。

さらに、声帯を動かす筋肉も年齢とともに細く弱くなっていきます。すると声帯がピタッと閉じなくなり、声がかすれたり、息漏れしたような声になります。
加えて、喉そのものの位置も少しずつ下がってきます。顔の皮膚がたるむように、喉の筋肉や靭帯もゆるみ、共鳴する空間のバランスが変わってしまう。これにより、若い頃のような「明るく響く声」が難しくなってくるのです。

■ 男性はなぜ比較的声を保ちやすいのか?

男性も年をとれば声帯や筋肉は変化しますが、そのスピードがゆっくりなのです。しかも男性はもともと中〜低音の声を多く使うため、高音の衰えが目立ちにくい。
実際に、年齢を重ねても深みのある美声を保っている男性歌手は少なくありません。声が低めであること、そしてホルモン変化が穏やかであること。これが“声の老化”を遅らせているのです。

■ EMFACEを使うと「声が出るようになる」理由

ここからが本題です。

顔に当てた電磁刺激で「どうして声が出るのか?」と不思議に思う方もいるでしょう。けれど実は、顔と声は驚くほど密接につながっているのです。

1. 頬の筋肉が引き締まることで共鳴腔が変わる

頬の筋肉は、発声時の「響き」に大きく影響します。EMFACEによってこの部分がキュッと引き締まると、口腔の形状が整い、音が前に飛ぶようになる。結果として、声にハリが出て、特に高音がクリアに聞こえるようになるのです。

これは、ちょうどトランペットやフルートの管の形状が音に影響するのと同じ理屈です。楽器と同じく、人間の声も「響かせる空間」が整うことで、驚くほど変わります。

2. おでこの筋肉(前頭筋)のリフトが、顔全体を持ち上げる

おでこにある前頭筋は、単に眉を上げる筋肉ではありません。この筋肉が引き上がることで、顔全体の筋膜テンションが上がり、連動する筋肉が一斉に活性化します。
顔の表情筋は、実は「単独」で動いているのではなく、お互いに引っ張り合い、連動しているのです。前頭筋がリフトアップされると、それに続いて目元、頬、口元がすべてシャープになります。
この結果、喉元の筋肉のポジションも少しだけ変わり、声帯の動きがしやすくなるのです。わずかな角度の違いでも、声には意外なほど大きな変化をもたらします。

3. 呼吸を支える筋肉も影響を受ける

顔に当てたはずの刺激が、なぜか息の通りまで良くなる——こう感じる方もいます。これは、EMFACEの電磁刺激が間接的に胸鎖乳突筋や広頸筋などの呼吸補助筋にも作用するからです。
呼吸が深くなれば、声に安定感が出て、無理なく高音を出せるようになる。まさに「内から声が支えられる感覚」が出てくるのです。

ちょっと詳しめに書きますと

■ 仮説1:表情筋・喉周囲筋のリフトアップによる声帯位置の変化

EMFACEはHIFES(High-Intensity Focused Electromagnetic Stimulation)により、主に顔面の前頭筋、頬筋、大小頬骨筋、口輪筋などを強化・リフトアップさせます。この筋肉群は、顔全体の支持構造に関与しており、間接的に咽頭・喉頭のポジショニングにも影響する可能性があります。
声帯を含む喉頭の位置は、加齢とともに下垂します。
EMFACEによる中顔面〜下顔面の筋緊張の増加が、喉頭のわずかな持ち上がりをもたらし、結果として声帯の緊張が高まり、高音域の発声がしやすくなる可能性が考えられます。

■ 仮説2:呼吸補助筋の活性化による発声支援

EMFACEは非侵襲的で深部筋にも影響を与えるため、側頭筋や頬筋だけでなく、間接的に胸鎖乳突筋や広頸筋といった呼吸や発声に関与する筋にもトーン変化を及ぼすことがあります。
これにより、息の支え(ブレスサポート)が向上し、安定した高音発声が可能になることがあります。

