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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:Energy based medical devicesレーザー・光治療・高周波・プラズマ他機器別

近赤外線線レーザー

近赤外線線レーザー。

経験的になんですが、目元周り打つと「ドライアイ」が、軟口蓋に打つと「いびき」が解消されます。

論文も散見されますね。

新たな治療方法になるかもなあ。

クリニックF スマイルリフトのブログはこちらから

https://takahirofujimoto.com/blog/blog/laser-ipl-rf-plasma-ebmd/smilelift/


「形を変える美容治療を行わない」

おはようございます。

いよいよ今週は11月を迎え、一気に短い秋から冬へと気候が替わるのでしょうね。

クリニックでも加湿器を出しましたよ。

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僕がクリニックでレーザー診療をするようになって20年以上が経ちました。

あっという間のような長かったような。

クリニックFで扱ってきた機器の歴代ライナップを振り返ると、それこそ100台以上の機器を購入してきましたから感慨深いものがあります。

価格帯で言えば名車の歴史を振り返るということのようなもののはずですが、機能で言うと炊飯器や掃除機の歴史を振り返るような部分もあるのがおもしろいですね。

機器の進化の歴史です。

とはいえ、僕自身の診療ポリシーとしては20年変わらず。

「形を変える美容治療を行わない」

この点はぶれずに来ていると思います。

ポリシーはぶらさないその上でトレンドもあります。

これには映像技術、撮影技術の進化と生活の変化があるでしょう。

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20世紀、日本人を揶揄した画像やパフォーマンスがあったのを御存じでしょうか?

ヨーロッパやアメリカの街で、眼鏡をかけスーツを着たビジネスマンが首からカメラを提げている。

どこでも写真を撮りまくる。

アジア人を見てどの国かわからない時、もしその人が首からカメラを提げていたらそれは間違いなく「日本人」だ、と言われたものです。

フィルム撮影時代だった時代は、写真を撮るという行為が非日常であり、撮る場合もそれは集合写真だったり記念写真だったりしたわけです。

良い写真が撮れれば、保存ものの奇跡の一枚や、ラッキーショット。

さらに、動画を撮るなんていうのは、さらにその先にあったものですよね。

画素も荒く、凹凸の詳細については知る由もない。

そのため、ハリウッドなどでも「手術」で形を整えることが主流でした。

実際それ以外に有効な手段はあまり見当たらなかったということもあるでしょう。

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ハイビジョンやスマートフォン、YouTubeなどの普及により、2000年頃からこの流れが少しずつ変わっていきます。

「静止画像で美しく写ること」

「動画で不自然に見えないこと」

「若く見えること」

プチ整形なる言葉が出てきたのはもう20年も前の話ですね。

ボトックスやヒアルロン酸注入により、メスを使わず手術台に上がることなく形を整えることができる。

確かに束の間、静止画像では綺麗にはなります。

けれど、どこかの国の美人コンテストではないですが、写真としては美しい、でも個性のなくなった、表情のない顔が増えました。

ここで僕がこだわったのは、肌質の改善への集中化です。

画素数が上がり、それこそ女優さん、俳優さんなどは、寄せのシーンでは50インチを超えるテレビで、実際の顔よりも拡大されて映像が映ることになりますから、フィラーなどで形を整えるよりも、皮膚のターンオーバーを速めて綺麗な透明感を上げて、コラーゲンやエラスチン線維を再生させて弾力のあるハリのある肌を、レーザー照射でキープする事が、最も自然ない美しさが際立たせる最善策と思ったのですよね。

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コロナ禍によりリモートでのコミュニケーションが全盛となった2020年代。

