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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:北米 ニューオリンズ編

肝斑治療 レーザートーニングのC6 祝20周年

再び、アメリカ・ニューオーリンズで開催されたAAD全米皮膚科学会の話題に戻ります。

さて、ここ数年、肝斑治療のレーザートーニングとして一気に知名度が上がったメドライトC6。

米国の学会でも最近は取り上げられるようになりましたが、肝斑という特徴あるシミに対してここまで強い興味を示すのは、アジアンスキンを持つ人がほとんどです。

肝斑治療といえば、レーザートーニングが常識になりつつある現在ですが、僕がレーザー治療に興味を持った約10年前には、

「肝斑にはレーザー治療をしてはいけない」

というのが常識。教科書にも載っているくらいでした。

そんな中で、なぜ僕がレーザーによる肝斑治療を始めたかと言えば、2004年頃使用していたルートロニック社(旧マックスエンジニアリング社)のローフルレンスQスイッチヤグレーザーがきっかけです。

毛穴縮小を目的にマックスピールの施術をした患者さんの肝斑が、施術を重ねる毎に薄くなっていったのです。

そこで、「Qスイッチヤグレーザーは肝斑治療に効果があるのではないか?」

という推測の元、比較研究を始めたのです。

その時行った肝斑治療の演題は、2005年3月にアメリカ フロリダ州オーランドで開催された米国レーザー医学会で発表しましたので、僕は

最も早く、「レーザーによるアジアンスキンの肝斑治療」についての演題を世界の学会に提出した医師

ということになるのです。

この演題と論文は、ルートロニック社のマーケティングツールとして使われたこともあり、ヨーロッパやアジアに「フジモトプロトコール」という名前で広まりました。

思えば、このレーザーを使用した肝斑治療によって、その後僕は海外の学会で多く声をかけていただくようになりました。また、医師としてこれから歩んでいくテーマのひとつを、レーザーにこだわってみようか・・・という考えが、僕自身の中で生まれました。

僕にとって、ひとつの分岐点となったのです。

現在国内では、Qスイッチヤグレーザー機器のトレンドが、マックス社スペクトラVRM(マックスピール)からホヤコンバイオ社C6(レーザートーニング)に移りましたので、この機器が肝斑治療に主に使われています。

クリニックFでも2008年12月からメドライトC6を導入し、肝斑治療に役立てています。

2009年には、この機種を販売するホヤコンバイオ社の本社にも見学に行きましたよね。

この会社。今年で設立20年目なのだそうです。お祝いをしていました。

そしてこちらが、日本未導入のC6の上位機種RevLiteです。

通常のQスイッチヤグレーザーにPhotoAcoustic Technology Pulse(PTP)と呼ばれる新機能が付いているのです。

個人的にはこれが欲しいんですけどね。

個人輸入できないか思案中です(笑)。


キュテラ社久しぶりの新機種デビュー

おはようございます。今日も寒そうですね。

先週アメリカ・ニューオーリンズから東京に戻ってきた僕ですが、次の海外出張は今のところ3月下旬の予定。その前に来週ひとつ国内出張が入り、火曜日と水曜日は休診日とさせていただくことになりそうです。

今週は木曜日と日曜日以外クリニックも開いていますし、僕も診療をしていますので、お時間ありそうな方はお越しくださいね。

では、再び先週出席してきたAAD全米皮膚科学会の話題に戻ります。

今日は、カルフォルニアのキュテラ社について。

クリニックFでもライムライト、タイタン、パール、ジェネシスなど人気の機種が沢山ありますが、今回久しぶりにキュテラ社が新機種をデビューさせました。

それも、正統派のレーザー機器。

写真左手にある「CUTERA」の文字が見えますか?

ブースも大きかったです。

デビューした機種の一つは、1064nmロングパルスレーザーであるジェネシスの進化版です。

こちらは非接触型の皮膚温センサーが新規に内蔵されるようになったので、熱傷のリスクが格段に下がったと言えますね。

クリニックFでもレーザー照射の正確さを増すために、皮膚温度センサーを使っていますが、この皮膚温センサーを内蔵した機種がキュテラからデビューする、というのは好印象を持ちました。

さらに、こちらは532nmのKTP波長でも、ジェネシスのように連続照射ができる新機器です。

クリスタルガラスによる接触型クーリングシステムも搭載していますので、シミばかりではなく、血管病変についての治療の幅が広がるでしょうね。

これらも実際に使って、効果を見てみたいところです。

もう少し詳しく説明を聞きたかったのですが、聞きたい講演が沢山あって、この日は会場を後にしてしまいました。

 


メディカルスパにもフラクセル?

