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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:欧州 スペイン編

マドリッドに到着しました。シエスタの国で

大晦日の診療を終え、そのまま深夜の羽田空港から飛行機に乗ってスペインにやってきました。

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スペインに来るのは何年ぶりになるでしょうか?

出張ですが、合間の日程でグラナダのアルハンブラ宮殿に立ち寄り、またバルセロナではサグラダ・ファミリアを始めとしたガウディによる傑作の数々を今一度この目で見るため、別で時間を確保しています。

思えばここスペインは「シエスタ」と呼ばれる午睡の習慣で知られる国でもあります。

一般的に人間の体内時計=サーカディアンリズムは、午前中は上昇、正午頃が最も高く、午後2~3時頃にかけて活性が低下すると言われています。

その後、午後4時過ぎに再び上昇に転じて数時間活性化した後、就寝時間に向けて再び低下、就寝中の深夜2~3時に最低となるとされているのです。

そのため、心身の活性が低い午後の2~3時を睡眠時間にあてること=シエスタは合理的と言えるわけです。

 

そもそも1900年頃まで、ヒトの睡眠サイクルは太陽が沈んでからまず4~5時間の睡眠をとり、日中に二度目の睡眠をとるというものであったと言われています。

20世紀に入り8時間労働制が各国で敷かれるようになったことで、この二度に分ける睡眠習慣は徐々に廃れてしまったわけですが、サー・ウィンストン・チャーチルやスティーブ・ジョブスなどは睡眠を二分割していたことで有名です。

 

ところがEU統合の際このシエスタの習慣に反発したドイツを始めとする北欧諸国からの影響により、2006年にはこのスペインでも公務員のシエスタが廃止されてしまいます。その後2011年状況が一転、ドイツ労組によるシエスタ導入への積極的な意思表明もあり、強い労働倫理で知られるドイツにおいてストレスを軽減し、健康維持を図り、労働効率を上げるためにシエスタ制度をもう一度見直そうという画期的な動きがニュースで流れました。

100年の時を経てヒトと眠りの関係をもう一度見直そうという時代に今入っているのかもしれません。


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