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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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匂いでガンを見つける犬

嗅覚、つまりにおいを嗅ぐ能力というのは、原始脳しか持たない動物のにおいても存在する感覚で、味覚などに比べると格段に多くのレセプターが存在するのです。

嗅神経の受容体は20000以上、味覚の受容体が甘酸苦塩ぐらいしかないのと比較すると、その複雑さがわかりますよね。

これら嗅覚の作用を利用してリラクゼーションに用いているのがアロマセラピーなので、当然効能があることがお分かりいただけると思います。

以前に”芸能界格付けランキング”というテレビ番組があって、自称一流芸能人が超一流と普通の食材やワインなどを食べ比べる番組があったのですが、覚えていますか?僕はあの番組が好きで良く見ていたのです(笑)。

高級ワインの時など、テイスティングして飲んでいる芸能人より、未成年でお酒が飲めないので、においだけで判断した娘の方が、正確な判断をしたりしました。考えてみれば人間でも味覚より嗅覚のがはるかに発達していますから、当然のことなのです。

目隠しをされてしまって食材を食べさせられると、味覚だけで判断するのは本当に難しいようで、食事の時には、いかに嗅覚と視覚に助けられているのか良く分かりました。確かに風邪で鼻が詰まっていると、高級料理も全くおいしくありませんよね。

1989年4月1日号の医学臨床雑誌のLancetに掲載された「Sniffer dog for the clinic?」という記事は大変面白いものでした。

Church J, Williams H. Another sniffer dog for the clinic? Lancet 2001; 358: 930.

ある飼い犬が、飼い主のある特定のホクロをなぜかいつも臭いを嗅いだり、時には噛み切ろうとしたりするのです。でも、他のホクロには全く興味を示しません。気になった飼い主が、皮膚科医に診せに行ったところ、一見普通のホクロが、悪性黒色腫という超悪性の腫瘍だったのです。

この記事を見たフロリダ州のアメリカ人医師が、警察犬の調教師とある犬を訓練したら、悪性黒色腫の検体をほぼ100%で嗅ぎ分けたとか。

嗅覚とはすごいものですね。


日々新しくなる医学の情報

寄生虫感染が減ると、アトピーが増えるといった考えがあるのですが、エクアドルの医師が、2006年5月に臨床医学誌ランセットに載せた論文(Lancet. 2006 May 13;367(9522):1598-603. Effect of albendazole treatments on the prevalence of atopy in children living in communities endemic for geohelminth parasites: a cluster-randomised trial.)のなかで気になる記事を見つけました。

それは、駆虫しても、残念ながらアトピーやアレルギーの罹患率に変化がない。というデータを示したものでした。

彼はエクアドルの小学生を対象に、アベンダゾール(albendazole)という駆虫薬を用いて駆虫を実施したうえで、約一年後にアトピーとアレルギーの有病率を調べてところ、実験開始前と統計学的な差がみられないことを述べています。

彼はディスカッションの中で、寄生虫感染が減るとアトピーが増えるのでなく、アトピーだと寄生虫感染が起きにくいという可能性があること。もしくは、寄生虫感染によるアトピー抑制は生後数年間に形質として獲得され、成長してからの駆虫には影響されないなどの可能性を述べていました。

実はこういった全く結論の異なる論文は、医学の世界では良く出るのです。データの母体となる人種や年齢によっても差はあります。統計によってもデータが変わります。

僕は、昔都立の看護学校の講師を3年間していたことがあります。レギュラーでは麻酔と救急医療について教えていたのですが、最後に国家試験対策という授業をやっていました。僕は共通1次試験世代ですし、学生のときも、ダブル・トリプルヘッターで家庭教師をやって教科書代や、生活(遊び?)費を稼いでいましたから、マークシートは得意です。出題者の意図を読んで、必ず不正解である答を探してやると、自然と正解が導かれる問題も多くあるのです。でも看護婦さんの卵に、そういった試験のテクニックを教えてくれる人はなかなかいません。

そのときに、看護師国家試験のときの選択枝の中に、”必ず”という言葉があった場合、それは絶対に不正解だと思っていいよと教えた記憶があります。

医学の世界においては、例外は必ず存在するのです。死の病から奇跡的に復帰する人。治らない病気が治ってしまう人。余命3ヶ月といわれたのに10年以上もピンピンしている人などなど。

医師がどんなに医療をしても、最終的には患者さんの生命力に助けられるんですよ。人間というものはまあ、人知を超えた存在なんでしょうね。


74分の永遠

50インチのプラズマテレビを買ってから、クラシックのDVDを楽しむ機会が増えました。自分のオーディオとDVDを継いで音楽を聴くと、結構な迫力なのですよ。自宅で十分、迫力のコンサートを楽しめます。

