街とその不確かな壁。
あとがき含めて661ページ読み終えました。なんとも言えない充足感。
全集中の元、村上春樹ワールドにどっぷり浸かってしまいました。
あとがきに書かれていましたが、この物語は「街と、その不確かな壁」という1980年に書かれた中編小説の完結編とも言えるものでした。
当時31歳のジャズ喫茶と兼務して小説を書いていた村上春樹が、稀代のストーリーテラーとして71歳にして期を熟してコロナ禍の時期に、集中して3年間かけて書き進めた物語の完結編。
もう年齢的にも長編を書くことはないだろうと思っていただけに、また、人生の成長過程において村上春樹の作品を全て読んだ自分だからわかる伏線の回収などもあり、読後感はひとしおでした。
今の様にスマホもNetflixも無い僕の高校大学時代。
勉強からの逃げ道は小説かピアノでしたが、今の世代の子供達は、こういう楽しみが出来る人も減ってしまっているのだろうなあと思いましたよ。