映画好きなスタッフから薦められて、昨日診療の後映画「アメリカン ギャングスター」を観てきました。自宅でDVDも良いですが、大きなスクリーンで観客に混じって映画を観るというのは、気分転換になりますね。
この話は1960年代、NYの麻薬販売に関わった実在の人物の話です。
当時アメリカで蔓延していた麻薬はイタリア系マフィアの独占市場ともいえました。
ところが、ハーレムに住む一人の黒人が、このビジネスモデルを崩壊させるのです。デンゼル・ワシントン演じるフランク・ルーカスという男。なかなかビジネスがうまく知的です。
彼はNYのディスカウントショップで見つけたソニーやトウシバなどの輸入電化製品にヒントを得て、東南アジアから直接質の高い麻薬を買い付け、中間業者を抜くことを思いつきます。
当時はベトナム戦争の真っただ中でしたので兵士にも麻薬が遷延していました。輸入には、ベトナム戦争中の兵士の棺を入れて帰国する米軍機を利用して麻薬を隠し、大量輸入に成功します。
さらに彼は、流通コストの圧縮で手に入れた高品質で低価格の麻薬に「ブルーマジック」という名を付け、ブランド戦略をとるのです。ブルーマジックに混ぜ物をして純度を落とす販売人に、「質を落とすなら薬の名前を変えろ!」と怒るシーンも出てきます。
ルーカスは高い倫理観とリーダーシップを発揮して麻薬王になってゆくのですが、当時は、まさか黒人がNYの麻薬を仕切っているとは考えられない。なかなか捜査線上に浮かびません。
ラッセル・クロウ演じる麻薬取締官がデンゼル・ワシントンをどう追いつめるのか?ちょっと長い映画ですが、見ている時間、ずっと興奮してハラハラして楽しめますよ。