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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:ニキビ跡

プラズマ治療機器「ネオジェンスパ」の講演座長

2月28日、パシフィックセンチュリープレイス丸の内17階にて、プラズマ治療機器である「ネオジェンスパ」の講演座長をさせていただくことになりました。

自費研

プラズマの名前がつく治療機器は数多くありますが、エネルギーベースの美容医療機器としての性能 に加えて プラズマ洗浄 および プラズマ殺菌の効果が加えた事が、どういった生体効果につながるか、医学工学の観点から考察してゆきたいと思います。

自費研_2

“~自費研ハンズオン~プラズマ医療で集患力アップ!最新のエビデンスとアジアンスキンでの知見”


The Aesthetic Industry Award 2016 フェイシャル機器の1位は

前回に引き続きThe Aesthetic Industry Award 2016の話題です。

痩身機器に続いてフェイシャル機器の1位は、各種部門ごとに選出されました。

 

フェイシャル_1

まずは、「マルチユースエナジー機器」部門でクリニックFでも大人気のスマイルリフト「フォトナ社のDynamis Pro」が選出。

こちらは今年一押しの機器でしたね。

フェイシャル_2

 

 

同様に「ベストフラクショナルレーザー」部門では「ソルタメディカル社のフラクセル3DUAL」が

フェイシャル_4

「ベストピコレーザー」部門ではシネロンキャンデラ社の「ピコウェイ」

フェイシャル_3

「脱毛」部門ではアルマレーザー社の「ソプラノアイス」が選出されました。

検討中のピコレーザーを除き今回すべてのアワード機種が、僕も選びグループ内で購入した機器でした。

レーザー機器に関して自分の見る目やバイヤーとしての勘は、今年も間違ってなかった・・・!と嬉しかったですね。


イスラエルのDr.Tal Nachlieli

2時間あまりのエキスパートセッションでは、イスラエルのDr.Tal Nachlieliの司会でアクネスカー、肝斑、肌の若返り、色素斑、痩身、脱毛、膣縮小のトピックにおいて治療法をディスカッションし、最適パラメータをシェアしました。

イスラエル

これは勉強になりました。


ニキビ跡治療 クリニックFメソッド 近赤外線の肌への功罪

クリニックFのニキビ跡治療は、過去の治療経験より、3段階の行程を経て行います。

1)皮下のコラーゲンとエラスチンを増生させ、真皮のハリを持たせる。皮膚の健康状態を正常に戻し、耐性を作り、その後のレーザー治療が効果を出せる皮膚を作る。

2)その上で適切なパワー設定・照射方法を算定したフラクショナルレーザーを用いて、肌の上に出来てしまった凹凸を整え平らにする。

3)レーザーアシストによるドラッグデリバリーで肌の中に薬剤を導入し、仕上げを行う。これにより皮膚に適切な保水能力やバリア機能が戻り、ニキビなどの皮膚トラブルが将来的にできにくい皮膚を作る。

この3ステップを僕と一緒に真面目に取り組んでくださった患者さんの皮膚は、男性であっても女性であっても、お若い方であってもある程度年齢を経た方であっても、見違えるようになります。

皆さん、本当に喜んでくださいます。

特に1)に当たる施術を、クリニックFでは、「肌の基礎工事」と呼んでおり、その後の治療結果に大きな影響を及ぼします。

 

今日のブログでは1)について少し触れたいと思います。

近赤外線領域のレーザーや光治療機器を、皮膚のなるべく広い範囲に照射して、コラーゲンとエラスチンを増加させることで、肌の予備能力を上げるのですが、これには多くの根拠論文があります。

近赤外線を特殊な条件で照射することで、真皮を加熱、皮膚を即時に引き締め、コラーゲンの再合成を高めることが可能になったのです。

○Goldberg DJ.: New collagen formation after dermal remodeling with an intense pulsed light source, J Cutan Laser Ther, 2: 59–61, 2000.

○Ross EV, Sajben FP, Hsia J.: Non-ablative skin remodeling: selective dermal heating with a mid-infrared laser and contact cooling combination, Lasers Surg Med, 26: 186–195, 2000.

