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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

新製品SMARTXIDE DOT 2とマドンナリフト

今日から6月ですね。今日も四谷で朝から診療をしている僕ですが、月初ということもあって、診療の合間にいくつもの打ち合わせが入ってなんだかばたばたしています。

さて、今月の海外出張は、中旬以降になりますが、イタリアを予定しています。今月は学会のための出張ではなく、イタリアのフィレンツェにあるヨーロッパ最大のレーザー会社DEKA社本社にて、新規に開発された「スマートサイドドット2(SMARTXIDE DOT 2)」の機器開発者と、開発に関わったドクターと機器に関することやマーケティングに関するデスカッションを行ったり、技術指導をしていただく予定があるのです。

SmartXide Dot 2は、今年の春に発売されたフラクショナルCO2レーザー機器とRF機器の複合機。

写真、僕の左手に二台の機械があるの、見えますか?

左が SmartXide Dot そして僕が使用している右側がSmartXide Dot 2となります。

この機種を僕が初めて見つけたのは今年の1月のパリの学会でのこと。まだ日本には、日本支社を含めて、製品はもとより全く情報が来ていない状況でした。

ニキビ痕や、毛穴、スカー、妊娠線治療などに使用されているフラクショナルCO2レーザー機器ですが、2007年にCO2フラクショナルレーザーの「フラクセル:リペア」がソルタメディカル社から発売されてからというもの、それこそピンからキリまで数多くのものが発売されてきました。

CO2の波長は、比較的安価につくれる上に、蒸散と凝固というレーザーによる肌のアブレーション機能を合わせ持つという性質があって、フラクショナルレーザーに適しているのでは?? と言われてきたのですが、実際に機器がデビューしてみると、これだけ強力なCO2レーザーを、特にアジアンスキンに上手く使いこなすのは、熟練が必要であることが分かってきました。

結局、フラクショナルレーザー機器の場合、“何ワット”“何ジュール”といった機器上のスペックではなく、1つ1つのビームによって形成される肌の反応が積分されて、肌全体に対して効果を生むという意識を常に持つことが治療上大切です。

例えば「60Wで35J、さらに一平方センチメートルあたり50発照射」などと、全く同じスペックで照射したはずのCO2フラクショナルレーザーの施術後の反応が、施術者や機器の違いによって、全く異なるという現象も納得できると思います。

では、逆に施術効果が微分されたと考えることができる、1つ1つのビームのまわりにどんな反応が起こっているのでしょうか?

これは大きく分けて、Ablation(アブレーション蒸散)と、Thermal effect(熱効果=コラーゲン生成と凝固による止血)の二つの作用と考えることができます。

この二つのパラメーターを独立して調節できる機器をはじめに開発したのは米カルフォルニアのサイトン社。 ただ、サイトン社は2970nmというエルビウムヤグ以降の波長はいまだ発表していないのです。2970nmは止血効果が弱く、日本人の肌にはきついんではないかと思っています。僕は次の波長が出れば、すぐに機器を購入したいと本社の担当者にも話しているんですけれどね。

そして、この二つ作用をうまく利用して、パルス幅ではなく、DWELL TIMEという新しい概念のパラメーターを取り入れたCO2フラクショナルレーザー機器が、このイタリアDEKA社のSmartXide Dotなのです。

他のCO2フラクショナルレーザーに比較して、凝固止血率が上がりますので術後の出血が少なく、Thermal effectの時間をしっかり取っているので、組織の収縮率が上がりますので、タイトニングの効果も上がります。

このDEKA社のSmartXide Dotのタイトニング能力が高い性質を利用して、ニューヨークのDr. Bruce Katzが、2010年に米国レーザー医学会(ASLMS)で発表した演題は非常にインパクトがありました。 この学会では僕も肝斑の演題で発表をしたのでよく覚えています。

画像を見ていただければお分かりかと思いますが、要は、カッツ医師は目の周りに収縮能力が高いこのスマートサイドドットを照射して、まぶたの皮膚を縮めることでまぶたのたるみを改善したのです。

人によっては数回の施術が必要となりますが、以前は手術をしなければならなかったので、これがレーザーできるとなると大きな進歩ですよね。

クリニックFでもいつも新しい機器が来ると施術の感想を聞いている専属モニターさんに数名施術をさせていただきましたが、一人に直後の細かい感想をいただいたので、そのまま引用しますね。

「照射時は、場所が眼だけに、恐怖心は少しありましたが、痛みは表面的で、我慢できる範疇でした。

照射1時間ほどは、ヒリヒリとした違和感はあり、

眼の周りに赤みが出ていましたが、

その後治まり、

通常通りの生活を送ることができました。

施術後にマスク・メガネでカムフラージュして通勤すると、

誰にも気づかれませんでした。

夜になると、うっすらと赤茶の点々が目立つようになってきました。

翌朝、多少瞼の重さはありますが、

気にならない程度でした。」

・・・とのことです。

もう少しテストを繰り返して、クリニックFでも施術が提供できるようにしようと思っています。

この施術は、米国ではその名も「マドンナリフト」として知られています。

こちらは Fierth Magazine に載ったマドンナの写真。

彼女の眉から上まぶたの部分に、このマドンナリフトが施術されたと実(まこと)しやかにいわれていますが、本当なんでしょうか(笑)?

 


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