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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:Energy based medical devicesレーザー・光治療・高周波・プラズマ他機器別

HIFU(High-Intensity Focused Ultrasound)

美容機器による施術についてちょうどご質問を受けました。

HIFU(High-Intensity Focused Ultrasound)の施術についてです。

オリジナル機器(ウルセラ)が2009年にフェニックスの企業で開発されたときは、非常に画期的だと思われたのですが、その企業がドイツのメルクという製薬企業に買収されてしまい、訴訟の問題が無くなったので、一気に韓国製の追従機器が出ました。

日本の学会でこれだけハイフが並びますが、欧米ではほとんど見ませんね。HIFUはレーザーなどに比べて、比較的安価で購入できる医療美容機器なので、日本でも多くのクリニックが導入しています。

HIFUは一時的な引き締め効果がわかりやすい施術です。

つまりビフォーアフターの違いがすぐに写真に出るのです。

ですが、ビフォーアフターが出やすい施術は、元に戻る速度も速い。

さらに、熱傷リスク、神経損傷、脂肪萎縮などネガティブ面も存在し、過剰照射や施術頻度のミスが、「やりすぎ感」や表情の乏しさに繋がることもあります。

近年はたるみ改善の即効性をアピールするクリニックが多い一方、「やりすぎると表情が乏しくなるんじゃないか」という声もあちこちで聞こえてきました。

今回は、実際に医学論文に記載されているHIFUのネガティブな側面を、いくつかの文献とあわせてご紹介しますね。

1. 熱傷(やけど)のリスク
「超音波を一点に集中するわけだから、熱傷は起きうる」というのは理屈の上でも当然といえます。実際に以下の論文では、施術時のエネルギー設定や照射回数の不適切なコントロールにより、熱傷リスクが高まることが示唆されています。

Park JH, Kim SE, et al.
Adverse events associated with microfocused ultrasound for facial rejuvenation: A retrospective study.
Aesthetic Plast Surg. 2018;42(5):1242–1248.

この研究では、顔のリフトアップ目的でHIFUを行った症例のうち、熱傷や腫れ、過度の発赤などの発生率についてまとめられています。

2. 神経損傷の可能性
一部ですが、顔面神経や知覚神経に影響を与える報告も存在します。大抵は一時的な麻痺やしびれに留まるとされていますが、術者の熟練度や個々人の解剖学的特性によってはリスクが増す恐れがあります。

Kinzinger M, Berking M.
Facial nerve injury following microfocused ultrasound: A case report and review of literature.
J Cosmet Laser Ther. 2019;21(1):48–51.

症例報告ではありますが、特定の深度・部位へのエネルギー照射が顔面神経に影響したケースが取り上げられています。

3. ボリュームロス(脂肪萎縮)
「引き締まった」のと「こけてしまった」のは紙一重、とでも言うべきでしょうか。過度なHIFU照射による脂肪組織の減少が、頬のボリュームダウンやこけた印象をもたらすことがあるようです。

Suh DH, et al.
Intense focused ultrasound tightening in Asian skin: Clinical and pathologic results.
Dermatol Surg. 2015;41(7):759–765.

この研究では、アジア人の肌を対象にしたHIFU施術において、一部で脂肪組織の熱変性を確認。施術後に短期的なタイトニング効果は得られるものの、過剰照射で脂肪層にダメージが及ぶ可能性があるとしています。

4. 表情が乏しくなるリスク
「リフトアップしすぎて無表情に見える」というのも美容医療界隈でよく聞く話です。ボリュームロスや筋肉周辺の組織への熱影響などが重なると、表情筋の動きが滑らかさを失うケースがあります。これは文献的にも研究が進められている最中で、下記の論文にも微妙な表情変化について言及が見られます。

Park KY, et al.
Adverse events of intense focused ultrasound in the neck and lower face: A retrospective study.
J Dermatol. 2017;44(9):1035–1041.

