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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:欧州 オーストリア編

モーツァルト・エフェクト

ところで、今回ルーマニアから帰国の際、トランジットしたオーストリア空港で、「お宝」を見つけてしまいました。

それはこのCD集。モーツアルトの作曲した全曲が入っているものです。

2006年のモーツァルト生誕250周年を記念して作られたらしいのですが、売店の隅にひとつだけ売れ残っていたのです。

CD全170枚。収録時間10219分という、超大作。

写真で見てわかりますか? CDの一枚一枚は、プラスチックの入れ物ではなく、薄い紙で 包まれています。全部収まると、このように虹色になっていて、眺めているだけで嬉しくなります。

こういうところがヨーロッパの製品は美しいですよね。

以前にも書きましたが、クリニックFではBGMを有線ではなくてi-Tunesにしているので、帰国後スタッフで手分けして、全CDをi-Tunesに入れました。

入れるのに2週間ばかりかかったでしょうか…。

おかげで今はずっとモーツァルトが院内でかかっています。「モーツァルト・エフェクト」という言葉がありますが、クリニックの雰囲気も心なしか変わったような・・・。ワーグナーやラフマニノフ、ショパンが流れるよりは、やはり明るく穏やかでしょうか。

このような全曲盤としては珍しく、素晴らしい演奏家が揃っていることも嬉しいポイントで、しばらく楽しめそうです。

僕は250ユーロぐらいで買いましたが、アマゾンの方が安く買えるんですね。限定版で、数の限りがあるそうですが、これはお買い得ですよ。


憧れのウィーン

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オーストリアの首都、音楽の都ウィーンは一度訪問したい憧れの土地でした。 シェーンブルン宮殿などのハプスブルグ王朝にまつわる古い建物がある一方で、

 

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EADV(ヨーロッパ皮膚科泌尿器科学会)のような大きな医学学会のできる様な近代的なコンベンションセンターも新旧の街並みがあるのです。

 

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今回は滞在が40時間とほとんど自由時間がなかったにも関わらず、どうしても訪問したかった樂友協会の大ホールに夜中に見学に行ってきました。

 

大ホールといっても別名ゴールデンホールという名前なのですが、このホールの名前に聞き覚えのある人はいませんか?

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そう。ウイーンフィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートを開催するあの場所なのです。テレビでご覧になったことがある方もいるかもしれません。年始にヨハンシュトラウス一家の作曲したワルツやポルカなどが演奏され、世界中に中継されるあのコンサート会場なのです。いちクラシックファンとして、思わずうれしくてにやついてしまいましたよ。日本では2002年の小沢征爾の指揮のものが有名だと思いますが、89年91年のカルロスクライバーの演奏も素晴らしかったです。僕は昔DVDを見つけた瞬間に購入してしまいました。

 

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この日は観光客向けの小さな演奏会がありました。モーツアルトを中心に、ウイーンにゆかりのある曲を演奏してくれたのですが、最後の曲はお約束のラデッキー行進曲。もちろんニューイヤーコンサートをまねて、皆で手拍子しました。明日は早朝に空港に行き、日本に帰らなければなりません。


ウィーンでのEADV ヨーロッパ皮膚科学会

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ウィーンで行われた、ヨーロッパ皮膚科学会に参加してきました。花の都ウイーンは、クラシック好きな僕にとっては夢のような場所で、一度訪問したい街の一つでした。今回は滞在時間が40時間台という、超ハードな移動でしたが、クリニックの開業前に、今年度のレーザーのトレンドをつかむことができたように思います。

 

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皮膚科学会のレーザー部門では、いくつも面白いレーザーが発表されていました。やはり山となるのはフラクショナルレーザー部門です。フラクショナルなレーザーは、ミニマムアブレイティブな施術と言われて、日本にはまだあまりなじみがないようですが、実際に効果を出すためには一日二日間、肌が赤くなる程度エネルギーを入れるほうが当然効果的となります。この市場は今後より広がると思います。個人的にはとても楽しみにしています。

 

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まずはフラクショナルレーザーの雄であるフラクセルⅡ。これはついにローラーを使用した青い染料をぬらなくてもよいタイプをデビューさせました。写真を見ると、ローラーがついているのがわかります。フラクセルⅡとなって、照射部位や、照射したい深さに合わせて、より細かい設定ができるようになっていたため、機種の能力としては素晴らしいものでした。ネックとなっていた青い染料がなくなることで、使用感もよくなります。

 

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対するアファームを擁する米国Cynosure社は、いよいよアファーム・マルチプレックスという機器をデビューさせました。

Cynosure社は全く違う波長のレーザーをマイクロ秒単位でほとんど同時に発射するマルチプレックスという技術を持っています。

アファームマルチプレックスは、今までの1440nmのアファームの波長に加えて、1320nmの赤外線をほとんどタイムラグ無しに照射する方法なのです。1320nmの波長はリフティング効果があるため、アファームマルチプレックスでは、肌のテクスチャーの入れ替えと、たるみをとるという二つのことが短時間にできるということなのです。

 

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この機種はクリニックFにも導入することが決定しており、現在輸入待ちですが、いわゆるたるみをとるタイタンというCUTERAの機械に、フラクセルⅠがついたような感じでしょうか?期待度の高い機械です。

フラクショナルで驚いたのはオーロラで有名なシネロン社がフラクショナルなポラリスをリリースしたというもの。ポラリスの光をフラクショナル(とはいっても6分割ですが)で打ち出すことで、深くまで浸透させるというものです。使ってみないとわからないのですが、効果はどうなんでしょうか???

どの社もフラクショナル一色でいるところを一社だけ、フルリサーフェシング(肌を入れ替える)機械を発表している会社がありました。CUTERA社です。

 

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この機械は3月に行われたアメリカ皮膚科学会(AAD)で発表されていたのですが、YSGG(イットリウムースカンディウムーガリウムーガーネット)という2.79マイクロメータの、肌に照射するレーザーとしては新しい波長を使用した、PEARLという機器なのです。

この機器は水に吸収されるタイプの蒸散系のレーザーの一つですが、薄くしか削れない、エルビウムヤグ(サイトンというレーザーが有名です)レーザーと深く削れるが、創面が炭化してしまう炭酸ガスレーザーのちょうど中間ぐらいの性質を持ちます。

おそらく白人種の肌の凸凹、毛穴や、色素沈着の改善にはジャストミートする機種だと思います。日本人だとどうでしょうか?使いこなすことができれば、ほぼすべての疾患に対して利用できるので、素晴らしい効果が望めますが、色素沈着などの問題を起こさないように、使用には注意が必要だと思います。実際に使用するのが楽しみです。


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