今年最後の日曜日。
映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を観ようと映画館を探したのですが、3Dで観ることのできる映画館はほぼすべて完売です。
日本橋のTOHOシネマズで唯一11時半の枠が空いていましたので、久しぶりに日本橋まで出かけてきました。
ジョン・ウィリアムスの壮大な管弦楽をバックに、STARWARSのロゴが3Dで浮かび上がり、episode VII の文字がスクロールされたときは僕も一瞬鳥肌が立ちました。
映画自体も過去の映画を彷彿とさせるシーンもありとても良かったです。
故郷を離れ、社会で善悪の価値観を学びながら、偉大な父を倒し、父を超えてゆく子供たちの物語。
主人公の血脈を大切にして代替わりしてゆくのは、歴史の浅い米国にとってある部分神話の役割を果たしているのでしょうね。
前情報で、英国なまりで話すストーム・トルーパーが実は007シリーズでお馴染みのダニエル・クレイグによるカメオ出演だと聞いていました。
よく見ないと見逃してしまうとの話でしたが、僕は見つけましたよ(笑)。
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スター・ウォーズを観るたびに思うのが、リヒャルト・ワーグナーによる歌劇「ニーベルングの指輪」から受けている多くのインスピレーションについてです。
ワーグナーの指輪物語は、世界を手に入れることのできる能力を持つラインの川底の黄金から出来た指輪をめぐっての物語。
◇序夜『ラインの黄金』
◇第1夜『ワルキューレ』
◇第2夜『ジークフリート』
◇第3夜『神々の黄昏』
の楽劇 4夜で完結しますが、こちらも主人公が代替わりして複雑に展開しますので、すべて観ると16時間を超えてしまいます。
*2009年7月 ロシア サンクトペテルスブルグ マリインスキー劇場にて第3夜『神々の黄昏』を鑑賞
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そもそも、オペラは文学・音楽・絵画・舞踊の4大近代芸術すべての要素を併せ持ち、且つそれらの集大成でもあります。
こうした芸術を楽しむには感性だけでなく教養も必要です。
ブルーレイや映画館などの映像システムによって時間空間を超えた場所で繰り返し楽しむことができるようになったのは、20世紀の飛躍的な進化ですよね。
ワーグナーはこの4つの作品を演奏するだけの目的で、バイエルン国王ルートヴィヒ2世の資金援助を得ながらバイロイト祝祭劇場を造りました。
この劇場は音響効果が素晴らしいばかりでなく、オーケストラが観客席から見えないように設計されています。
いわば現在の映画館の発想そのものです。
特に長い物語ですので、主人公の登場の際に、ライトモティーフと呼ばれるテーマソングを利用して理解を深めるようにしたのですが、こちらはダースベーダーの登場の曲や、主人公がフォースを使う時の曲などの発想につながったという話は有名ですよね。
ワルキューレの第三幕で用いられる「ワルキューレの騎行」の壮大な音楽は、地獄の黙示録でもアパッチの爆撃シーンで使われましたが、その後の映画に大きな影響を与えたのでしょうね。
*2013年5月 バイロイトの街 ワーグナーの銅像の隣で
スター・ウォーズのキャラクターを利用した新たな三部作が、この後どのように展開してゆくのか楽しみです。
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写真は映画鑑賞後に食べたラーメン。「とんこつらーめん俺式」日本橋店(らーめん専門店 せたが屋系列)にて。
こちらも美味しかったですよ。