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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

ルーブル美術館 愛を描く展

先週の話ですが、ルーブル美術館の愛を描く展を観に、国立新美術館まで行ってきました。

ルーブルから愛に関わる幾つかの絵を借りてきたんだと思うのですが、僕としては流れでさっと観たものの、足を止めて観た絵が無かったのです。
いつもなら数作品で足を止めていた。
何故だろう。感性が弱くなったのか?

考えるに、WEB時代になって映像系の刺激が多くなり過ぎて、感情を揺さぶるような物が減ったのかも知れません。

細かい絵や写実的な絵は、今後AIがどんどん作ってくれるでしょう。絵は空間の芸術であり時間軸がない。一方で音楽は時間の芸術であり、論理があるとはよく言ったものですが、今後評価されうる価値のある絵とは、偶然によって起こりうる、でも目に見えないような刹那的、微分的な瞬間を切り出したもの、もしくは一気にデフォルメしたピカソ的な抽象画なのでは無いかなあと思います。

ピカソの内面を映し出したような絵やフェルメールの牛乳を注ぐ女性がなぜあそこまで評価されるのか?写真のない時代に、窓からの光線や注がれる牛乳の瞬間が描き出されているからだと思うのです。

やはりアートは独創性の高い物が評価されていくのでしょうね。サイエンスよりも遥かに深い世界だと思いました。


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