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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:経営学

アンチエイジングをビジネスにする

医療ビジネスに関する講演のお話を頂きました。

今回頂いた講演の御依頼は、医師ではなくアンチエイジングビジネスに御興味をもたれている企業経営者の方々を対象としたものだそうです。

来月ということで、また少しずつ今から準備を始めています。

毎月のように講演があると、

「もう講演には慣れているのだから、準備は特にいらないのでは?」

と言われることも多いのですが、毎回違った方々の前でお話をさせていただくと、

「次回はこんな話を新しくしてみよう」

と、準備はやはりひとつひとつ必要です。直近の経験談も盛り込んで、等身大の話ができればと思っています。

講演もトライアル&エラー。自分の「スタイル」を確立するまでには、時間も経験も必要ですね。

医療の現場では保険診療を捨て、予防医療を主体とした自由診療へとシフトチェンジする欧米型の医師が、確実に増えつつあります。

この「シフトチェンジ」には、今までの日本にはなかった新たなマーケットの開拓と確立が最重要課題であり、ここにビジネスチャンスを見出す企業家も多いということでしょう。

メディアでも取り上げられている医院の株式会社化は、その成功の鍵を握るひとつの重要なファクターですので、そのメリットとデメリット、課題、実現性などについて、今回はお話をさせて頂こうと思っています。

以前にも書きましたが、医師とビジネスマン、経営者とは、そのメンタリティや仕事への向き合い方に置いて、お互いの目線が異なることがままあります。これを理解せず、マーケットの設定もお互いに異なったまま、表層だけ

「理解しあってるつもり」

になってビジネスを始めてしまうと、確実に失敗してしまいます。

言ってみれば今までは日本の政策・法律の下、ほとんど交わらずに済んできた「超理系」と「超文系」が、これから初めてタッグを組むことを考えているわけです。

医学部以外の理系学部を出た人材は、文系学部を出た人材が長を勤めるメーカーや企業に就職する「文化」がありますが、医学部を出た後企業に勤める文化は、この日本では今までほとんどなかった。

医学部を出た後はそのまま「病院」という企業とは異なる「団体」で一生を全うすることが当たり前だった。

これは、スポーツ選手にすこし似ていると言って良いでしょう。幼少の頃からずっと野球やサッカーをやってきて、そのまま運動部に所属し、プロになる。企業ではなく「チーム」に所属する。ロイヤリティは企業ではなくチームに対して持っている。

医師とスポーツ選手との違いは、スポーツ選手はそれを職業にし、人に勝り試合に勝てなければ「食べていけない」と小さい頃から教えられ、また肉体と年齢の限界が来ればそのスポーツはできなくなると、学生の頃から知っている。そのスポーツが出来なくなったときのことを考える日を、うっすらと予想しながら日々過ごしている。

しかし、医者の場合、この日本では医師免許を取得できれば「食べていける」ことがかつての常識だったのです。スポーツ選手より“現役”としての寿命は圧倒的に長く、まさかこんな時代が来たときの準備を教えてくれる人はいなかった

こうした背景を踏まえて、僕もアンチエイジング医療界ではちょっと珍しい?MBAホルダーとして、医療界と経済界をうまく繋ぐことができるような話ができればよいなと思います。

お題は

「欧米のアンチエイジング医療の現状と、アンチエイジングビジネスに対する株式会社参入のメリットとデメリット」

です。

また終わったらご報告させていただきます。


ドクター・スタッフ向け研修

今週はあるクリニックのドクターから御依頼を受け、スタッフ研修をクリニックFで行いました。

すでに保険診療のクリニックを開業されているのですが、別のフロアに美容皮膚科を設けられるにあたって院内の見学方々接遇や技術研修を行ってもらえないか、ということなのです。

最近クリニック経営に関わる御相談とは別に、こうした現場のオペレーションに関連する御相談を受けることが増えています。

確かに保険診療と全く「常識」が異なるこの世界では、初めて開業されるときに保険診療のクリニックでは想定しきれなかった事態やトラブルに悩むことも多いので、先人に頼ることで早道を抜けていくことが出来ます。

僕のクリニックでは問診表ひとつ同意書ひとつとっても試行錯誤を重ねてきた結果

「これで行こう」

と決めたものばかりなので、こうしたものについてお話しするだけでも大変喜ばれるのですよね。

長年培ったノウハウをもとに、作成してきたクリニックF 「受付・接遇マニュアル」はこんなに厚みが出てきました。このテキストを使用して、研修を行ったのです。

クリニックの休診日を使って昼から夕方まで6時間ほどかけて行った今回の研修では、顧客管理の仕方や売上管理についてお話させて頂いたり、患者さんの迎え方、話の仕方、クレンジングやマッサージのテクニック・・・など、短い時間に通常だと3~4日かけて行う内容をぎっしり詰め込んで密度の高いものができたのではないかと思っています。

自分が今まで苦労して築いてきたノウハウが、こうして他のドクターのクリニックで役立つのはとても光栄なことです。

今後もぜひ行っていきたいライフワークのひとつですね。


医療従事者のための経営管理学入門

エジプトのブログが先に上がってしまったので順番が変わってしまいましたが、2月27日には日本を代表するレーザー輸入会社である「JMEC」主催の医療経営学セミナーの講師に呼んで頂き、お話をさせて頂きました。

