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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:北米 ボルチモア編

CLEO:2011ボルチモア② グラント、ラマン分光

ワシントンDCから北東に30マイル。全米15位の都市であるボルチモアで5月1日から開催されている工学系レーザー学会のCLEO:2011 Conference on Lasers and Electro Opticsの第一日目に参加しました。

この学会は、アメリカではグラント(=一般の研究者などを対象に、政府機関他が研究開発費を配分する制度。科学的、技術的な観点を中心とした評価に基づいて実施すべき課題を採択する。)を取るために発表することが多い学会の様で、現在実験段階にある最先端レーザー技術の応用について語られます。

Laser Science to Photonic Applications のための学会ですが、僕が本日、籠って聞いたブースでは、レーザー光技術の医学への応用のセッションが行われていました。

現在世界で開発されているレーザーの最先端医療への適応演題ばかりでしたが、本当にこんなことも出きるのか!! と、驚き興奮することばかり。

僕が理系の研究職に就きたいと思ったのは、小学校時代に顕微鏡という機器に触れ、ミクロの世界に興味を持ったことだとブログにも書いたことがありますが、今回はまず午前中に、ラマン顕微鏡の最新情報を見せられて、本当に驚きました。

可視光が分子に当たって散乱される光を精密に計測すると、そこには分子の振動によって周波数変調を受けた成分を含んでいます。このような光散乱をラマン散乱と言います。

これら特有の分子・結晶の振動モードで、波長変調は固有となりますので、この波長変調を分光器によって調べることにより、その組成分析や結晶構造情報を得ることが可能となるのです。

これをラマン分光というのですが、レーザー発振されたをレーザー光を、顕微鏡と融合して、極めて局所的な部分の成分分析や結晶状態などを知ることができるようになった装置がラマン顕微鏡です。

このラマン顕微鏡を使用すると、通常の光学顕微鏡では同じように見えて、全く判別の出来ない、脳組織の異常細胞や、乳がんのガン細胞などがプレパラート上で正常細胞とは全く違った色に見えるのです。

特に腫瘍外科の手術に入ると、組織がどこまで正常なものなのかをいち早く診断するために、病理の先生が標本をチェックするのですが、この待ち時間がいつも長かったのを思い出します。

光学顕微鏡の解像度の限界を、レーザー技術とその受信器を加えることで、光学顕微鏡の良い特性を生かしながら、あっさり数桁超えてしまったということになりますが、こうしたレーザー技術を、光学顕微鏡に融合出来るなんて、本当に驚きましたし、僕の専門としている皮膚科レーザーは、医用利用されているレーザー技術のごくごく一部なのだということに改めて気付かされましたよ。

今日はこれから自分の発表に行ってきます。

レーザー治療の臨床医としてはもちろん、レーザー技術の研究者としても、科学の未来のために少しでも貢献が出来るようにがんばってゆきたいと思います。

 


CLEO:2011ボルチモア① ニューヨーク経由便の魅力

東京から早朝6時半の羽田〜ニューヨークJFK便に乗って、今回工学系レーザー学会(CLEO)が開催されるアメリカ・ボルチモアにやってきました。

この早朝のニューヨーク便は起きるのがつらかったですが(苦笑)、ニューヨークにも現地時間の早朝に着くので、その日の午後のトランジットまでトランクをチェックインしたままにして、自由に時間を使えるところに惹かれ、チケットを押さえました。おかげで、3月にも来たばかりですが何度来ても飽きない大好きな街ニューヨークシティまで出かけ、6時間あまりを過ごすことが出来ましたよ。この時間があるのとないのとでは、出張もずいぶん違います。

5月1日は日曜日でしたので、地下鉄を乗り継いでハーレムに移動。メモリアル・バブテスト教会でゴスペルを聴いてきました。

ハーレムの黒人教会(アメリカ系黒人のプロテスタント系キリスト教)で始まった、高い信仰心を持つ信者達が神に感謝するために歌うゴスペルですが、信仰の原点を見るような気が毎回して心が動かされます。

その後、42丁目のブライアントパークに移動して昼食をとりました。

ブライアントパークはタイムズスクエアから徒歩数分の、高層ビルに囲まれた都会のオアシスのような場所ですが、エンパイヤーステートメントビルディングや、ブライアントパークホテルが緑の木々越しに見える背景がとても好きなんですよね。

