海外出張に行くと、現地のアンチエイジング事情・レーザー事情を、それとなくリサーチするようにしています。
非常に参考になりますし、国や文化によって美容やアンチエイジングに対する意識・それに使う方法論も異なるので、これがおもしろいのです。
価格設定や施術料の相場も当然異なります。
今回行ったシンガポールでの現地美容クリニックにおける施術料金は、日本の相場に対しおよそ1.5倍~2倍。たとえばレーザー・光治療で考えると、クリニックFで、CUTERA社のタイタンは照射に1回84,000円かかりますが、シンガポールでタイタンを打てば約1,500ドルかかるのが当たり前だそうです。レーザー脱毛の価格も、だいたいどのクリニックでも、日本の1.5倍から2倍近い価格設定がされています。
とは言ってもそこはやはり外国。日本的な細やかさや繊細さはあまりなく、施術もあっさり終わってしまうようなので、
「日本より高いお金を払って日本より雑なのであれば、一時帰国した際に日本で施術を受ける方がいいわ」
と、シンガポール在住の日本人の方で、東京での施術を希望される方は多いようです。
確かに日本の細やかさと繊細さを「当たり前」と思ってしまうと、それは国際基準からは遠く外れてしまうため、海外で暮らすと物足りない思いをされてしまうかもしれませんね。実際には海外が「当たり前」で日本が特殊だったりするんですけどね。
ただ、どちらの方が良いと言えないにしても、ベトナム人やタイ人であれば、教育の仕方によっては日本的な施術が可能かもしれない、と僕自身は思ったりするので、いつかなんらかの形で国際教育交流などができたらいいな、と思います。
さて、シンガポールの話に戻りますと、シンガポールはアンチエイジング医療・美容医療もアジアの中では先進国と言え、レーザー治療もablativeではなくnon-ablative治療が主流となっています。アメリカや日本とあまり変わらない機器での治療を受けることができる、と言えるでしょう。
国の面積に対してレーザークリニックの商圏(=マーケット)は大変広く、北はマレーシア、南はインドネシアまでとなっており、(クアラルンプールやジャカルタから一時間程度のフライトで移動できるのです)お金をもった華僑が皆海外からやってくると聞きました。
クリニックの数は、相応に増えてきているようですが、日本のように、価格競争にはなっていないですね。日本には、エステ市場という、レーザー美肌治療に対抗する特殊な市場があるから、価格競争も熾烈なのかもしれません。
諸外国の美容に携わる医師たちと話すと、日本で美容クリニックを開業し生き残っていくのは実にタフなことなのだな、と改めて実感しますよ。