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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:藤本院外日記

稼げる農業経営のススメ

2021年に官僚が書いた本。

データ解析は流石です。

情報を俯瞰するには良いですよね。

こうした情報を得たのち、新たなビジネススキームを考えれば良いのだと思います。

現在農業は6次産業化が進んでいます。

6次産業化とは、1次産業としての農林漁業と、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業等の事業との総合的な推進を図り、農山漁村の豊かな地域資源を活用した、新たな付加価値を生み出す取り組み。

宿泊施設込みで土地のチーズやワインなどの食材を組み合わせた商業施設が増える事でしょう。

今後10年で現在農業が主役の高齢層が離脱しますので、新たなプレーヤーが必ず必要になります。

その枠にどの様に参入するかなんですよね。

この本にはLEDなどの光学系を利用した植物工場は、補助金などの支援無しにうまく経営しているところはまだ少ないと書いていましたが、ここはまだまだチャンスがあるでしょう。

GPSを利用した自動耕作機器などの開発も進んできましたし、安全で健康的な食材はどの時代にも求められると思いますので、医療の専門家からの関わりも考えたいですね。

さらには僕の一つの夢にキノコ工場があります。

しめじや椎茸はもちろんですが、トリュフや松茸などの高級食材のより効率的な成育も、現在の科学知識があれば可能だと思うのですね。

こう考えると農業は夢がいっぱいだなあ。

バイオ系研究を一歩進めて、農学博士号取るかなあ。

大学院に行けば同じ志を持った仲間も増えますしね。笑


2023年の中秋の名月

2023年の中秋の名月。

東京は少し曇っていて、これは翌日のものです。

カメラの精度が上がり、綺麗に写真が撮れる様になって嬉しいです。

Nikon Coolpix P1000 359mm f/6.3 1/1250s


デフォルトモード・ネットワーク

「デフォルトモード・ネットワーク」(DMN:Default Mode Network) という脳の神経活動にも注目が集まっています。

DMNは何もしていないときに働くネットワークで、お風呂でぼんやりしたり、旅先で何も考えずに窓の外を眺めたりする際に発現すると言われていて、いわば脳がアイドリングしている状態です。

このアイドリング時間のおかげで、過去の整理をし、未来の予測をしたり、セレンディピティの様な思い付きをすることができるようになる一方で、これが過剰になると、うつうつとしたり、不安に捉われたりすることがfunctional MRI などを利用した最近の研究で分かってきた。

僕が音楽と痛みについての本を書いたのはもう10年以上前になってしまいましたが、その後の研究で痛みを慢性的に抱える難病の方にモーツァルトの室内楽を聴いてもらった際に、その結果、デフォルトモード・ネットワークと痛みを感じるセイリエンス・ネットワーク間の相互抑制が一時的に弱まり、モーツァルトの心地よい音楽を聴くことで、ストレスや痛みの悩みから気が紛れ、抑制されていたデフォルトモードネットワークが解放されたと考察された論文を読んだ事があります。

デフォルトモードネットワークは机に向かって仕事をしている時なども抑制されています。

机に向かったり会議をしている時の脳は非常に理知的な優等生的な解決策を提案してくれるのですが、発想の転換には、気分転換のためにぼっとする、綺麗な花を観る、寺社仏閣を巡る、リフレッシュを兼ねて温泉に行くなどの行動をすることは脳科学の観点からも重要だという事ですね。

僕も、海外出張の際に、一人で旅して移動する時に、このデフォルトモードネットワークを意識していました。

普段は思いつかないような発想が浮かぶんですよね。

こうした脳の働きは、仏教などの修行にも生かされてきたのではないかと思います。

お釈迦様の修行の際には、半眼にする場合が多いのです。

その理由として同時に存在している自分の内側と外側、その二つを統合するためであると説明を受けたことがあります。

つまり「半眼」には、現実に意識をとどめながら、深い潜在意識にも入っていくという効果があるのです。

現代科学によって理知的に導き出された解決策が、古く宗教などでそのまま経験的に実践されていることがままありますが、興味深い事ですよね。


ドラッグデリバリーシステム学会誌

僕の薬学博士号の研究はドラッグデリバリーシステムでした。

今回のドラッグデリバリーシステム学会誌では、「エクソソームの糖鎖修飾による標的細胞選択性の向上」についての論文が掲載されていました。

現在日本の美容医療領域では「エクソソーム」の商材が多く存在しますが、がん細胞からも当然エクソソームが分泌されています。

まさに玉石混合。

中には害のあるものも入っている可能性がありますので、クリニックFでは採用見送りの、論文と学会報告の様子見のスタンスですね。

エクソソームは、真核細胞においてエンドソーム区画で形成される膜結合性の細胞外小胞です。

エクソソームは、多くのリポタンパク質と同程度のサイズであり、直径は約30-150 nmであると考えられています。

エクソソームは、起源となった細胞由来の標識分子を含んでいる、いわゆる細胞間メッセージ物質。

血液凝固や細胞間シグナル伝達から廃棄物の管理までさまざまな生理学的過程に特化した機能を持つことが知られています。

今回のこの論文は、エクソソームの標的細胞選択性を上げるために、糖鎖を置き換える技術について書かれていて非常に興味があるものでした。

エクソソームには臨床的な可能性があるものの、アメリカでは医学的に証明されていない未承認のエクソソーム製品による治療を行うクリニックが存在し、患者に深刻な有害事象が起きているとして注意喚起が行われています。

ちなみに、アメリカ厚生労働局(FDA)は未承認のエクソソームについて注意喚起を行っており、患者が科学的に正しい治療を受ける機会を遅らせたり被害を及ぼすことで患者を危険にさらすと指摘しています。


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