ようやく「医療崩壊」という言葉がマスコミをにぎわすようになりましたが、今の開業医の経営状態は非常に厳しいものです。

建物の減価償却などを考えると、8割近くが赤字経営かもしれません。

ましてや新規のクリニックを設立し、経営にのせてゆくというのは大変ハードルが高い時代となりつつあります。

保険診療をベースに病院経営を行う時代はもう長くないのかもしれません。

僕がMBAを取得するときに提出した論文で、選んだ題目は、

「日本の保険診療下における医療機関の法人形態の転換―医療機関の株式会社化を含む病院経営の強化策について―」

でした。

このままの状態で通常の医療機関が経営を続けると、財政難により、本来の目的である「医療の質」までもが落ちてしまう可能性がある。そのために、レーザーなどの自費診療の機器を導入することで経営効率の改善を図る必要がある。

こういった機器を保険診療をベースとしたクリニックに導入することは、ただ金儲けするのではなく、「利益を得ることでより質の高い医療を患者さんに還元する」ことにつながるのです。

JMECの講演では、いかに短期間で売上の安定させ、より良い医療に専念できる環境を作っていくのか、そのコツを経験談を入れながらお話しさせていただきました。

僕のような若輩者にこうしたチャンスを与えて頂き大変光栄に思うと共に、これから開業を目指す方、もっと言えばこれから医師を目指す学生たちに、日本で医師として生き残っていくためのノウハウのひとつのヒントに僕の話がすこしでもなれば、大変嬉しく思います。


越野寒梅の焼酎?

毎週水曜日、クリニックFはお休みを頂いています。

僕はMBAを生かして、上場企業を含めたいくつかの企業に、医療器機開発のコンサルティングを勤めさせて頂いているのですが、水曜日はそのコンサルの日にあてています。

これがとても勉強になるのです。

医者と企業経営者というのは、相性が悪い場合も多いとよく聞きます。これはお互いに考え方の違いが根底にあり、時に双方の利益が真っ向からぶつかることもあるからでしょう。

では、企業にとっての利益と医者にとっての利益の違いはどこにあるのか?

一般の営利法人にとって“利益”とは、乱暴な言い方を承知で敢えて言わせて頂けば、

それは「カネ」に尽きる、

ということが言えます。

よく言われる企業にとって大切な

“ヒト”、

“モノ”、

“情報”

は、

なぜ大切か?と言えば、それは基本的にカネを稼ぐ為に大切である、と考えられているわけです。

これは、カネを稼がなければ営利法人は存続ができないし、また大きくなることも容易でない、ということが言えるからでしょう。

高尚な理念や哲学を掲げ、社会的意義を持つモノ作りをする経営者がたとえいても、この経営者が“カネ”という利益をあげることが出来ない限り、営利法人である企業の経営者として「成功」は出来ません。

企業で新しいものを発想するときに、コストがいくらかかってその上でいくら稼げるのか、という議論は必要不可欠です。

対して、

医療法人の場合は、利益=カネではなく“医療の質”を上げることである、と考えます。

“ヒト”、“モノ”、“情報”が大切なのは医療法人でも一緒ですが、目的が異なるわけです。これらが大切な理由・目的は“カネ”でなく“医療の質向上”であると考える。

もちろん医者及び病院も存続していく上で“カネ”は欠かすことができません。けれどこの日本では、国がこれまで取ってきた政策に基づき、医者は

「医療の質が向上すれば、カネは自然と後からついてくる」

と考えてしまう。

アメリカでは医師の資格を持った人が、多くの企業と素晴らしい仕事をしているのですが、日本では企業と組んだ医師が良い仕事をしているという話はあまり聞きません。

日本の医療機関に長いこと勤めてしまうと、企業が何を必要としているか、認識できなくなってしまうのかもしれませんね。けれど、これからの時代はこの日本でも、医者も今までと同じでは生き残っていけなくなることもまた事実なのです。

人の生命に関わる職人であり研究者であることを誇りに思い、カネの話を嫌う医者は依然多いですし、その気持ちは僕自身よくわかりますが、企業の考え方を知り、そこから学び仕事に生かしていく必要が、医者にも出てきたと言えるでしょう。

ところで、今回コンサルに伺ったある上場企業の社長さんから、とても珍しいお酒が手に入ったといわれ、こんな焼酎を頂きました。

よく見ると、なんと、越野寒梅の焼酎なのです。一般には流通していないのだそうです。

早速、氷を砕いてロックグラスに入れていただいたのですが、透き通った?素晴らしい味でしたよ。


クリニック経営 成功への道

今日は秋葉原に出来た新しい富士ソフト株式会社のビルで「ケースに学ぶ、美容クリニック成功への道」というセミナーの講師に呼んでいただき、講演してきました。

この講演会は日本を代表するレーザー輸入会社でもあるJMECの主催で行われたのですが、クリニックのマネジメントを主体にしたセミナーは美容クリニック部門では初めてのことなのではないでしょうか?

僕は講演の中で、これからのクリニック経営に対する考え方、導入すべき機器の選択方法、銀行に提出する事業計画書の作り方、理念やコンセプト、メニューをどう作っていくか、クリニックに導入すべき新しいWEB戦略・・・などなどについてお話させていただきました。

レーザーを使った美肌治療を主体とするこの業界が、今後より活気付いてくれば良いと思っています。


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