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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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Vinhy社 レーザーワークショップ

今回の会場は宿泊先の「NEW WORLD HOTEL SAIGON」というホテルでした。

観光地で有名な、ビンタン市場のすぐ横にあるホテルです。

会場は約100人が入るスペースでした。

ベトナムはレーザー医療が始まったばかり。

一つ目の講演では、ルビー、アレキサンドライト、Ndヤグの三つのQスイッチレーザーについて、レーザーの基本から話をしました。

中間の休み時間には、ドクターたちも興味深々といった感じで、質問も多く受けました。

皆熱心に聞き入っています。

二つめの講演はアファームマルチプレックスと、最近新しくデビューした2780nmのエルビウムヤグレーザーについて。

二つの講演が終わった後は、レーザーのワークショップです。話をしたレーザーの照射方法を教えます。

事前にもらっていた講演内容を、左横にいるDr.Tranの依頼で直前になって変えることになったのですが、今回も持ち込んだMac Book Airが大活躍しました。

このなかには今まで国内外で行った講演のプレゼンテーションがたくさん入っているのですよ。

そうそう。今回の二回の講演で、僕が行った英語の講演がとうとう30回を超えました。

「30回も海外で講演をした日本の医師は、他の医療分野を考えても多くはいないから、これからも実績をコツコツ積み重ねていきなさい。」

と、出発前にある先輩から励ましのお言葉を頂きました。

振り返れば、右も左もわからない若輩者の僕に、様々な国の関係者の方がこうしたチャンスを与えてくださり、たくさんの方に支えて頂いたからこそ到達した30回です。

講演を通して随分成長させていただきましたし、自分が進むべき道もその中で少しずつ見出しながら、一歩一歩土台を作り固めることが出来ているように感じています。

度胸も随分つきました。

初めての国で、外国ならではのハプニングが起きても、

「何が起きても、大丈夫。どうにかその場でプレゼンを時間内にまとめることができる」

という臨機応変さと応用力が確実につきましたし、また最初の方は言いたいことをただただ伝えるだけで精一杯だったのが、最近では

「どうやったらこれをもっとわかりやすく伝えることが出来るだろう」

「どうしたらこの時間を楽しんでもらえるだろう」

「どんなプレゼンを作れば、僕を招いてくれた方々の役に立てるだろうか」

ということを考えられる余裕が出てきました。

そして訪れた学会会場、その国々のクリニックで世界のアンチエイジング市場・レーザー市場が確実に変わり、拓けていくことをリアルタイムで感じながら、それらを日々の診療に生かすことができました。

これらはすべて関係者の皆様、ここまで支えてくださった皆様のお陰です。

本当にありがとうございます。心から感謝申し上げます。

継続こそ力なり

明日からは50回を目指してまた頑張りますので、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

 


再びベトナム ホーチミンへ

金曜日の夜飛行機に乗って、ベトナムにやってきました。

明日朝からホーチミンシティで開催される、Vinhy社主催のレーザーワークショップで講演を頼まれたのです。

昨年11月にこちらで講演をしていますから、ベトナムは2回目の訪問となります。

ホテルに到着したのは、こちらの時間で夜の12時過ぎ。日本時間では夜の2時をまわったところです。先ほど打ち合わせをして部屋に帰ってきました。

講演は二つ。

一つはシミをとるために作られた「Qスイッチアレキサンドライトレーザー」について。
Qスイッチレーザーの中でも、特にルビー、アレキサンドライト、Nd:YAGの違いについて講演してほしいのだとか。難しい内容ですが、がんばってプレゼンを作りました。

もう一つはフラクショナルレーザーの総論です。

クリニックFでは、フラクセル、アファーム、フラクセル2、アファームマルチプレックス、モザイクの5つのフラクショナルレーザーを使用してきましたが、それぞれ一長一短の特徴があり、それらを総論として述べるのです。

ベトナムではレーザー治療が始まったばかりですが、中には一日中患者さんでいっぱいのレーザークリニックもあり、ドクターも興味津々だそうで、明日も100人近いドクターが集まるそうです。これはベトナムにしてはすごい数らしいです。