この論文では、下顔面や首元に対するHIFU照射を行ったケースを分析しており、過度なエネルギー設定によるむくみ・硬さ・しびれなどが表情に影響し得ると報告されています。

まとめ:「やりすぎ」は禁物
カンファレンスでも「短期的には効果が見えやすいけど、複数回やりすぎるとリスクが増大する」という意見が大勢を占めていました。適切なエネルギー設定・施術間隔の見極めが大事だと痛感しますね。


この30年 レーザーをはじめとしたエネルギーベース医療機器の12の新たな技術

僕が医師になってから30年です。

この期間は、レーザーをはじめとしたエネルギーベースの医療機器が開発され、それぞれ医療応用された時期がすっぽりと重なります。

思えば、12の新たな技術が登場したなあと思い、まとめてみました。

新しい技術が以前の施術に比べてすべてが優れているわけではないので、あとは料理の道具のように、いかにうまく使い分けをしてゆくかにかかっているのでしょうね。

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Laser(レーザー) – 1990年代
レーザー美容医療の本格的普及は1990年代に入ってから。アレキサンドライトレーザーやNd:YAGレーザーなどが脱毛や色素病変治療に広がり、以降さまざまな波長・パルス幅を使った技術が発展。

IPL(Intense Pulsed Light) – 1995年頃~
連続波長のパルス光を利用し、シミ・そばかす・赤ら顔などを幅広く治療できるフォトフェイシャルが1990年代後半に登場。1995年前後から本格的に普及し、2000年代初頭にかけて急速に広まった。

エレクトロポレーション(電気穿孔法) – 2000年代前半~
遺伝子工学の技術を皮膚への美容成分導入に応用。高電圧パルスで細胞膜に一時的な孔を開け、大分子・高分子成分を肌深部へ届ける方法が2000年代前半ごろから美容分野でも利用開始。

RF/MF(ラジオ波・マイクロ波) – 2002年頃~
高周波(RF)による皮膚タイトニング治療として、サーマクール(Thermage)が2002年に登場。以降、マイクロ波技術(miraDryなど)も加わり、リフトアップや多汗症治療など適応が拡大。

フラクショナルレーザー – 2004年~
皮膚に微小なドット状の熱損傷(MTZ)を点在的に作り出す概念が2004年に提唱され、フラクセルなどの商品名で世界的に普及。ニキビ跡やしわ、スキンリジュビネーションに大きく貢献。

クライオ(氷結療法) – 2007年~
皮下脂肪を冷却しアポトーシスを誘導するクライオリポライシス技術が2007年頃に研究され、2009~2010年にCoolSculpting(クールスカルプティング)がFDA承認を取得。切らずに脂肪を減らす革命的技術として普及。

HIFU(高密度焦点式超音波) – 2009年頃~
超音波を一点に集中させて熱凝固点を形成し、リフトアップを行う技術。ウルセラ(Ulthera)が2009年にFDA承認を取得し、2010年代にかけて「切らないフェイスリフト」の代表的治療となる。

低温常圧プラズマ – 2010年代初頭~
大気圧下で40℃以下のプラズマを生成する技術が2010年代に台頭。殺菌効果や創傷治癒促進、新規スキンリジュベネーション法として期待され、多くの基礎・臨床研究が進行中。

高周波プラズマ – 2010年代後半~
ヘリウムプラズマなどを高周波(RF)エネルギーで高温化し、皮下組織を強力に収縮・再構築する技術が2016年前後から登場(例:Renuvion)。非外科的リフトアップ手法の新潮流として注目。

HIFEM(高密度電磁場) – 2018年~
強力な電磁波で筋肉を“超最大収縮”させ、筋肥大と脂肪減少を同時に狙うボディコンツァリング技術(Emsculptなど)が2018年頃から米国で普及。腹筋やヒップの引き締めを中心に世界的に広がる。

SUPERB(超音波平行ビーム技術) – 2019年~
ソフウェーブ(Sofwave)などが代表的。複数の超音波ビームを平行に発生させ、広範囲の真皮層を同時に加熱できる新技術。HIFUに比べて痛みが少なく、リフト効果も安定していると報告。

HIFES(高密度電気刺激) – 2022年~
高出力電気刺激を用い、表情筋を選択的に収縮させる技術(例:Emface)が2022年頃から臨床導入。筋肉を介した皮膚のリフトアップ・たるみ改善を狙ったアプローチとして台頭中。

