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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

日本美容外科学会ブースで見つけた面白いもの

おはようございます。10月5日今日もクリニックFの開院日です。

昨日の快晴に対して今日は雨。

しかも寒くなって来ましたね。

さて、先週訪れた博多の美容外科学会。これが最後のブログです。

明日からは2011年レーザー機器総括の続きをご報告しますね。

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今回、展示企業のブースにあまりいけなかったのですが、その中でも興味深かったのがこれ。

名古屋のSantecという会社の作った機器です。

何だと思いますか?

これは以前のブログにも書いた覚えがあるのですが、レーザー光を使用して超音波エコーやCTスキャンの様に、継時的に観察することができるOCT(Optical Coherence Tomography) という技術を、皮下に応用した診断機器です。

1300nm前後のレーザー光を利用したもので、僕の手をスキャンしていますが痛みも何もありません。

驚くべきはこの解像度で、皮膚の汗腺の観察ができるほど優れています。

臨床利用可能なレベルとしては、この機器ですと5ミクロンぐらいではないでしょうか?

1300nmの光を利用する方式ですと、二点を判別する分離能力はおそらく0.5ミクロン(500ナノ)メーターぐらいが限界だと思います。

面白いので、CO2フラクショナルレーザーを照射して直後、この機器を使ってみました。

照射して蒸散された表皮が見られます。

蒸散された皮膚が空胞化しているので、その下の部位がシャドウになっています。

照射径の測定値は理論通りでしたよ。

これをCTと同じ技術で三次元化するとこのようになります。

色素斑やがん細胞など、正常細胞と違った組織の深達度が見えるようになると格段に便利になりますが、現状の状態でもフラクショナルレーザーが、皮下深い部位まで均一に照射されていることがわかります。

治療機器の世界では、こうしたより高度な診断装置が開発されると、機器開発も同時に進化します。

以前、レーザー治療をより一段進めるのは、レーザーによる診断能力を治療機器に組み合わせた場合であろうと、このブログでも書いたことがあるのですが、こうしたことがより身近になりそうですね。

表皮のメラニンへのレーザー照射直後の肌の経時的変化など、より高いレヴェルの診断が、この機器で可能になるといいですよね。

今後の機器開発が、楽しみです。


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