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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

BLOG|ブログ

ロシュニ・ピレイ医師

今日は海外からの来客がありました。

シンガポール在住で来月開業するという、ロシュニ・ピレイ医師です。

新しいクリニックを作るということで、クリニックFを一度見学したい、と言って来てくれたのです。

シンガポールには知人が多くいることもありますし、来月も学会で行く予定もあり、

「シンガポールで開業しては?」

と言われることも少なくないのですが、聞けばどうもシンガポールは開業ラッシュのようです。来月自分でも見てきたいと思いますが・・・。

僕の夢のひとつはアジアかアメリカどちらかでレーザー・光治療のクリニックを作り、そこと東京とを行き来すること。実際今週もアメリカやタイなどから、クリニックFにアポイントの国際電話を頂き、海外在住でこうしたクリニックに行きたいのだけど、なかなか安心して通えるクリニックがない・・・というような話を聞くと、ますます夢は膨らみます。

海外からこうしてクリニックに来てくれるドクターから、開業に関する話をあれこれ聞くのは、勉強にもなりますし、良い刺激を受けますね。


育毛に効果のあるレーザー

今日は、韓国から来客がありました。

ルートロニック社営業部門のトップであるハンス・キムです。

彼は世界各国のルートロニック社製品のディストリビュータ(輸入販売業社)を統括する立場にあるので、僕が海外の学会に出席するたびに顔を合わせています。

ルートロニック社は毛穴治療のマックスピールや肝斑治療のマックストーニングなどに使用するスペクトラVRMⅢ、フラクショナルレーザーのモザイクを製造販売する会社です。

新規のレーザーをデビューさせる際に、最も重要なのは使用法と、使用するパワーの設定です。

僕は海外のレーザー会社数社と契約して、特にアジアンスキンに、こういったレーザーのパラメータの初期設定を決定する仕事を請け負っているのですが、今回彼は、クリニックFで使わせていただいているモザイクとスペクトラVRMの、新しいパラメータと使用法についてのディスカッションにやってきたのです。

クリニックFの院長室には、こういった際のディスカッション用に、50インチのプラズマディスプレーがあります。彼は新規のレーザーの新しいプレゼンテーションをいくつかしてくれたのですが、その中で面白い実験結果を見せてもらいました。

それは題目にもあげた、フラクショナルレーザーの育毛への使用についてです。

昨年11月に招待演者として参加した韓国のレーザー医学会でも、この話題はディスカッションの中でも出ていました。非常に興味深いですよね。

この件については、フラクセルの開発医でもあるキャメロンロクサーともディスカッションしたことがあるのですが、彼の意見は否定的でした。

「レーザー光が毛根まで届くと思えない。」

「育毛に対するメインターゲットは皮脂腺で、これに効果がある波長は、フラクセルの1550nmでは難しいのではないか?」

ということだったのです。僕もその時はそれに同意したのです。

しかしながら、残念ながら症例写真をブログに出すことはできないのですが、今回ハンスが持ってきた数症例を検討すると、臨床的にはかなり効果があると思うのです。

「レーザー光はやはり毛母細胞へ刺激をする」

「正常細胞の毛母細胞が、フラクショナルレーザーによって異常部位に迷入する」

「同時に使用するフィナステリドやミノキシジルなどの育毛剤の浸透をよくする」

などの理由が考えられますが、再考の余地ありですね。

うちでもプロトコールを作って、研究をしてみたいと思います。


自律神経失調症の治療法

皮膚のアンチエイジングを主にクリニックでは行っているのですが、このとき皮膚からの外的アプローチとは別に、内的アプローチが必要となることは以前にも何度か触れてきました。

自律神経系や内分泌系、免疫系に乱れがあると、皮膚はその乱れを忠実に皮膚上で訴えようとしますから、皮膚で若さや健やかさを追求するということは、結果的に身体の内部を「チューニング」することに繋がってきます。

こうした観点でアンチエイジングを捉えると、非常にスペイシーでおもしろく、奥が深いのです。

ドクターによって様々なアプローチの仕方があると思いますが、僕自身はレーザー・光治療器に代表される機械がやはり好きですので、熱治療を使ったアプローチを中心に組み立てていくことになります。

先日御紹介したインディバを使用した治療として、僕が一つの候補だと思っているのは、自律神経失調症の治療です。

自律神経系とは、生体の恒常性を保つために、交感神経系と副交感神経系の二つによって、二つが相補するように内臓や血圧、呼吸などを効率よく働かせるようにしたシステムです。

この図は素晴らしかったので、米国版Wikiから転用しています。

僕と自律神経系の研究の歴史は実は古く、研修医が終わった後、医局人事で都立病院の勤務医だった時に、その横の研究所で自律神経の研究をしていたことがあり、初めて書いた英語の論文が

「Jounal of Autonomic nervus systems (邦題 自律神経)」

という雑誌に掲載されたのです。(1999 Feb 15;75(2-3):109-15.)