○Bitter PH. Noninvasive rejuvenation of photodamaged skin using serial, full-face intense pulsed light treatments, Dermatol Surg, 26 :835–843, 2000.

○Zelickson B, Ross V, Kist D, et al.: Ultrastructural effects of an
infrared handpiece on forehead and abdominal skin, Dermatol Surg, 32:
897–901, 2006.

○Chan HH, Yu CS, Shek S, et al.: A prospective, split face,
single-blinded study looking at the use of an infrared device with
contact cooling in the treatment of skin laxity in Asians, Lasers Surg
Med, 40: 146-152, 2008.

○Tanaka Y, Matsuo K, Yuzuriha S.: Long-term evaluation of collagen and elastin following infrared (1100 to 1800 nm) irradiation, J Drugs in Dermatol, 8: 708-712, 2009

○Tanaka Y, Matsuo K, Yuzuriha S, et al.: Differential long-term stimulation of type I versus type III collagen after infrared irradiation, Dermatol Surg, 35: 1099-1104, 2009.

ほんの数年前まで、太陽光に対して肌を守るためには、紫外線対策のみがなされてきました。

SPFやPAなどの紫外線を遮断するための指標が生まれたのは、紫外線によって皮下の細胞のDNAを守るためにメラニンが増えるので、美的にも注目された背景があります。

しかしながら、太陽光に含まれる紫外線は、太陽光の熱エネルギーのわずか10%以下。

それに対して、紫外線以外の光線の、太陽光の熱エネルギーに占める比率は、可視光線が約40%、近赤外線が約50%もあります。

近赤外線は、肌のヘモグロビンや水に吸収されるため、血管が拡張し、日光過敏症などの症状を引き起こしますが、近赤外線の肌への効能がわかってきたのは、ここ数年のことで、こちらの日本語の専門資料はほとんどない状況にあります。

皮下に特殊な条件下で強力な近赤外線を照射すると、反応性にコラーゲンやエラスチンが増加し、若返るのは、いわば生体の近赤外線に対する防御反応の一つなのです。


ニキビ跡の治療 面の治療

Alma Lasers社から頂いた写真。ニキビ跡の治療にレーザーを使用したビフォー・アフターです。

とてもわかりやすく改善している様子が見てとれますね。

ニキビ跡や肝斑、たるみといった、皮膚上ある一定範囲の「面」に起きている酸化や糖化によって起きたトラブルを改善するのに、レーザーと言うデバイスは非常に大きな力を発揮します。

また、クリニックFでもこうした面の状態を底上げし、3年前、5年前、時には10年前に時計の針を戻すという治療を得意としています。

しかしながら、こうした面に対する治療ではなく、点や線に対してのみ働きかける治療をご希望される患者さんもおいでになるかと思います。

具体的には、ニキビ跡も含め、皮膚上で認識できるこのピンポイントのみを改善したいと望まれる方や、傷痕の治療、ほくろや、ある一点のみのシミの治療だけをご希望される方のケースです。

僕自身のポリシーとしては、こうした点や線を改善、解消するためだとしても、まず面の部分の底上げや地ならしを十二分に行った上で線や点にアプローチするほうが、結果長い目で見たときに綺麗な状態を保つことができますので、患者さんにとっても良い場合が多いように思います。

たいていの場合、問題となる点や線の周辺もダメージを受けていたり、酸化や糖化が進んでいる場合が多いからです。

医師によって考え方はそれぞれですので、僕のような考え方ではなく、その点、その線のみだけを切り取る、打ち抜く、という考え方で治療にあたる医師も多くいます。

ご自身の皮膚をどうされたいか、どういった医師のどういった理念の元治療を受けられたいかは、患者さんご自身が決められることです。

最近またレーザー治療への関心が高まっていることを感じます。様々なご質問も頂きますし、他院で起きた事故のご相談でご連絡を下さる患者さんも以前にも増して多くなっているように感じます。

主治医が信頼に足る医師であることはもちろん大事ですが、それとは別にご自身が求められている治療、結果を正確にご自身が把握し、その上で各院のリサーチをされてみると良いかもしれませんね。


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