■ 仮説3:神経筋再教育による声の使い方の変化

EMFACEは神経筋に刺激を与える装置でもあるため、「無意識下の表情筋の使い方」に変化が出ることがあります。これにより、
喉に力を入れすぎない
口腔・鼻腔の共鳴の改善
といった変化をもたらし、声の通りや高さの向上に寄与している可能性もあります。

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■ 声は、顔の筋肉で“チューニング”されている

ボイストレーニングの現場では、「顔の構えを整えると声が変わる」というのはよく知られた話です。発声とは、喉や胸だけで完結するものではなく、顔全体で生み出されるパフォーマンスなのです。
表情筋がしなやかに動けば、声に表情が乗る。
頬がリフトすれば、響きが変わる。
おでこが引き上がれば、音が前に出てくる。
EMFACEは「見た目を若返らせる施術」として知られていますが、実は“音の若返り”にも関与しているかもしれません。

■ 最後に:声が若返るということ

声も蘇ると自信が出てきて、顔も若返る。
それは単なる美容の話ではなく、その人のアイデンティティが戻ってくる瞬間なのかもしれません。

EMFACEの不思議な副産物

姉妹施設のゴルフ医科学研究所にはジョイサウンドのハイレゾカラオケ機器がおいてあり、高音の測定もできますので、数名集めて検証してみたいと思います。

Why Do Female Singers Struggle to Sing as They Age?
A Hypothesis and a Possible Solution
As someone with a deep love for music, I often find myself in conversations with professional singers—particularly female opera and pop vocalists—who visit Clinic F. Recently, several of them have mentioned something quite striking: since beginning EMFACE treatments, they’ve found it noticeably easier to sing, especially when hitting those elusive high notes.
Being a singer myself, I’ve taken an interest in vocal techniques. I once studied classical vocal methods in detail, hoping to master my falsetto. Once I became more aware of the movement of the throat muscles, I found that I could sing even “Princess Mononoke” in its original key. I’ll perform it for you sometime! (laughs)
—But I digress.
I began to wonder: Why would electromagnetic stimulation to the face improve vocal performance? When multiple singers began reporting breakthroughs in pitch range, I felt compelled to form a medical hypothesis to explain what was happening. Here is what I found:
Why Do Female Singers Lose Vocal Range with Age?
The human voice changes with the body, and for women, this is particularly noticeable around menopause. One key factor is estrogen, which plays a major role in keeping the vocal cords moist and flexible. As estrogen levels drop, the cords can become dry and rigid, making it harder for them to vibrate delicately—especially at high frequencies.
In addition, the muscles that control the vocal cords (notably the thyroarytenoid muscle) gradually weaken. This causes incomplete vocal fold closure, resulting in breathy or raspy tones.
Moreover, the entire structure of the throat subtly shifts downward with age. Just as the skin sags on the face, the muscles and ligaments of the throat loosen, altering the resonance cavity and making it harder to produce the bright, ringing tones of youth.
Why Do Men Retain Their Voices Better?
Though men also experience changes in the vocal cords with age, the process is slower. Additionally, men typically sing in mid to low registers, where vocal degradation is less noticeable. Many male singers retain their rich, resonant tones well into older age. This may be due to the inherently lower vocal range and the relatively stable nature of male hormone levels.
Why Might EMFACE Help Restore the Voice?
Now, to the heart of the matter.
It may seem strange that stimulating facial muscles could affect the voice—but the connection is surprisingly deep.
1. Cheek Muscle Tightening Alters Resonance Space
EMFACE tones muscles such as the zygomaticus and buccinator, which play a key role in shaping the mouth and oral cavity. When these muscles firm up, the resonating space becomes more defined, allowing sound to project more directly. This leads to clearer high notes and stronger vocal presence—much like how the shape of a trumpet’s bell affects its sound.
2. Forehead Lift Triggers a Chain Reaction