自分の研究論文が認められ、世界の一流雑誌に掲載されるという、興奮する経験に初めて触れたのが、この自律神経の分野の研究でした。

医師として臨床とともに研究も続けたいと思って、翌年大学院に入学し、医学博士論文を書きましたが、思えばこのときの経験が、臨床医として実際に患者さんを診るという作業とともに、常に学会への研究発表を続けてゆくという、僕の医師としてのスタイルが出来上がったのだと思います。

自律神経を支配している視床下部が失調してしまうと、個人差はありますが、

「だるい」

「疲れが取れない」

「食欲がない」

「眠れない」

「やる気が出ない」

「悲観的になる」

などの症状が現れます。

最近は「男性のうつ」も深刻になっていますよね。

さらに体の各器官に頭痛や動悸、めまい、立ちくらみ、のぼせ、冷え、吐き気、便秘、下痢などの症状が部分的に出てきます。更年期にも同じような症状が出るのですが、僕はこの症状の治療にインディバが使用できないかと思っているのです。

現代人は、さまざまなストレスにさらされていて、常に交感神経のみが亢進してしまう状況にあります。体の深部体温を上げるということは副交感神経を優位にして、体をリラックスさせます。

副交感神経が優位になることによって得られるアンチエイジング効果は計り知れません。

こちらはまた別の機会に改めて書きたいと思いますが。

もちろん温泉などによって、体外から体温を上げる方法もありますが、インディバでできる体温上昇の効能は、体内の深部から起こることですので、全く強さが変わります。

僕も数年前、初めてインディバを体験したときに、あまりにリラックスして、夜9時頃の会食中に眠ってしまうなんてことがありました。驚きの体験でしたよ。

現在インディバ治療をクリニックFに導入するにあたって、アロマセラピーやリンパドレナージュなどの世界のセラピーを組み合わせた施術を考えています。

8月にはクリニックのメニューとして御案内できる予定です。


インディバの新機種登場

僕がこの業種のクリニックを始めてから、ずーっと購入するか、購入しないか迷っていた機械がありました。

ご存じの方も多い、「インディバ」です。

インディバはスペインで、電気メスの開発者であるホセ・カルベット博士によって開発された高周波の機器ですが、今まではどうもいまひとつ食指が動かなかったのです。インディバ・ジャパンには親しい方もいて、何度も勧められてきたのですが、いまひとつピンと来なかったんですよね。

しかしこれが、本年14年ぶりに新しいモデルが販売され、その内容を聞いてとうとう買うことを決めました。

これならイケるかも

という僕なりに響くものがあったのです。

クリニックFでは、今年内分泌系と自律神経系のバランスを取ることによるアンチエイジングメニューを考えています。また、「Fat burning」 の治療メニューも入れる予定なのですが、それらにあたってこのインディバも導入していくことを考えています。

クリニック用上級機種である「MD570」の国内第一号機を入れることにしたのです。

体の新陳代謝を行う上で、欠かせないのが体温を保持することです。体温が高い人は、代謝も高く痩せやすいですし、活動的ですよね。反対に体温の低い人は太りやすく、リンパの流れも悪くて、水分をため込みやすい。こういったことは皆さんも体感的に感じていると思います。

欧米のホルモン補充療法を行うアンチエイジング医療現場で、まず最初に行うのは、体温の測定です。起床時に体温を測定して、摂氏35度代の人であれば、体の代謝を上げる甲状腺ホルモンを投与し、体温を上げることによって、体の若々しさを取り戻すようにするのです。

代謝の落ちているアトピー肌の人にも、甲状腺ホルモンが効果があったりしますよね。

温泉やサウナなどによる対外熱源の治療と比較して、インディバによって作り出される熱は体内熱源です。つまり、インディバ機器より体内に通過する高周波エネルギーが体内の細胞一つ一つの抵抗と、分子移動によって起こる摩擦熱で、体の組織の温度を上昇させるのです。

体温を上げると、自律神経系、内分泌系の活性が上がり、免疫力や抵抗力が上がります。活性酸素の除去により、がんや老化を予防し、生体各組織の改善と活性化を導くのです。

世界で認められたインディバですが、クリニックFなりの新しい使用法を模索しようと思います。これから使用法を決定し、メニューに載せるのは8月頃を予定しています。8月から婦人科のドクターも参画することになりましたので、2年目のクリニックFにご期待ください。

 

 

 

 


経済同友会で講演

今日は大変緊張する場所で講演をしてきました。

東京駅からすぐ近くにある日本工業倶楽部で行われた、「経済同友会」での講演を頼まれたのです。

経済同友会といえば、日本経団連、日本商工会議所と並ぶ経済三団体のひとつです。

経済界の大先輩方を目の前に、若輩者が講義を行うのは気が引けましたが、

「欧米のアンチエイジング治療の最前線」と

「株式会社の医療分野参入のメリットとデメリット」

という題目を頂きましたので、その話をさせていただきました。

背伸びしても仕方がないので、現場の話を中心に

「アンチエイジングクリニックでは、どんな治療が行われているのか」

「医学部の教育ではどんなことを問題に感じ、また医師としてどんなことを不安に思っているのか」

「株式会社が医療分野に参入することで、その不安がどのように解消され、逆に課題としてはどんなことがあるのか」

などを、僕なりの視点でお話させていただきました。

文化も視点も異なる経済界と医学界を繋ぐような役割をいつか果たすことができればいいなと考えています。

今回このような貴重なチャンスを与えてくださった皆様に、心から感謝いたします。

ありがとうございました。

 


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