この場所はアレクサンドル・ネフスキー大修道院に隣接する墓地です。
チフヴィン墓地と言います。
ここは、ロシアの芸術に貢献した者のみが永眠できる墓地なのだそうです。
せっかくサンクトペテルブルグまで来たので、尊敬すべき作曲家や作家に、ぜひともお墓参りをしようと思ってやってきました。
墓地の中には地図があり、それをたどっていくとまず見つけたのがこちらのドストエフスキーのお墓でした。
モスクワの貧民救済病院で働く医師の二男として生まれたドフトエフスキー。作家時代にはこのペテルブルグを物語の舞台としました。
高校生の時にちょっと背伸びして
「罪と罰」
「白痴」
「カラマーゾフの兄弟」
・・・などを一生懸命読んだのを思い出します。トルストイと並んでロシアを代表する作家ですよね。
こちらは作曲家のリムスキーコルサコフのお墓。
交響組曲の「シェヘラザード」が好きですが、彼は教師としても卓越して人物として知られていたそうです。
ストラヴィンスキーやプロコフィエフなどの師でもあったそうですね。
彼の家は、これらの高弟や、ラフマニノフなどがあつまる音楽サロンだったそうで、翌日雨の中行ってきましたよ。
そしてこちらが偉大なるチャイコフスキーのお墓です。
そもそも、僕がクラシックを聴くようになったきっかけが、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番。
家にあった父の古いLPでした。
演奏はエミール・ギレリス。彼もロシアを代表する世界的奏者の一人でしたよね。
特に第一楽章が始まる時のその旋律と一つの無駄のない和音のハーモニーが素晴らしくて、大好きでした。CDではなく、LPだったので、A面の第一楽章ばかり何度も何度も聴いていました。
たぶん数百回は聴いているんじゃないかな。
また、「くるみ割り人形」や、「眠れる森の美女」などのバレエ音楽の美しい旋律は、あまりに忙しくて苦しかった研修医時代によく聴いたのを覚えていますよ。
聴くだけで心が豊かになって励まされました。
音楽の力ですよね。
この墓地には174人の文化人が葬られています。興味深かったのは、墓石がすべて異なり、非常に工夫されていること。
彫刻家はそれらしく。音楽家は楽譜が彫ってあったり。
この人は画家だったのでしょうね。