The frontalis muscle on the forehead does more than just lift the brows. Its elevation raises tension across the entire facial fascia, activating interconnected muscle groups—including those around the eyes, cheeks, and mouth. This collective lift subtly repositions the throat musculature, improving vocal fold engagement. Even small positional changes can significantly affect vocal output.
3. Secondary Activation of Breathing Support Muscles
Some users report improved breath control after EMFACE treatment. This might stem from indirect stimulation of deeper muscles like the sternocleidomastoid and platysma, which assist in respiration. With deeper, steadier breathing, singers can access high notes with greater ease and less strain.
Hypothesis 1: Facial Muscle Lifting Alters Vocal Cord Position
EMFACE uses HIFES (High-Intensity Focused Electromagnetic Stimulation) to strengthen and lift key facial muscles such as the frontalis, zygomaticus major and minor, and orbicularis oris. These muscles provide structural support for the mid and lower face—and potentially influence the pharynx and larynx. With aging, the larynx tends to descend. EMFACE’s lifting effect may slightly elevate it, increasing vocal cord tension and facilitating high-pitch phonation.
Hypothesis 2: Improved Breath Support from Muscle Activation
Because EMFACE reaches deep into the musculature, it may indirectly activate auxiliary respiratory muscles. This could lead to enhanced breath support and more stable, powerful phonation—especially in higher registers.
Hypothesis 3: Neuromuscular Re-education Alters Vocal Habits
EMFACE delivers neuromuscular stimulation, potentially reshaping unconscious facial usage. This might result in:
Less throat tension while singing
Better resonance through the oral and nasal cavities
Both factors could lead to stronger, clearer vocals.
Facial Muscles: The Hidden Tuners of the Voice
In vocal training, it’s well known that changing facial posture changes vocal tone. The voice isn’t just produced by the throat and lungs—it’s a performance that involves the entire face.
When your facial muscles move fluidly, your voice gains expression.
When your cheeks lift, your resonance changes.
When your forehead lifts, your sound projects more.
EMFACE, known for its anti-aging aesthetic effects, may also contribute to what I call “vocal rejuvenation.”
In Conclusion: When the Voice Comes Back, So Does the Self
When you reclaim your voice, your confidence returns—and so does your face.
This isn’t merely a cosmetic story. It might just be a moment of reconnection with one’s identity.
A curious side effect of EMFACE? Perhaps.
At our sister institute, the Golf Medical Science Research Lab, we even have a Hi-Res Joysound karaoke machine. We’re planning a small study to verify the changes in vocal performance quantitatively. Stay tuned.


EMFACE(エムフェイス)

新しいアンチエイジング治療:EMFACE(エムフェイス)

昨年末にクリニックFに導入したエムフェイスですが、今までの機器とは全く違ったコンセプトで組み上げられた機器。

特に俳優さんや女優さん、会社の経営者など、「仕事で、表情を大切にしないといけない」患者さんに大変好評です。

年齢を重ねると、シワやたるみ以上に気になるのが「表情の乏しさ」ではないでしょうか。

以前のように笑っているはずなのに、鏡の中の自分はどこか元気がなく、感情が伝わりにくくなったと感じたことはありませんか?

実はそれ、表情筋の衰えによるものかもしれません。

表情がなくなるのは、自然な老化現象です。

加齢に伴って、私たちの顔では以下のような変化が起こります:
表情筋が徐々に萎縮し、動きが鈍くなる
神経伝達が遅くなり、笑顔や驚きの反応が弱まる
肌の弾力が落ち、筋肉の動きに皮膚がついてこなくなる

これらはすべて「無意識のうちに表情が減っていく」要因となり、表面的な美しさだけでは解決できない問題です。

従来の美容医療の限界

多くのアンチエイジング施術では、「シワを伸ばす」「肌を引き上げる」といった“静止画のような美しさ”を目指します。
しかし、動いたときの美しさ──たとえば、ふとした笑顔や話し声に乗る表情の豊かさ──には、アプローチしづらいのが現実です。
また、ボトックスのような注射治療では、表情筋の動きを抑えてしまうことで、かえって無表情になってしまう副作用も報告されています。