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参考

レーザー:1990年代以降にアレキサンドライトレーザーやNd:YAGレーザーが美容領域で登場し、脱毛や色素病変治療を中心に普及。
IPL:1995年前後からフォトフェイシャルとして世界的に普及し、2000年代までに定番技術に。
エレクトロポレーション:2000年代前半、遺伝子工学の手法を美容界に応用。
RF/MF:2002年頃にサーマクール(Thermage)がリフトアップ治療の先駆けとしてFDA承認。マイクロ波もmiraDryなど多汗症治療で普及。
フラクショナルレーザー:2004年、Fractional Photothermolysis理論の発表後、フラクセルなどが大ヒット。
クライオリポライシス:2007年頃に研究報告がなされ、2009~2010年にCoolSculptingが登場。
HIFU:2009年にUltheraが初承認取得後、2010年代にフェイスリフト革命として広がる。
低温常圧プラズマ:2010年代初頭、大気圧下でのプラズマ生成技術が基礎研究から臨床研究へ移行。
高周波プラズマ:2010年代後半にRenuvionなどが登場し、切らずに皮下組織を収縮させる新技術として注目。
HIFEM:2018年にEmsculptがFDA承認。筋肉増強と脂肪減少を同時に行う新ジャンルとして世界的に普及。
SUPERB:2019年にSofwaveが発表され、痛みが少ない超音波リフトとして評価。
HIFES:2022年頃からEmfaceなどが導入され、表情筋を電気刺激で収縮させる革新的アプローチとして台頭。
なお、正確な年号は国や文献ごとに多少前後する場合がありますが、ここでは国際的な普及・導入時期の目安として示しています。


米国レーザー医学会誌

足を折ってしまうと全く外に動けないですね。涙。

会食も365日飲んでいたお酒も小休止。

ダイエットと休肝日の日々を送っています。

まあ時間が出来たおかげで読書や論文読みや、普段できないようなインプットに集中しています。

レーザー照射やその他のエネルギーデバイスの皮膚への刺激が、メッセンジャーRNA(mRNA)の発現を通じてコラーゲンやエラスチンを増やし、肌の若返りに寄与するという研究は、近年増加しています。

レーザー治療は、もともと工学に詳しいハーバード大学を中心とした技術者によって先行研究が進んできましたが、まさに今は時代の転換期。

生化学的なカスケードの研究がどんどん進み、エビデンスがついてきました。

メスやプチ整形で若い顔を作るのではなく、肌を若返えらせて若い頃の顔に時計を戻す事が可能になりつつあります。

レーザー照射とmRNAの関係

レーザーや光治療は、皮膚に微小な損傷を与えることで自己修復機能を刺激します。

この過程で、特定の遺伝子が活性化され、mRNAの発現が増加します。

mRNAは、皮膚の線維芽細胞や角化細胞においてコラーゲンやエラスチンといったタンパク質の合成を促進し、皮膚の弾力やハリを改善する役割を果たします。

主なメカニズムとしては

①損傷修復の促進: レーザーが引き起こす微小炎症がmRNA発現を誘導し、創傷治癒プロセスを活性化。

②コラーゲン産生の増加: mRNAがⅠ型およびⅢ型コラーゲンの産生に関与。

③エピジェネティクスの変化: レーザー照射による外的刺激が、遺伝子発現の制御に影響を与える可能性。

が考えられています。

今日も米国レーザー医学会誌を読んでいて見つけました。

クリニックFに新たに導入したBTL社のEMFACE(HIFES&RF)を強いエネルギーで腹部に使用した場合には脂肪組織のアポトーシスが起こすことをRTPCR法の遺伝子解析を行う事で立証したという論文。

エネルギーデバイスを肌に利用することで、新たな遺伝子発現が起こり、肌に変化を与えているという事を立証したとても良い論文です。

もちろん今まで通りの出力で顔に使用した場合は脂肪は保全されます。

興味深いですね。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/lsm.23854?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR0P_6W3_fIdfKarValkh6strZNbEihAaPkumI3DdODMSIQNhNeU2uzOvec_aem_OA51llRBwoJm0iSDEZtKRg

 


Electromagnetic Muscle Stimulation(電磁気筋刺激、EMS)

