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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

ニキビに適切な波長とは?

4つのモニターが見えますか? 手前にふたつ。奥にふたつ。

今回の学会は広い会場であったため、後部にもスライドが設置されていました。後方からもとても見やすかったです。

4日間で発表された演題は、実に400弱。

本当に

「年に一度の祭典」

といった趣になります。

演題は、それぞれ部門に分かれているのですが、その中で

「Best over all Basic Science Award」

を受賞した発表に、僕も大変興味を持ちました。

ハーバードメディカルスクールMGH(Massachusetts General Hospital)レーザー研究所である「ウェルマン光医学センター」に現在在籍している、日系ブラジル人の女医さん=フェルナンダ・サカモト医師の演題です。

彼女は、ロックス・アンダソンの“Selective Photo Thermolysis(選択的熱融解理論)”と予備実験により、皮脂腺に対する最も適切なレーザー波長をこの演題の中で予測しています。

そして、いまだ開発されていない波長=1700nm近辺のレーザーがそれに相当するのでは? という仮説を立てたのです。

1700nmに最も近いレーザー波長は、エルビウムグラスのフラクセルの波長=1550nmですが、これだとちょっと足りない。

しかしこの上になると、YSGGのパール=2790nmと一気に1000nm以上上がってしまいます。

1700nm前後の波長をもつレーザーというのは、ちょうど不在なのです。

こうした仮説を医師が立てるというのは、非常に斬新で、演題の組み立て方としても大変勉強になりました。

学会に夕方6時近くまで参加したあと、家路につく途中で床にこんな図が照らし出されていました。

さすが光の専門であるレーザー医学会。

ちょっと感動しました。


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