EMFACEが変える、“動きまで美しくなる”新時代の美容治療

EMFACE(エムフェイス)は、世界でも非常に珍しい、“表情筋”に直接アプローチする非侵襲型の最新治療機器です。

高密度顔面電気刺激(HIFES)により、顔の深部筋肉を鍛え、自然な笑顔や表情の動きをサポート
ラジオ波(RF)により、肌のコラーゲン・エラスチンの生成を促進し、肌質を改善

この2つの技術を同時に、非侵襲で行えるという点が、EMFACEの大きな特長です。

表情が戻るという体験

臨床試験では、EMFACEを4回施術した方のうち、86%が「笑顔が自然になった」と実感したというデータも報告されています(Burns AJ et al., J Clin Aesthet Dermatol. 2023)。
肌がきれいになるだけではありません。
笑ったときの頬の動きが戻り、額の表情が柔らかくなる――そんな“表情まで若返る”体験を、多くの方が手にしています。

どんな方におすすめ?

表情が乏しくなってきたと感じる方
ナチュラルな若返りを望む方
ボトックスやHIFUに抵抗がある方
肌質改善と筋肉の引き締めを同時に叶えたい方

EMFACEは“美しさの内側”に働きかける治療です。

若かったころには、「外面的なキレイさ」を追求するのも一つの方法でしょう。

ですが、ある程度加齢したのちに追求すべきは「内面的な美しさ」だと思います。

これは、静止した状態だけで語られるものではありません。

話しているとき、笑っているとき、沈黙のなかで浮かぶ表情――そのすべてにこそ、本当の美しさが宿るのです。

https://www.facebook.com/1486146253/videos/pcb.10237664498420185/1320981032344327


EMFACE

今たまたまニューヨークでテレビをつけてみると、EMフェイスを特集していました。磁気の力を使って顔面の深い筋肉を鍛える事で引き締め効果を得られる機器。

クリニックFでも昨年より患者さんに施術を始めていますが、これが爆発的な人気機種になっていて、なかなか予約枠が空きません。

額、目元周り、頬、顎下のアプリケーターから二つ選んでもらう形式です。

この機種が持つ最も大きな特徴は、表情を豊かに出来る事じゃないかと思っています。

今あるアンチエイジング施術は基本的に顔の「動き」を止めてしまうものが多く、静止画であれば一見綺麗に見えますが、一旦動画になってしまうと不自然な動きも見えてきます。

以前よりブログにも書いていますが、美容医療のニーズは、歳を加齢すると共に、ギアを変えなければなりません。

若い頃の外面的な「キレイ」さの追求から、内面から知性を伴う美しい表情出せる事、に変わってゆく様に僕は思うのです。

顔面表情筋の中でも特に挙上筋肉の力が弱まってきますので、それを復帰させてあげる事が出来るのはメリットで、対面で仕事をしている方や、映像の中でも動画系の方には喜ばれていますね。

年末年始にかけて3度の国際学会に出ましたが、どのドクターも絶賛で、使用方法、プロトコルの情報交換も行ってきました。

コロナ禍でレーザー機器企業が開発にダメージを受けて、ファンドに買収されたり、チャプター11適応になってしまった大手企業もありますが、久しぶりに良い機器に出会えたと思います。


HIFU(High-Intensity Focused Ultrasound)

美容機器による施術についてちょうどご質問を受けました。

HIFU(High-Intensity Focused Ultrasound)の施術についてです。

オリジナル機器(ウルセラ)が2009年にフェニックスの企業で開発されたときは、非常に画期的だと思われたのですが、その企業がドイツのメルクという製薬企業に買収されてしまい、訴訟の問題が無くなったので、一気に韓国製の追従機器が出ました。

