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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

2011年6月イタリア出張23 DEKA社本社の工業用レーザー機器

3時間余りのドライブでフィレンツェのレーザーメーカーであるDEKA社につきました。

出迎えてくれたのは、ピサ出身の物理学博士のマウロ・ガリです。

DEKA社のレーザーおよび光治療機器の設計は基本的に彼がかかわっています。

簡単な自己紹介を済ませた後、まずは食事をしようと役員食堂に移動して、軽食を取りました。

簡単な料理のようですが、社員食堂のわりには相当おいしく、さすが食の国イタリア。

感動しました。

その後マウロの案内で、工場を見学させてもらいます。

まず案内されたのがこの場所。DEKA社のルーツともいえるものです。

何があるかわかりますか?

もともとフィレンツェのこの地方は電子測定機器の会社が多かったようで、DEKA社の歴史はここにあるのです。

もともとは電子測定機器から始まったこのEl Enグループという会社が、レーザー機器開発を始めました。

工業用レーザーは、5を意味するPENTAというブランドで販売し、

医療用レーザーは、10を意味するDEKAというブランドで販売しているというわけです。

こちら、加工用の巨大工業レーザー機器の工場です。

特にCO2レーザーの技術には、DEKA社に特筆すべき技術が3種類あり、ここではご説明できませんが、それぞれの技術の説明を受けました。

その中でもすごいのが、これ。

この磨かれた金属の部品ですが、なんだと思いますか?

8本のレーザー発振のガラス管を固定するものなのです。

通常のCO2レーザーはガラス管でできています。

CO2レーザーは、能動レーザー媒質(レーザーを増幅する媒質)としてガスを管に封入して放電させることでエネルギーを発生させるのですが、そのガスの組成は

二酸化炭素と窒素が、それぞれ約10-20%づつ

ごく微量の水素またはキセノン

残りの全成分がヘリウム

となり、これらがこの一本のガラス管に入っているのです。

医療用レーザーではこの一本のガラス管で十分な出力を出せるのですが、

このように手前に8本、奥に8本のガラス管を並列に並べ、合計16本の出力を合算して、大出力でレーザーを照射することができるのです。

煉瓦に向けて照射すると、

この通り、炎を上げて煉瓦が解けます。

日本からドクターが見学に来たと紹介されると、

「じゃあこれからレーザー照射をしてやるよ」

みたいに、皆が照射実験をしてくれます。

マウロは、「皆レーザーを照射する実験が好きなんだよ。」

とポツリ。

なんだか同じレーザーオタクとしては、気持ちがわかりますね。

こちらは新型スマートサイド2に搭載された、RF式のCO2レーザー。

ガラス管を使用しないデジタル仕様のものです。

こちらも照射実験をしてもらい、プラスチックの板に照射すると、ご覧のように一瞬でこのようなガルシアン(円錐)型の穴が開きます。

お土産にもらって帰りましたので、ご興味ある方はクリニックFの受付で、ご覧ください(笑)。

そしてDEKA社の至る所に貼ってあったポスターこそがDEKA社の技術の集大成。

フィレンツェを代表する二つの建物をレーザー光で繋いだ時の写真です。

 


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