レーザー治療を続けて25年以上になりますが、個人的には新機種ではなく、新技術に興味があります。

新機種の場合は、実際にはどこか別の機器のコピー製品であったり、特許が切れた技術を使ったりと、いわゆるジェネリック的な医療機器が多く存在するからです。

僕が使用している機器は、エレクトロマグネティックの医療機器になります。レーザーもこの分野の機器です。

この電磁気学で僕は工学博士号を取りましたので、いくらでも詳しく語れます。(笑)

「エレクトロマグネティック(Electromagnetic)」は、「電磁気の」または「電磁的な」という意味です。

電気(Electric)と磁気(Magnetic)の相互作用を指し、電磁波や電磁場、電磁力など、電気と磁気が一体となって働く現象や技術を表現する際に使われます。

具体的な例としては:

電磁波:光やX線、ラジオ波、マイクロ波など、電場と磁場が波として伝わる現象。

電磁場:電流や電荷が作り出す電場と磁場の空間。

電磁力:電荷や電流の間に働く力。

などなど、工学や物理学、通信技術、医療(MRI装置)など、さまざまな分野で応用されている概念です。

 

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さて本題です。

最近、Electromagnetic Muscle Stimulation(電磁気筋刺激、EMS)つまり、電磁場を利用して筋肉を強制的に収縮させる技術が、医療や美容、リハビリテーション、スポーツパフォーマンス分野で使われていますが、実際には以下の7種類に分けて説明すると理解しやすいと思います。

1. 高強度焦点電磁場刺激(HIFEM)
特徴:高強度の電磁場を焦点的に筋肉へ照射し、超極大筋収縮(Supramaximal Contractions)を引き起こします。
用途:美容医療や体の引き締めに使われることが多く。筋肉強化と同時に脂肪分解を促進することが可能です。

2. 高強度焦点電気刺激(HIFES)
特徴:高強度の電気刺激を使用して筋肉を収縮させます。電流が皮膚表面から伝わり、神経を介して筋肉に作用します。HIFEMと違い、皮膚への刺激や感覚が強くなることが多いです。
用途:筋肉の収縮促進、局所的な筋力トレーニング、美容分野では筋肉の引き締め

3. 低周波電磁気刺激
特徴:比較的低い周波数を使用し、筋肉の神経に作用して収縮を促します。
用途:リハビリテーションや痛みの軽減、筋肉の緊張緩和。
例:スポーツ医学や理学療法で使われる低周波治療器。

4. 中周波電磁気刺激
特徴:低周波と高周波の中間にあたる周波数帯(1kHz前後)を使用します。皮膚抵抗が低くなるため、深部まで刺激が伝わりやすいです。工学的には中周波という概念はありませんので、メーカーなどで便宜上作られた言葉です。
用途:筋肉トレーニング、疲労回復、筋肉痛の緩和などに使われます。
例:EMSトレーニングスーツ や家庭用フィットネス機器。

5. 高周波電磁気刺激
特徴:高い周波数の電磁波を用いて、皮膚の表面ではなく筋肉や組織の深部まで直接刺激を与える。
用途:筋肉の引き締めやコラーゲン生成の促進、皮膚のタイトニングなど美容医療分野。
例:高周波EMS(ラジオ波併用) を用いた美容施術機器。

6. 神経筋電気刺激(NMES)
特徴:筋肉に加えて運動神経も刺激し、自然な筋肉の収縮に近い動きを促します。
用途:リハビリやスポーツトレーニングで使われ、筋力強化、機能回復のサポート。

7. パルス電磁場刺激(PEMF)
特徴:断続的なパルス波形の電磁場を使い、細胞の活動や血流の改善、組織修復をサポート。
用途:筋肉への刺激よりも、組織や細胞レベルの治癒効果を期待する用途で使用されます。

 

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そんな中、本年クリニックFに導入した機器の中に、EMFACE(エムフェイス)があります。

EMFACE®は、内側から顔の土台に働きかける初の治療法です。

EMFACE®は、特許取得済みの「同期型ラジオ波加熱」によりコラーゲンとエラスチンの生成を促進し、上記二番目の「HIFES™顔筋刺激」により顔の筋肉を収縮させ、回復させる治療法です。