日本の学会でこれだけハイフが並びますが、欧米ではほとんど見ませんね。HIFUはレーザーなどに比べて、比較的安価で購入できる医療美容機器なので、日本でも多くのクリニックが導入しています。

HIFUは一時的な引き締め効果がわかりやすい施術です。

つまりビフォーアフターの違いがすぐに写真に出るのです。

ですが、ビフォーアフターが出やすい施術は、元に戻る速度も速い。

さらに、熱傷リスク、神経損傷、脂肪萎縮などネガティブ面も存在し、過剰照射や施術頻度のミスが、「やりすぎ感」や表情の乏しさに繋がることもあります。

近年はたるみ改善の即効性をアピールするクリニックが多い一方、「やりすぎると表情が乏しくなるんじゃないか」という声もあちこちで聞こえてきました。

今回は、実際に医学論文に記載されているHIFUのネガティブな側面を、いくつかの文献とあわせてご紹介しますね。

1. 熱傷(やけど)のリスク
「超音波を一点に集中するわけだから、熱傷は起きうる」というのは理屈の上でも当然といえます。実際に以下の論文では、施術時のエネルギー設定や照射回数の不適切なコントロールにより、熱傷リスクが高まることが示唆されています。

Park JH, Kim SE, et al.
Adverse events associated with microfocused ultrasound for facial rejuvenation: A retrospective study.
Aesthetic Plast Surg. 2018;42(5):1242–1248.

この研究では、顔のリフトアップ目的でHIFUを行った症例のうち、熱傷や腫れ、過度の発赤などの発生率についてまとめられています。

2. 神経損傷の可能性
一部ですが、顔面神経や知覚神経に影響を与える報告も存在します。大抵は一時的な麻痺やしびれに留まるとされていますが、術者の熟練度や個々人の解剖学的特性によってはリスクが増す恐れがあります。

Kinzinger M, Berking M.
Facial nerve injury following microfocused ultrasound: A case report and review of literature.
J Cosmet Laser Ther. 2019;21(1):48–51.

症例報告ではありますが、特定の深度・部位へのエネルギー照射が顔面神経に影響したケースが取り上げられています。

3. ボリュームロス(脂肪萎縮)
「引き締まった」のと「こけてしまった」のは紙一重、とでも言うべきでしょうか。過度なHIFU照射による脂肪組織の減少が、頬のボリュームダウンやこけた印象をもたらすことがあるようです。

Suh DH, et al.
Intense focused ultrasound tightening in Asian skin: Clinical and pathologic results.
Dermatol Surg. 2015;41(7):759–765.

この研究では、アジア人の肌を対象にしたHIFU施術において、一部で脂肪組織の熱変性を確認。施術後に短期的なタイトニング効果は得られるものの、過剰照射で脂肪層にダメージが及ぶ可能性があるとしています。

4. 表情が乏しくなるリスク
「リフトアップしすぎて無表情に見える」というのも美容医療界隈でよく聞く話です。ボリュームロスや筋肉周辺の組織への熱影響などが重なると、表情筋の動きが滑らかさを失うケースがあります。これは文献的にも研究が進められている最中で、下記の論文にも微妙な表情変化について言及が見られます。

Park KY, et al.
Adverse events of intense focused ultrasound in the neck and lower face: A retrospective study.
J Dermatol. 2017;44(9):1035–1041.

この論文では、下顔面や首元に対するHIFU照射を行ったケースを分析しており、過度なエネルギー設定によるむくみ・硬さ・しびれなどが表情に影響し得ると報告されています。

まとめ:「やりすぎ」は禁物
カンファレンスでも「短期的には効果が見えやすいけど、複数回やりすぎるとリスクが増大する」という意見が大勢を占めていました。適切なエネルギー設定・施術間隔の見極めが大事だと痛感しますね。


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