今週、とある銀座のテイラーにてシャツを、そしてマガリガワサーキット仕様の黒のstand21製のレーシングスーツをオーダーしてきました。
思えば、コロナ渦で服を買う事もなくなり、「音楽は名医」の指揮の際に、燕尾服をオーダーして以来、身体の採寸をしたのは、実に3年半ぶりでした。
若い頃剣道をしていたせいで、僕は昔からすこし右の腕が長かったので、採寸されるたびにそこを指摘されてきました。
そのため既製品だとどちらかの腕に長さを合わせると他方の手に合わないということが起きていたのですね。
しかし、今回驚いたのが、左右で違うはずだった腕の長さが「揃っていた」ことです。
また肩の高さ、首からの傾きや腰の位置も揃っていて、「こういう完璧に左右対称のお客様は記憶に残る限り3人しかいませんでした」と、寸法を担当して下さった店員さんに驚かれました。
まず一つ考えられたのが、年間20回は行っていた海外出張がほぼ3年間まったくなくなっていたこと。国際線は筋肉は固まるし、姿勢はきついしで、体のバランスを壊しますよね。
さらに、ここ数年ゴルフをメインスポーツにしてきたのですが、どうしてもこのスポーツは身体を均等に使うのが難しく、練習に初めに必ず左スイングをしてみたり、その左右差解消のためにエムスカルプトや、パーソナルトレーニングを定期的に行って体幹や臀部を鍛えてきたのが良かったのかもしれません。
腰が整って体をうまく動かせるようになってきた気がします。
左右対称の美もありますが、左右非対称の美もあります。
女優さんなどの、いわゆる誰もが認める典型的な美しい顔を見ていても、左右差は必ずあります。
科学的に検証すると、鏡などでつくった完全に対称な顔を見せられた場合と、少し左右差がある顔を見せられた場合、左右差があった方が好感度が上がると結論した論文もありました。
左右が揃いすぎていると、どこか人工的に非生物的に、みえてしまうのでしょうね。
人間の美というのは、左右対称を目指しながらも、結局はわずかな左右非対称に美があり、人生があり、実があるのだと思います。
目指す過程や道のりに幸せもあるのでしょう。
しかし健康はどうでしょう?
日本人の多くが、腰痛や頸部痛、肩こりなど、体の左右バランスの悪さからくる不定愁訴を持っています。腕の良い整体師さんなどが身近にいればよいのですが、この出会いも、なかなか難しいですよね。
以前にも書きましたが、臓器の配置を考えれば人間の身体は左右対称にはなり得ません。
人間の体の中は、まったくもって左右非対称なのです。
例えば、充実臓器である肝臓のある右が重いので、必ず少し下がるようにできています。それに伴って、左右の腎臓の高さも違います。
それをそのまま過ごすのか、それとも意識して重たい右を持ち上げるようにして左右対称を目指しながら過ごす方法を会得するのかというのは、若い時はともかくある程度加齢してからは非常に難しいものです。
定期的な運動で筋肉をつける。
姿勢を整えるように留意する、ストレッチなどの習慣をつけることで、対処できるので、まず自分に合った対処法を、決めておくのが良いのだと思いますよ。