加工でなんでもできる時代。

「動画が美しく映ること」「綺麗な自分を画像に残せること」。

ここに主軸が移ります。

SNS全盛時代、加工動画の時代になったと言えます。

すべての写真を美肌にするにはもちろん、輪郭や目鼻の大きさまで加工してしまうので、リアルな自分の顔が残っていないなんて話も聞きます。

こうなると、単なる美人顔ではなく、発言内容や話し方によって人気度が変わり、より個性が引き立つことがニーズとなりました。

要は、生まれつき持った表面的ダイバーシティ(Diversity)から、思考や経験に基づく深層的ダイバーシティへの価値転換が行われているという事ですね。

僕の診療の現場のみにフォーカスしていえば、良くなったなと思うことは

「(有名人の)〇〇さんみたいな顔になりたい」

という方を今はほとんど見なくなったことです。

自分自身をどこまで伸ばせるか、という点に集中して話ができる。

そしてこうした患者さんは、綺麗になるのも早い。

自分自身ではない他の誰かを目指すわけではないわけですから当然ですよね。

今後の展開としては、さらに画素が良くなり、記録媒体、再生媒体としては3Dも4Dもあり得ます。

AI映像によるフェイクの技術も上がるでしょう。

いずれにせよ、現在の流行りや価値観にとらわれず、未来には好まれる見た目の常識も変化することを想定しながら、僕も治療を選択しているつもりです。


日本美容医師会のお知らせ

今週土日は日本美容医師会。

日本には大学系の美容外科学会JSAPSと、開業医系の美容外科学会JSASがあるのですが、この日本美容医師会JCMAは、僕と同世代のアラフィフのドクター達が作り上げた新しい勉強会。

世代が違うとニーズも異なります。

日進月歩の医療をキャッチアップするのには多くの勉強が必要ですが、僕もエネルギー医療機器分野で座長としてちょっとお手伝いさせていただいています。

きっと盛会になると思います。乞うご期待。


「光学」原稿執筆

工学部の光学研究開発者向けの雑誌「光学」より、原稿執筆依頼がありました。

原稿料はでませんので完全なるボランティアですが、今後の光学機器研究に役立ってもらいたいのでお引き受けしました。

他の依頼者をみると大学教授ばかり。

「美容医療業界で工学博士を取得しているのは藤本先生だけであり、確認した美容レーザーの教科書として売られている著作も、工学的な記載は正確じゃないものが多いので、是非お願いしたい」

との事。

やはり臨床医として頑張られて教科書を書かれる様な方々の中でも、臨床の経験値は得られても、工学物理系の理論をきちんと理解されていないこともある様です。

一時期流行ったピコレーザーも、結局シミを取るだけなら安いQスイッチの方が効くじゃないかと、ようやく言われる様になりました。工学を学んだ者にしてみれば当たり前で、僕も米国の開発の研究者たちと

ピコレーザーって斬新の様に言われてるけど、単なるマーケティング用語だからね。誰が最初に気づくかね?

とお酒の席で笑って話していました。

レーザー治療に対して、光治療はターゲットが明確に決まっていません。

レーザーと比較してパルス幅も広く、波長選択性も明確ではないのが理由で、シミなどを限定的に治療するには不向きですが

肌のターンオーバーを上げたり、コラーゲンやエラスチン線維を太くするなどの効果もありますので、アンチエイジング目的にはなりますね。

一般的な光理論の話の後に、こんな機器が作れたらと言った工学的な提案も出来たらと思いますよ。

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以下依頼文です。

皮膚は身体の最表面にあるため,ヒトを対象とした光学的治療・計測は皮膚を介するものが 多い.

中でも美容皮膚科では,健康な皮膚でのシミ・肝斑・ニキビなどの各症状の治療を対 象とするため,低侵襲的治療が可能な光学技術が応用されている.

しかし,光学的知見が皮 膚治療の原理や機器にどのように活用されているかについては,光学研究開発者も熟知して いない部分もある.

そこで本特集では,光の生体組織への作用メカニズムの原理から,レー ザーなどの光源の安全基準,医用レーザー装置,さらに臨床での光を用いた治療について, 工学・医学の各立場から解説いただく.


「なぜヒトだけが老いるのか」

小一時間電車に乗る機会があったので、パッっと2冊買って乗り込み読破しました。

「なぜヒトだけが老いるのか」は生物学の東大教授の著作。ヒト以外の生物は、老いた瞬間に食物連鎖の餌食になりますので、生を維持できなくなるのです。そうした意味で、生殖年齢を超えたヒトが、生物史上初めて、老後という時代を過ごす事になったんですね。興味深かったです。

レーザーというと、シミ取りを連想される方がいまだに医師の中でも多いですが、現代ではレーザーで「肌の若返り」ができるようになりました。

僕の専門のレーザーによる若返りで、最も気を配っているのはコラーゲンとエラスチンの再生です。

加齢を重ねると、肌のふたつの構成線維が細くなり、隙間ができます。その隙間に朝は水が溜まり「むくみ」が、夕方には水が抜けて「緩み」が起こります。

この日内格差が加齢感を出してしまうのです。

僕も大学研究室との共同研究で、レーザーを当てたのちに皮下に生成されるメッセンジャーRNAの測定(トランスクリプトーム解析)を行って英文論文化しています。

特定条件のレーザー光に、「コラーゲンやエラスチンを作る自分自身の遺伝子」を再発現させて、若返りができる能力がある事を立証しています。これらの研究結果が教科書に載るのは最短でも10年以上先だと思いますけれどね。

医学は常に進化しています。


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