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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月② 新春のウィーン フェルメールの「絵画芸術」とバベルの塔

おはようございます。

今日1月6日から東京・四谷のクリニックFはスタッフが出勤し、電話予約やご質問を受け付けております。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

年明けからヨーロッパにいる僕は先ほどクリニックに国際電話をして、新年の挨拶と状況の確認をしましたが、スタッフも元気そうで安心しました。

僕の帰国は10日の午後を予定しています。今年の診療は11日(水)11時に始めますので、それまでご迷惑をおかけしますが、もう少々お待ちください。

さて、現地時間の1月5日午後、僕は一度パリを出て、2012年ヨーロッパ3ヶ国目となるオーストリアはウィーンにやってきました。

ウィーンには1日半滞在する予定。今回ヨーロッパに来たのは欧州企業との打ち合わせや、スパの視察などが目的ですが、ウィーンはその合間の完全オフ。

スケジュール的にちょっと体力を考えると厳しいかなとも思ったのですが、厄年真っ最中のカラダに鞭打って? やってきました(笑)。

ウィーンでどうしても観たいオペラと絵画があったのです。

まずは、目的の絵画。

年始で、とても混雑していた美術史博物館に、フェルメールの絵を見に行ってきました。

「絵画芸術」という絵をご存知ですか?

写真ではサイズがなかなか伝わらないかもしれませんが、かなり大判の絵です。

以前よりこのブログでも紹介していますが、僕は海外出張にいくつかテーマを持たせるようにしています。

そのうちの一つが世界に40枚弱しか残っていないフェルメールの絵を、現在所蔵されている現地の美術館で観るという作業をしています。

今回はフランクフルトとウィーンで一枚づつ観ることができました。

これで世界に散らばったフェルメールの絵のうち、4分の3を観ることが出来たことになります。

ただ、残り4分の1については達成が難しいかもしれません。

ヨーロッパの田舎にあるものや、個人所有のものもあって、アクセスが難しいんですよね。

すこし深く調べてみたいとは思いますが。

それにしても、見事な装飾のこの美術史博物館。

観たことのある絵も沢山陳列されています。

この美術館でフェルメール以外で特に印象に残ったのは、こちらのバベルの塔。

ピーテル・ブリューゲルの絵。

外観だけを見ると綺麗な、いかにも完成しそうな塔に見えますよね。

しかし、内部の螺旋と外部の螺旋がそもそも食い違っていて平衡感がありません。

バベルの塔の物語は旧約聖書の「創世記」に書かれていますが、

「人類の科学技術の過信に対して神の戒め」

について語ったものと言われています。

人類が、人智を超えて神に挑戦しようとして、自己崩壊すべくして建てられた塔なのです。

実現不可能な、天に届く塔を建設しようとして、結局崩れてしまった・・・といわれるこの塔にちなんで、空想的で実現不可能な計画は

「それはバベルの塔だ」

と表現されるそうです。

そして、この塔を人間ひとりひとりとして考えれば、人間内部の自己矛盾を顕在化させたかのような絵でもありますよね。

ブリューゲルは、そもそも自己矛盾を持つ人間ーーー自分の中に「バベルの塔」をひとりひとりが抱える人間ーーーに、神を超えるものは決して造れない、神の領域に立ち入ってはいけないということを表現したかったのではないかと思いました。

一枚の絵画ですが、色々と語ってくれました。

そして、この絵を観て、僕は年末に滞在したドバイで観た世界一のタワー828mのブルジュ・ハリーファを思い出しました。

オイルマネーによって出来た人類最高(高さ)の建築物。

石油が異常な高値を示しているおかげで建てられたとは思いますが、こちらのタワーの内部は、現在科学の叡智を集結させた建築。

神への挑戦としてバビロニアで構想されたものが、2600年以上経過してペルシャ湾を超えたドバイで実現したと考えてよいのでしょうか?

それとも神にとっては、こちらも所詮は人類の作り上げたもので、すぐに自壊してしまうのでしょうか?

興味深いですね。

今回訪問した、ドバイの美容レーザーの先生と話したところ、2008年のドバイショック以降も引き続き経営は順調に伸びているとか。

年末に滞在したドバイのブログはまた帰国したらまとめてアップしますね。

 


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