良い季節に恵まれました。

このブライアントパークの裏手には、ニューヨーク市立図書館があります。

こちらも大好きなニューヨーク市立図書館で出国までの時間をすごしましたが、だいぶ充電しましたよ。

さて、JFKからボルチモア空港へのシャトル便の飛行機で、昨晩こちらに移動してきました。

ボルチモアはワシントンDCより、わずか30マイル北東にあたる隣町ですが、ホテルでテレビをつけてみるとオバマ大統領が “Justice has been done” と演説しているではないですか。

こちらは翌朝のウォールストリートジャーナルのトップです。

思えば911テロの主犯格とされたオサマ・ビン・ラディンですが、病死説はでるは、映像は出てこないは、生死の確認も出来ないものと思っていたのですが、そもそも「911のアメリカ政府の発表がすべて、真実を語っている」と簡単には信じられないほど、腑に落ちないところがいくつもありますよね。きっと何か大きな力が働いているのでしょうが、国家機密ということなのでしょうね。ケネディ暗殺のときのように、数十年後に国家機密文書が公開されるのでしょうか?

話が脱線しましたね。これから学会に行ってきます。

国際学会周遊記、初めての工学系レーザー学会への出席ですが、またこのブログでご紹介しますね。

 


パロマ社の脂肪減少レーザー機器

今回ロバート・ワイス医師のクリニックに来たのは、米国パロマ社の新製品である、脂肪溶解レーザー「スリムリポ」の機能評価でもありました。

このレーザーは、脂肪吸引のように皮膚に小さな穴をあけて、レーザーを照射するのですが、その時に使用する波長が924nmと975nmという脂肪組織に最も吸収がよいと言われている波長なのです。

まずは患者さんの肌を測定し、データを収集します。

この患者さんの施術部位は首だったので、首のどの部分から脂肪を取るか、検討します。

ワイス医師は手術着に着替え、準備が始まりました。

施術の様子はこんな感じです。首の中からレーザー光が光っているのが見えます。

ワイス医師は、

“This is real sculpturing!”

と言っていましたよ。

脂肪を溶かして、くびれを作ったり、顎をシャープにしたりするのが、実際の彫刻のようだということなのですが、確かにアメリカ人の半端ではない量の脂肪を溶解すると、美しい曲面が浮かび上がってきます。

バンディングをして施術は終了です。

注射器の中にたまった脂肪に、レーザーを入れてみてもらえないかとワイス医師にお願いすると、見せてくれました。

ほら、脂肪が蒸発していくのが見えるのです。インパクトありましたよ。

施術が終わった後に、過去の症例写真を見せてもらいましたが、このように、脂肪を吸引することで刺青が小さくなっているのには驚きました。

ロバート・ワイス医師には、米国のレーザー事情や経済状況なども、いろいろと教えていただき、とても感謝しています。

帰るときにこのビルの表札を見たのですが、医師の名前だけでもこんなにたくさん。

メディカル複合ビルなのですね。

約1時間かけてホテルに戻ります。

ポトマック川に沈む夕日をちょうど見ることができました。

 

 


ロバート・ワイス医師のクリニック

ボルチモアの中心地から少し離れた場所に、こんな医療複合ビルがあります。

この中にロバート・ワイス医師のクリニックがあるのです。

ロバート・ワイス医師は、名門ジョンホプキンス大学の皮膚科の準教授。

アメリカのベスト・ドクターにも選ばれたことのある、世界的に著名な医師です。

まずはクリニックを案内してもらいました。

郊外の建物なので、広さは相当なもの。

内装は凝ったものではなく、なにかの学校の様な印象でしたが、施術室は14室もありました。

彼は新しい機器のFDAの認可の治験もするので、撮影装置は本当に充実していました。

今回は日本のレーザー輸入会社の最大手である、株式会社JMECの西村社長にお声を掛けていただき、ここに来たのですが、この見学には理由がありました。

それは明日のブログで…。


ワシントンDCからボルチモアへ

ワシントンDCでの米国レーザー学会が終了した翌日。

僕はワシントンDCから車で2時間ぐらい北東にあるボルチモアに行くことにしました。

JMECの西村社長に誘っていただき、アメリカ滞在を一日延ばして、ボルチモアにあるロバート・ワイス医師のクリニックに見学に行くことになったのです。

ちょうどこの日はMLBボルチモア・オリオールズの、しかも宿敵NYヤンキースとの開幕戦。

街中はちらっと車で通っただけなのですが、球場の横はものすごい人だかりでした。

この開幕戦では、ヤンキース松井秀樹がホームランを打ったそうなのですが、結局ボルチモアの勝利で終わりました。

今年もMLBは盛り上がりそうですね。


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