さて、学会会場展示会に入り、レーザー機器メーカーがデビューさせる機器を観に行きます。

まず気になったのはソルタメディカル社のこちら。

フラクセルのメディカルスパ・バージョンです。

アメリカでは医師免許がなくてもレーザー治療を行える州がいくつもあります。

そういった施設に対し、特にニキビ跡の患者さんなどを治療するために弱いパワーの機器が開発されたのだといいます。波長は1430nm。

フラクセル・リファインやアファームに近い波長です。

「波長が浅くまでしか入らないので、麻酔がいらない。」

ということでしたので、僕も手に照射してみましたが・・・結構痛かったですね(苦笑)。

でも、コンパクトでデザインも良いので、これはアメリカでは売れるかもしれません。

ただし、特にアジアンスキンに対するニキビ跡治療や、毛穴縮小などの治療能力としては、昨年日本でもデビューした「フラクセル3DUAL」が第1選択であることには変わりなく、この分野では一馬身以上(笑)リードしていますね。

 


2011年ニューオリンズ全米皮膚科学会会場

さて、明けた翌朝。

ニューオリンズのミシシッピー川沿いにある、大きなコンベンションホールに向かいます。

今年の全米皮膚科学会(AAD)はこちらでの開催です。

まだ朝が早く、あまり人がいないようですが、まずはレジストレーションです。

名札とコングレスバック、プログラムを手にして会場に入ります。

ヨーロッパ皮膚科学会のブログでもふれたのですが、全米皮膚科学会AADで認定医(Member)の資格をもらっている日本人医師は20人もいないそうです。

この学会に通うようになって気付いたことが、ひとつあります。学会の講演枠でも、認定医と、学会員以外の医師と、一般の方、プレスの方専用・・・など、講演内容によって細かい取り決めがあって、メンバーの資格を取らないと、すべての講演を聞くことができないことになっているんですよね。

僕も全米皮膚科学会のメンバーにアプライしてから、実際に2008年にメンバーに認定されるまで2年以上かかりました。

アメリカの学会は特にこういった審査が厳しいことで有名なのですが、とはいえ日本にも優れた医師がたくさんいるわけですから、審査に合格する日本人医師も多いはず。

日本人医師の米国皮膚科学会のメンバーがもっといてもいいのになあ・・・というのが僕の正直な感想です。

さて、まずは新製品を探しに展示会場に向かいます。

 


ルイジアナ州ニューオリンズ、バーボンストリート

LAでのまさかの24時間ディレイ。

全米皮膚科学会AAD Annual Meeting 2011が開催された、ルイジアナ州ニューオリンズの空港にたどり着いたのは、もう夜に近い夕刻でした。

空港ではこんなお出迎えや

こんな電光掲示板が。

到着の実感がじわじわと沸いてきます。

ニューオーリンズ、と聞いてもあまりその場所が実感としてぴんと来ない方もおいでになるかと思いますが、場所はアメリカ南部。メキシコ湾に面し、フロリダ州、テキサス州、アラバマ州などに囲まれています。

元はフランス領ということで、今も「フレンチクオーター」と呼ばれる地区にフランス植民地時代の名残が残っている都市であり、また全米有数の観光都市として知られています。

そんな中、僕にとってニューオーリンズといえば、なにはさておきやはりジャズ発祥の地であり、ルイ・アームストロングやハリー・コニック・ジュニア・・・といった沢山のミュージシャンが生まれ育った街でもある、アメリカが誇る音楽の都。

あとはジュリア・ロバーツ主演の映画「ペリカン文書」やデニス・ホッパーの「イージー・ライダー」、最近ではブラッド・ピットの「ベンジャミン・バトン」の舞台、といったイメージをもってやってきました。

とりあえず、この時間では学会もすでにこの日のスケジュールをすべて終え、閉会してしまっています。

会食ののち、音楽の都の観光名所=バーボンストリートに出ることにしました。

それにしてもすごいにぎわいです。

バーボンストリートは既に観光地化していることもあって、街を歩いていてもロックばかり。

ニューオリンズといえば、ジャズのイメージがあったのですが、ジャズの店は後継者が少なくて、圧倒的に少数派なのだそうです。

とは言え、せっかく来たのだから本場のジャズクラブに行ってみたい、ということで連れて行っていただきました。

こちらのお店。

写真だとわかりづらいかもしれないのですが、最後の曲が近づいていたので、会場は座る場もないほどです。

前日に現地入りされた株式会社JMECの西村社長と。

BECK’S BEERを片手に、とりあえず無事につけたことに乾杯です。

夜も更けてきましたが、この通りの人出です。

街角には沢山の音楽。

この人たちはブライアン・アダムスを歌っていました。

それにしてもすごい活気ですね。通り全体がクラブ化しているような状態でしたよ。


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