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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

ニキビ跡の赤みを消す光治療機器 MaxG

今日も暑いですね。今日8月9日もクリニックFの診療日です。

ロシアブログが終わって一段落しましたので、先月クリニックFで購入したレーザー光治療器について話をしようと思います。

ここ数年進化したフラクショナルレーザー機器が登場したことにより、ニキビ跡の治療が大きく変化しました。

「フラクセル3DUAL」を頂点に、最近はDEKA社のSmartSideDOT2、シネロン社のCO2REなどの進化型フラクショナルCO2レーザー機器が出そろってきましたので、ニキビの肌の凸凹を平滑にする技術が非常に発達してきました。

しかしながら、赤みの残ったニキビ跡は色が目立つため、凹凸が目立たなくなっても治療効果の満足度でいけば、もう一段階、機器に進化があればと思っていたのです。

レーザー機器は、茶色いメラニン色素に反応する波長の検討が長く行われてきました。

日本人にとっても茶色いシミを取ることが、レーザー治療の目的の一つだったと思います。

赤い色(メトヘモグロビン)をレーザーで治療するのは、一つ厄介な点がありました。

それは施術ののちに必ず起こる、2週間程度の内出血(紫斑・パープラ)です。

赤を治療するためには、590nm近辺のパルスダイレーザー(PDL)か、532nmのKTPの波長が必要なのですが、この波長をヘモグロビンが破壊できるぐらい短いパルス幅で照射してしまうと、理論的には必ず紫斑が生じるのです。

過去、パルスダイレーザーやKTPに代わる波長の模索が行われてきたのですが、ここでレーザーの代わりに注目されてきたのがもう少しパルス幅が長いIPL(光)治療器です。

ここ数年で、特に注目されている機器が、米国パロマ社 スターラックス MaxG。

今年2011のテキサス州グレープヴァインで開催された米国レーザー医学会(ASLMS)で、ヘモグロビンの赤に効果があるレーザー機器が二つ話題に上がっていたことはこのブログにも書きましたよね。

一つは

IPLを光源に利用した米パロマ社 MaxG

もう一つは

KTPレーザーを光源に利用した米キュテラ社 エクセルV

でした。

熟慮の結果、僕はMaxGを購入することにしたのです。

米国皮膚科学会の重鎮で、僕が米国皮膚科学会に入るときに推薦状を書いてくれたEmil Tanghetti, MDは、特に顔面の毛細血管拡張症に関しては、パルスダイレーザーに比べてMaxGのほうが効果が高いと述べていますね。

I believe the StarLux 500 with the MaxG handpiece is just as good if not better than modern pulse dye lasers in the treatment of facial telangiectasia.

MaxGの特徴は、

DUALフィルターによりヘモグロビンと血管に集光しやすい光を選んでいること。

パルスダイレーザー(PDL)に比べて皮膚の深い部位にある血管にも均一に集光できること。

パルスダイレーザーに比べて、照射後の紫斑(内出血)がほとんど現れないこと。

浅く細い血管に対して効果のある500-700nmの波長と、深く太い血管に対して効果のある850-1000nmの波長を、レーザーのパワーとパルス幅を調整することでスペクトラルシフト調節できること。

ということでしょうか。

クリニックFでも、いよいよ赤みの強い患者さんに対して治療を開始しましたが、MaxGは、今年注目すべき機器ですね。


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