あと6時間で講演が始まります。また後ほどブログで報告しますね。


甲状腺の病気

先日は内分泌系とホルモンについて書いてみましたが、実はクリニックFに美肌治療でおいでになる患者さんの肌を見て

「? これは甲状腺機能が正しく機能していないのでは?」

と思うときがあります。

甲状腺は体内の代謝に深く関わっているので、たとえば甲状腺ホルモンが低下してしまうと、肌の「ターンオーバー機能」が低下します。肌のターンオーバーがうまくいかないと、レーザー治療を行っても、たとえばシミが落ちにくいとか、肌のハリが出てこないといった、治療計画で当初想定していた効果を得られないことがあるのです。

また、診察の段階で皮膚の色や質感を見て、「これはちょっと疑ってみた方がよいかもしれない」と思うこともあります。

その場合は率直に

「これは、ひょっとすると甲状腺疾患の疑いがあるかもしれないので、一度専門の病院で精密検査をした方がいいかもしれませんよ」

と患者さんにお伝えしています。

そんなことを今まで医師から指摘されたことも、自分で疑いを持ったこともない患者さんは、それを聞いてびっくりし、「甲状腺」という言葉に動揺もされます。けれど、僕からの指摘を受け、しかるべき病院で検査を行ったところ、甲状腺機能亢進症や低下症はもちろん、甲状腺のガンが見つかって手術になったケースもありました。

早い段階で手術ができたので大事には至りませんでしたが、もしあのときちょっと気になってその話をせずに、大事な患者さんの生命に関わることがあったら・・・と思うと、ぞっとしますよね。

ホルモンの中でも甲状腺の病気の怖さは、その機能が不全でも、

「最近なんだかちょっとだるいことが多いけど、これは歳のせいかも」

とか考えてしまい、自分が病気かもしれないことを疑いもせずに過ごしている方が、実は結構多いのでは? ということではないでしょうか。

また、こうした病気がわかるたびに思うことは、

「皮膚とはいかに雄弁であることか」

ということです。

人間の最も大きな臓器器官であり、心身の状態を鏡のように映し出す皮膚。

皮膚の健やかさ、若々しさを保つことは心身の健康を維持することにつながるのです。


内分泌系とは?

アンチエイジングに関わる病院で、必ずテーマのひとつとして挙がるのが、内分泌系の機能向上です。

「ホルモン」は耳慣れた言葉ですが、「内分泌系」については、あまりよくわからない方もいるかもしれませんね。

今日はこの「内分泌」について、書いてみましょう。

私達の体の中では、種々の作用を持つ物質がうまく調和して全身の臓器に作用し、人間の生命を維持し、生体のホメオスタシスつまり恒常性( 正常な機能を維持する仕組み)や正常な代謝機能を保っています。

これらの、正常な機能を保つのに必要な体の機構が「内分泌代謝機能」と言います。

そして、この内分泌代謝作用を示す物質を「ホルモン」と呼ぶのです。

ホルモンは体内の臓器で作られる物質で、タンパク質を作るアミノ酸が数百個繋がってできているペプチドホルモンや、ステロイド骨格を持つホルモンなどがあり、血流を通じて標的臓器に伝達されます。

ホルモンの量が十分になると、下部組織からホルモンを抑制する物質がでますし(ネガティブフィードバック)、反対にホルモンが足りないと下部組織からホルモンを刺激する物質が出て(ポジティブフィードバック)生体が維持できるように制御しているのです。

ホルモンを作って分泌する臓器を「内分泌臓器」と呼びますが、これには視床下部、脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、 膵臓、副腎、卵巣、精巣、心臓、肝臓、腎臓などの多くの臓器があります。

これらが複雑に機能し合って、体内の血圧や血糖、電解質を一定にするとか、こどもの成長に関わるとか、生殖機能を維持し糖や脂肪の代謝に関わるなど、体内の調節を行っているのです。

