今週土日は日本美容医師会。
日本には大学系の美容外科学会JSAPSと、開業医系の美容外科学会JSASがあるのですが、この日本美容医師会JCMAは、僕と同世代のアラフィフのドクター達が作り上げた新しい勉強会。
世代が違うとニーズも異なります。
日進月歩の医療をキャッチアップするのには多くの勉強が必要ですが、僕もエネルギー医療機器分野で座長としてちょっとお手伝いさせていただいています。
きっと盛会になると思います。乞うご期待。
今週土日は日本美容医師会。
日本には大学系の美容外科学会JSAPSと、開業医系の美容外科学会JSASがあるのですが、この日本美容医師会JCMAは、僕と同世代のアラフィフのドクター達が作り上げた新しい勉強会。
世代が違うとニーズも異なります。
日進月歩の医療をキャッチアップするのには多くの勉強が必要ですが、僕もエネルギー医療機器分野で座長としてちょっとお手伝いさせていただいています。
きっと盛会になると思います。乞うご期待。
工学部の光学研究開発者向けの雑誌「光学」より、原稿執筆依頼がありました。
原稿料はでませんので完全なるボランティアですが、今後の光学機器研究に役立ってもらいたいのでお引き受けしました。
他の依頼者をみると大学教授ばかり。
「美容医療業界で工学博士を取得しているのは藤本先生だけであり、確認した美容レーザーの教科書として売られている著作も、工学的な記載は正確じゃないものが多いので、是非お願いしたい」
との事。
やはり臨床医として頑張られて教科書を書かれる様な方々の中でも、臨床の経験値は得られても、工学物理系の理論をきちんと理解されていないこともある様です。
一時期流行ったピコレーザーも、結局シミを取るだけなら安いQスイッチの方が効くじゃないかと、ようやく言われる様になりました。工学を学んだ者にしてみれば当たり前で、僕も米国の開発の研究者たちと
ピコレーザーって斬新の様に言われてるけど、単なるマーケティング用語だからね。誰が最初に気づくかね?
とお酒の席で笑って話していました。
レーザー治療に対して、光治療はターゲットが明確に決まっていません。
レーザーと比較してパルス幅も広く、波長選択性も明確ではないのが理由で、シミなどを限定的に治療するには不向きですが
肌のターンオーバーを上げたり、コラーゲンやエラスチン線維を太くするなどの効果もありますので、アンチエイジング目的にはなりますね。
一般的な光理論の話の後に、こんな機器が作れたらと言った工学的な提案も出来たらと思いますよ。
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以下依頼文です。
皮膚は身体の最表面にあるため,ヒトを対象とした光学的治療・計測は皮膚を介するものが 多い.
中でも美容皮膚科では,健康な皮膚でのシミ・肝斑・ニキビなどの各症状の治療を対 象とするため,低侵襲的治療が可能な光学技術が応用されている.
しかし,光学的知見が皮 膚治療の原理や機器にどのように活用されているかについては,光学研究開発者も熟知して いない部分もある.
そこで本特集では,光の生体組織への作用メカニズムの原理から,レー ザーなどの光源の安全基準,医用レーザー装置,さらに臨床での光を用いた治療について, 工学・医学の各立場から解説いただく.
小一時間電車に乗る機会があったので、パッっと2冊買って乗り込み読破しました。
「なぜヒトだけが老いるのか」は生物学の東大教授の著作。ヒト以外の生物は、老いた瞬間に食物連鎖の餌食になりますので、生を維持できなくなるのです。そうした意味で、生殖年齢を超えたヒトが、生物史上初めて、老後という時代を過ごす事になったんですね。興味深かったです。
レーザーというと、シミ取りを連想される方がいまだに医師の中でも多いですが、現代ではレーザーで「肌の若返り」ができるようになりました。
僕の専門のレーザーによる若返りで、最も気を配っているのはコラーゲンとエラスチンの再生です。
加齢を重ねると、肌のふたつの構成線維が細くなり、隙間ができます。その隙間に朝は水が溜まり「むくみ」が、夕方には水が抜けて「緩み」が起こります。
この日内格差が加齢感を出してしまうのです。
僕も大学研究室との共同研究で、レーザーを当てたのちに皮下に生成されるメッセンジャーRNAの測定(トランスクリプトーム解析)を行って英文論文化しています。
特定条件のレーザー光に、「コラーゲンやエラスチンを作る自分自身の遺伝子」を再発現させて、若返りができる能力がある事を立証しています。これらの研究結果が教科書に載るのは最短でも10年以上先だと思いますけれどね。
医学は常に進化しています。
レーザー治療をするだけで、なぜ若くなるのか?と質問を受けたので、お答えしますね。
自分の顔をみていて、年取ったなあと思う瞬間ってどんな時でしょう?
コラーゲンやエラスチンが加齢により細くなると、隙間ができます。その隙間には水が溜まって「むくみ」を感じるようになります。
「パツっ」とした感じから、「ぺちゃっ」とした感じへの変化です。
夕方になって、仕事を終えて帰るときは、そのむくみの水分が尿や汗によって排出されますので、自分のげっそりした顔を、帰宅途中の地下鉄の中とかで見つけてしまうのです。
とにかく真皮内の隙間が「イケてない顔」を作ってしまうのです。
実際には、コラーゲンやエラスチンを作る遺伝子は、誰もが生まれつき持っています。
レーザーをトリガーにして、これらの遺伝子を再発現させるような波長の研究が進み、強度設定なども可能になりました。
若かったころの様なパツっとした柔らかい肌を、自前で取り戻すことができる時代になったのです。
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日本の保険診療下でのレーザー治療は、シミやあざを取る、いわゆる病気を治療する診療でした。
21世紀に入り、米国を中心に肌を若返らせるレーザー治療が生まれてきましたが、この分野は教科書も何もない分野でした。
レーザー治療機器は数多く存在しますし、僕自身もそれこそ20年間で100台以上の機器を購入してきました。
クリニックFにあるすべてのレーザー機器は、僕自身がその開発会社に自ら出向き、社長や技術スタッフの工学博士たちとディスカッションした上で購入を決めたものです。
レーザーで肌を美しく綺麗にする治療はこの20年で飛躍的に進化しており、美を手術で作る美容整形外科とは異なった医療分野です。
最近僕も他科の学会のランチョンセミナーなどで、最新レーザー医療の話をさせていただくことも多いのですが、このようなことができるのは全く知りませんでした、と他科のお医者
さんに感想をいただくことも多く、講演をきっかけにクリニックに通ってくださる医師の方も多くいらっしゃいます。
保険診療下で国民全員に格差が無いように進められてきたきた日本の医療ですが、特に最先端医療の場合は、海外との情報の格差はありますよね。
海外出張も復活してきました。今後もアンテナを張って、正しく、エビデンスのある情報を集めてきたいと思います。
シンポジウム7 レーザー 高周波治療の未来 講演終わりました!
同時スタートの3つのセッションは外まで溢れるぐらいの聴衆。
会長の池田先生の人徳ですね。