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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

「医学部&医者の受験が易しい」?

半蔵門駅には本屋があり、活字中毒の僕はちょくちょく寄らせてもらっています。思い返せば以前クリニックを置いていた麹町にもすぐ近くに大きめの書店があったのに閉店してしまったのですよね。それも移転を考えた理由のひとつだったなあ、と思い出しました。

書店でざっと販売中の雑誌も眺めますが、今週の週刊ダイヤモンドに、「医学部&医者」の受験が易しくなり大チャンス!と書いてありました。

うーん。

半分ぐらい間違ってる。(笑)

まず、「命を救う仕事としての医業」「医師としてのやりがい」などについての話は今日は割愛させてください。ここを話すと長くなりますし論点がずれますので、そことは異なる話になります。

さて

産業構造や、人口構造が高齢化するに従い、十数年おきに最も高偏差値になる学科は変化しますし、プロダクトサイクルから考えても、もう医師が良い時代が終わりつつあるという事だと思います。

1960年代に造船業や自動車業を目指した人が東大工学部へ

1970年代に官僚をを目指した人が東大法学部へ

1980年代にバブルで証券業界を目指した人が慶應経済学部へ

2000年代安定志向を目指した人たちが国公立医学部へ

違った意見はあるかもしれませんが、こんな感じで人気の学科の偏差値が変位していたのでしょう。

畢竟、一番偏差値の高い人たちが目指す産業は、そののち、時代の流れから斜陽になっていくという事ですよね。

今後は、医師になったからと言って将来安泰でも何でもないのです。

では今後医師はどうしたらいいのか?

医師免許を取った時には、医師の仕事は臨床、研究、教育だと教えられます。しかしながら、もちろん前提として医師としての知識や技術をきちんと身に着けた上で、その後の生き方を考えてみると、医師は起業に向いています。

1)医師であることで、社会的信用を得られ、さらに事業にエビデンスを付けることができる。

2)健康関連の知識を得るための努力が圧倒的に少なくて済む。

3)万が一事業がうまく行かなくても、また起業中で事業が動かない時も、医師をすることで生活の糧は稼げる。

医師として専門を少なくとも一つ持つことは、必須条件ですが、その後のキャリアの一つとして起業はありではないかと思います。

ただし、医師は時間的余裕がありません。

不動産業など、参入障壁の低い、医療と完全に離れた分野での起業は本業に支障をきたすこともあります。

医師免許を

「病気の人を治す免許」ではなく、

「全ての健康ビジネスを包括することができる免罪符」なのだ

と発想を変えるだけで、医師としての別のキャリアが想定できるようになり、良い流れになるなとは思いますね。

医師免許を取得し、過酷な研修医時代を過ごし、臨床医として忙しく働いた後、それでもまだまだその先に30年、50年と人生は続きますから。

人生70年だった頃は、プロスポーツ選手を例に挙げ、引退後の人生を考えた時に・・・という話をよく各媒体で目にしましたが、その後コロナ禍を経て、現役を引退するしないの議論とは別に、どんな状況が起きてもできる仕事を作ることが求められる時代に入ったのだと認識しています。本業・副業という考え方はもう過去のものとして、少しずつ頭もシフトしていかないといけないですよね。

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僕自身、もともと起業には興味がありました。

30歳ごろ、ちょうど専門医資格を取った医師免許取得後5年目ぐらいに、何か生活の糧となる副業があれば、病気の人に対するアドバイスをする業務を無償でできるようになるのではないかと思うようになり、初めての法人を設立し、登記しました。

医師も人間ですので、対人関係で合わない人もいるし、時間的、精神的にも余裕もない時もある。

ですが、医師としての経験で得た知識を、お金を関係なく、「趣味として医業を行う」ことができれば、理想形だなあと。

最近は、医師の中でも自由な発想をもって、起業、さらには株式上場まで実現する人たちが増えてきました。

中には過去になかった価値観を具現化できたような企業も多く出てきました。

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こうした流れを国益に生かすためには、新たな価値を作り上げるアントレプレナーシップ(Entrepreneurship:企業家精神)を持てるような、アカデミックではなく、プロフェッショナルな教育システムを並行して作ってゆくことが必要なんでしょうね。

すべてを平等に、不得意分野を減らすのではなく、得意な分野をより伸ばしてゆくことができる優遇教育システムを作るとか。

小学校中学校の教育改革ですが、個別の対応は、コロナ禍&WEBの時代だからむしろ可能だと思います。

コロナ禍の財政出動とかは、官僚や政治の中にいた人、いわゆる受験偏差値の高い人たちではなくて、自力で株式上場した企業社長などから意見を集めたほうが、バランスも効率も良い分配ができるように思いますね。

まあ新内閣に期待という事で、ここらで話を締めておきましょう。(笑)

 


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