医学の進歩の中では、それまで「この臓器はホルモンを分泌していない」と考えられていた臓器が、実は内分泌臓器であることが発見される・・・ということも起きてきました。

例えば近年では、脂肪(あぶら) を貯蔵するだけの機能しかないと思われていた脂肪組織が、実はホルモンを作り分泌する内分泌臓器の仲間だったことがわかって来ました。

ホルモンを作る内分泌臓器の障害により、ホルモン分泌の異常(増加又は低下)が起こった状態か、 またはそのホルモンが作用する対象臓器の異常(ホルモン受容体やホルモン情報の障害)により、ホルモン作用の異常が起こった状態を内分泌疾患と言います。

内分泌代謝疾患には当然、糖尿病や高脂血症、高血圧などが含まれますが、これまで原因不明の精神疾患(ノイローゼやうつ傾向など)として放置されてきた疾患なども、実は内分泌疾患が関わっていることもあり、内分泌代謝疾患を正確に診断し、治療することは非常に重要です。

内分泌疾患をいくつか例に挙げると

1.  視床下部・下垂体 ・・・ 脳内にあるいわば内分泌系の司令塔です。(小人症、先端巨大症、乳汁漏出症など)

2.  甲状腺 ・・・ 生体の代謝に関わります。(バセドウ病、甲状腺機能低下症など)

3.  副甲状腺 ・・・ 血中カルシウムの量をコントロールしています。(高カルシウム血症、骨粗しょう症など)

4.  膵臓 ・・・ 内分泌器官としては血糖をコントロールするホルモンであるインスリンやグルカゴンを作っています。(糖尿病など)

5.  副腎 ・・・ 体内の電解質を制御しています。(高血圧症、低血圧症など)

6.  卵巣・精巣 ・・・ 生殖機能に関わります。(インポテンツ、無月経、不妊など)

7.  心臓 ・・・ 血流量と心臓の収縮力を制御します。(心不全など)

8.  腎臓 ・・・ 赤血球を作るホルモンを作ります。(貧血など)

9.  脂肪組織 ・・・ 最近わかってきた内分泌器官です。 (肥満症、高脂血症など)

こうしてずらっと挙げてみると、ホルモンの多寡によって、病気も発生するということがわかっていただけるのではないでしょうか?


Dr.フェルナンデスとの再会

日曜日は、朝5時半に家を出て羽田空港に向かいました。

大阪で行われた日本美容皮膚科学会に日帰りで参加してきたのです。

一つの目的は、Dr.フェルナンデスとの再会でした。

医薬化粧品であるエンビロンの創始者として講演をするために来日されたのです。

ケープタウンでDr.フェルナンデスとディスカッションしてからもうずいぶん時間が経ったように感じていましたが、あれは7月のことだったので、まだ2ヶ月余りしか経っていませんでした。

今年は時間の流れが速いような遅いような(苦笑)。

講演の内容は、肌を維持するためには三種のビタミン、つまりビタミンA・ビタミンC・ビタミンEがきわめて大切である。

パルミチン酸レチノール(ビタミンA前駆体)を肌に使用し続けると、紫外線に当たりダメージを受けた肌を再生できる。

紫外線によって老化した肌に対しても、効果的である。

・・・といった「今となっては」基本的な話でしたが、紫外線の強い南アフリカで医学の研究をして、紫外線の害にいち早く着目した彼がこの理論を提案し、それによってこの日本でも今のように常識化・一般化したとも言えるのです。

Dr.F

講演の後、挨拶に行きました。

挨拶もそこそこに

「スククーザ国立公園(ケープタウンの後に、僕が訪れると伝えていたのです。)はどうだった?」

と聞かれたので、

「素晴らしくて、興奮して、カメラのメモリがいっぱいになるまで写真を撮ってしまいました。」

と答え、そのあとは南アフリカ談義や抗酸化剤の話題などに花が咲きました。

別れ際

「わざわざ東京から来てくれてありがとう。」

なんて言われたので、

「ケープタウンから来てくれた先生に比べたら、東京なんてすぐですよ!」と言ったのですが、本当に日本贔屓なナイスガイですね。

スケジュールが大変だったのですが、大阪まで会いに行ってきてよかったです。

 


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