こちらの機器についてはまた別の項目で触れてゆきますね。


レーザー治療を専門

会食や、学会などで、レーザー治療を専門にしていますというと、ドクターも含めて多くの方は、シミ取りですか?という質問を受けます。

レーザーというと、組織をいったん傷つけて、再生を図ることで肌を改善する印象がある方が多いようですが、これは20年前のレーザーの治療です。

ただし、現在保険診療でできることはここまでですね。

実際にクリニックFでやっていることは、レーザー光を当てることで、皮下にコラーゲンやエラスチンを増殖させるためのmRNAを発現させることで、若かったころに発現していた遺伝子に近づけるというもの。

これらのエビデンスを得ることは、組織に発現したメッセンジャーRNAを測定することができるトランスクリプトーム解析というものを行うことで可能になりました。

僕も阪大との共同研究で、育毛のためのレーザー治療をするための機器を開発するためにトランスクリプトーム解析を行い、論文化(8)したこともあります。

手術やスレッド、フィラー、ボトックスなどでできるものは、プチ整形も含めて「若い顔を作る」技術。

でもレーザーをはじめとしたエネルギーベースの医療機器を使用すると、皮下の遺伝子を再活性化させることで、若い肌を取り戻し、文字通り「若返り」ができるのです。

最も違いが分かりやすいのは、動画が撮影されている時ですね。レーザー治療だけの人は、自然な表情で、自然な若返りができていると思います。

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レーザー技術の発展
1960年にTheodore Maimanがレーザーを発明して以来、医療やライフサイエンスの分野で多岐にわたる応用が開発され、現代医療に欠かせない技術となっている。

レーザー光の特性とその意義
高いコヒーレンス性や低スペクトル帯域幅、集中できる特性により、極めて短時間で精密なパルスを生成可能。波長、スペクトル範囲、パルス持続時間を調整できることで、組織や細胞に対して効果的な施術が可能。

細胞・組織との相互作用
レーザーのパルス持続時間やエネルギー密度が細胞に与える影響は多様。連続波では破壊的効果だけでなく、光機械的な反応が発生することもある。皮下にレーザーを照射した後に発生した活性酸素群を分離する研究で、藤本は工学博士号を取得しています。

診断用途
吸収・散乱を利用し、蛍光イメージングやラマン分光法によって、組織の状態や病理学的診断に利用。
光コヒーレンス断層計(OCT)では、非侵襲的に細胞や組織の詳細な3D画像を取得でき、眼科や皮膚科などで広く応用。

光線力学療法(PDT)
がん治療では、光感受性物質とレーザーを組み合わせることで、選択的にがん細胞を破壊する治療法として使用されている。
臨床においては、皮膚がんや早期の食道がん、非小細胞肺がんなどでの効果が確認されている。

手術治療における応用
マイクロ秒~ミリ秒単位のパルス照射では、主に熱反応が発生し、凝固・蒸発反応を活用して、組織の切断や凝固に応用。
眼科(網膜剥離治療など)、消化器外科、整形外科などでの手術補助としても活用されている。

最先端のレーザー応用
ナノ秒~フェムト秒パルスにより、従来の熱反応を抑えた光機械相互作用が発生。これにより、精密な組織アブレーションやマイクロダイセクションが可能。

ポレーション(細胞膜への穴開け)を用いた遺伝子導入や薬剤送達技術が、再生医療や遺伝子治療の分野で注目を集めている。
生体分子への直接的効果。藤本はレーザーアシストのドラッグデリバリーの論文で薬学博士号を取得しています。

低レベルレーザー療法(LLLT):痛みの軽減や創傷治癒の促進効果があり、理学療法や歯科治療などでも利用。LLLTは、非熱的な生物学的効果により、細胞の活性化やコラーゲン生成の促進が示唆されている。皮下の免疫細胞の司令塔であるマストセルの研究で藤本は医学博士号を取得しています。

今後の開発領域と課題
各分野での応用を進めるために、高精度なレーザー制御技術や、安全性の確保が求められる。ナノテクノロジーとの融合による新しい診断技術や、さらなる低侵襲治療技術の開発が期待されている。

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この分野に関する僕のかかわった主要な論文です。(ほかの分野の論文はもっとありますが)