最近買ったDVDにカラヤンのものがあります。

カラヤン/ベートーヴェン:交響曲第7番&第8番&第9番
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 グンドゥラ・ヤノヴィッツ(S) クリスタ・ルートヴィヒ(A) ジェス・トーマス(T) ヴァルター・ベリー(BS)

こいつはお買い得でした。

1968年から1971年までの演奏を録音したものですが、映像の処理が本当にかっこいいのです。目を瞑ったカラヤンが一心にタクトを振る姿。聴くもの観る者、すべてを引き込みます。

晩年には、彼も目を開けてタクトを振るスタイルに変えたそうですけど、一度この演奏を生で見たかった・・・と思っていた僕にとって、このDVDはその気分をかなり味合わせてくれました。

カラヤンは最も古くから、映像の持つ魅力を熟知し、それを最大限に生かした指揮者であると思います。曲の盛り上がる場所ではそれまでカラーだった映像を白黒にするとか、本当に凝った映像なのです。

ところで、CDの録音時間が何故74分になったのか、知っていますか?

最初はフィリップスとソニーが60分のCDを考えていたのですが、

「60分じゃ、ベートーベンの第九が一枚で入らないじゃないか!!」

・・・と言ったカラヤンの言葉がきっかけなのです。これもトリビアになるかな?

でも、かく言うカラヤンは、早い演奏が好きなため、第九の演奏に74分使ったことはないのですけれどね。(笑)


美女とストレスの関係

「恋をすると綺麗になる」
「ストレスがたまると肌荒れする」

といった現症を、科学的に解明する研究が実は始まっています。

学者セリエのストレス学説では、体に害をおよぼす精神的肉体的な刺激をストレッサーをいい、刺激によって体内に生じるヒズミを戻そうとする力をストレスと呼んでいます。

脳がストレスを受けると、その情報が脳下垂体のホルモンや、副腎のホルモンの分泌を促進します。そうなると循環器系に血液が集中し、肌への循環が悪くなるのです。これにより皮膚のバリア機能が低下します。

さらに、皮膚の免疫を担当しているランゲルハンス細胞も、この副腎皮質ホルモンの影響で低下しますので、皮膚の免疫力が大きく低下するといえるのです。

表皮の上部にまで伸びている神経線維の末端から神経情報を伝達する化学物質が放出されるのですが、これによって蛋白が血管から漏出したり、浮腫がおこったりといった炎症反応が起こるのです。

これらはストレスが皮膚の炎症反応に関与していることの証拠なのです。しかし、このことを逆に利用して、その作用を抑える物質を研究すればよいということになります。

ストレスを和らげる物質として脳下垂体から分泌されるβエンドルフィンが知られています、この物質は内因性モルヒネなどとも呼ばれていますが、痛みを和らげるとともに、不安や不快をほぐして快楽を引き起こす作用があります。このβエンドルフィンは、表皮や真皮細胞に不活作用を引き起こすとともに、メラニン生成も抑制するのです。

われわれはこういったストレスを排除するために、自然療法(ナチュラルセラピー)を併用しています。

ヨーロッパで発達したアロマセラピーは、香りによる心の安らぎ効果とマッサージによるいわゆる刺激効果を同時に行い、神経系、内分泌系にストレス解消効果を及ぼすことが出来るわけです。

アロマセラピーに使用される精油は約200種類もあるといわれていますが、使用される精油は100%純粋であることが大切で、合成されたものは利用しません。セラピストは、これらの精油を、クライアントの症状にあわせてブレンドします。心を穏やかに落ち着けるにおいとか、緊張をほぐすにおいとか、そういったものをつくるのです。

良い意味でのストレスの発散がいかに美容につながるかをぜひとも体験していただきたいと思います。


PMS (月経前症候群)について

月経痛、生理痛について、大学の後輩でもあり、現在は違う分野の医師としての友人である林先生のクリニックロタージェのブログから引用します。

月経は脳の中の下垂体という部分から分泌されるホルモンによってコントロールされています。実はこの脳下垂体、すぐ横に「視床下部」という自律神経やストレスなどを感じる中枢が位置しているため、その影響を非常に受けやすい場所にあります。

その為、強いストレスを受けたり自律神経に乱れが生じたりすると下垂体から分泌されるホルモンに異常が生じ、正常に分泌されなかったり、量が少なかったり・・・。結果としてそれが子宮に正常に通達されないことで起こるのが「生理痛」「生理不順」です。

つまり月経は、妊娠に関係あるだけでなく、女性の健康のバロメーターでもあるのです。

周期が不規則、月経の始まり/終わりに強い痛みがある、月経が8日以上続くなどの異常は女性特有の病気が隠れている可能性もあります。

「ちょっとおかしいな・・・」という症状があれば迷わずご相談ください。

治療には個々の症状、状況に併せて漢方薬やピルを用います。

◆漢方等
生理周期に併せて下図のように漢方等を使い分けます。
これらのお薬は保険適用が可能です。 図をクリックしてください。


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