(1) T. Fujimoto, M. Ito, S. Ito, H. Kanazawa, Fractional laser-assisted percutaneous drug delivery via temperature-responsive liposomes, J. Biomater. Sci. Polym. Ed. 28 (7), Feb-2017, 679-689 (2017). [doi: 10.1080/09205063.2017.1296346.]
(2) T. Fujimoto, J. Wang, K. Baba, Y. Oki, Y. Hiruta, M. Ito, S. Ito, H. Kanazawa, Transcutaneous drug delivery by liposomes using fractional laser technology., Lasers Surg. Med. 49(5), Jul-2017, 525-532 (2017) [doi: 10.1002/lsm.22616.]
(3) T. Fujimoto, Metabolic syndrome treatment with the ACBODY low-frequency rotating stimulation device, Bio. Clinica. 29(4), Apl-2014, 76-83 (2014).
(4) T. Fujimoto, Imai Y, Tei Y, Ito S, Kanazawa H, Yamaguchi S High temperature heat source generation with 4-6W power level quasi-cw(continuous wave) semiconductor lasers for medical use. J Biomed Opt. 19(10), Aug-2014, 101502(2014). [doi: 10.1117/1.JBO.19.10.101502.]
(5) T. Fujimoto, Imai Y, Tei Y, Yamaguchi S Development of A Semiconductor Laser Based High Temperature Fine Thermal Energy Source in an Optical Fiber Tip for Clinical Applications. Jpn. J. Appl. Phys. 52, Apl-2013, 052501(2013)
(6) T. Fujimoto, Imai Y, Tei Y, Fujioka T, Yamaguchi S
High temperature heat source generation with a very low power level quasi-cw(continuous wave) semiconductor laser for medical use. SPIE2013- , Feb-2013, 856569(2013) [doi: 10.1117/12.2002723.]
(7) T. Fujimoto, Ito S, Ito M, Kanazawa H, Yamaguchi S Induction of different reactive oxygen species in the skin during various laser therapies and their inhibition by fullerene.Lasers Surg Med. 44(😎, Oct-2012, 685-94(2012). [doi: 10.1002/lsm.22065.]
(😎 K Hasegawa, T Fujimoto, C Mita , Furumoto H, Inoue M, Ikegami K, Kitayama T, Yamamoto Y, Shimbo T, Yamazaki T, Tamai K.
Single-cell transcriptome analysis of fractional CO(2) laser efficiency in treating a mouse model of alopecia.Lasers Surg Med. 2022 Oct;54(8):1167-1176. [doi: 10.1002/lsm.23590.] Epub 2022 Aug 2.
PMID: 35916125
(9)T. Fujimoto, Nishiyama T, Hanaoka K. Inhibitory effects of intravenous anesthetics on mast cell function. Anesth Analg. 101(4) Oct-2012, 1054-1059(2012). [doi:10.1213/01.ane.0000166955.97368.80.]
(10) T. Fujimoto, Sato Y, Sasaki N, Teshima R, Hanaoka K, Kitani S. The canine mast cell activation via CRP. Biochem Biophys Res Commun. 31;301(1), Jan-2003, 212-217(2003). PMID:12535664
(11) A Nishijima, T Fujimoto,T Hirata, J Nishijima; A New Energy Device for Skin Activation to Acute Wound Using Cold Atmospheric Pressure Plasma: A Randomized Controlled Clinical Trial, Biomed J Sci & Tech Res, Vol.21(1), 15494-15501, DOI:10.26717/BJSTR.2019.21.003532
(12) A Nishijima, T Fujimoto, T Hirata, J Nishijima: Effects of Cold Atmospheric Pressure Plasma on Accelerating Acute Wound Healing: A Comparative Study among 4 Different Treatment Groups. Modern Plastic Surgery, 9, 18-31, 2019. doi: 10.4236/mps.2019.91004.
(13) M Murakami, S Hyodo, Y Fujikawa, T Fujimoto, K Maeda: Photoprotective effects of inclusion complexes of fullerenes with polyvinylpyrrolidone: Photodermatol Photoimmunol Photomed; 29: (Jul-2013), 196–203(2013), [DOI: 10.1111/phpp.12050]


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