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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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医師のためのリーダーシップ論

僕が所属している米国皮膚科学会(AAD:American Academy of Dermatology)から

「69回目にあたる来年度の年次会で、リーダーシップ論のセミナーを開催する」

というお知らせのメールが来ました。

こんなかんじです。

Leaders in Dermatology. Leaders in Life.

Learn to be a leader and inspire others to do the same. It’s the Leadership Institute’s official launch! The Leadership Institute was established to help dermatologists like you become extraordinary leaders.

このような標語の下、多くのリーダーシップに関するセッションが開催されるということでした。

医師がリーダーシップについて学ばなければいけない時代になった、ということです。

医師として良い治療ができればいい

医師として医学について深い知識があればいい

技術者、知識者、時に研究者であることが医師としての絶対条件であることは今も変わりないと思いますが、それだけでは最早やっていけないことも、皆うすうす感じていることは否めないと思います。

こうしたときに、欧米でトピックとして取り上げられるものは、非常に興味深いですよね。

米国の医学会に参加すると、学術分野の中でも社会科学系(経営学や国際研究、コミュニケーション、法学など)の学問とコラボレーションをした発表が含まれることが多く、大変勉強になります。

アメリカにおけるメディカルスクールの入学資格は、他学部の大学を卒業した者が原則なので、医師の中には他の分野の専門家が必ずいる、ということもあるのでしょう。

これは様々な意味で“メリット”ですよね。

日本では、18歳=ティーンエイジャーから、浪人したとしても20代前半で大学の医学部に入り、そのまま6年間どっぷり医学の世界に漬かって、大学を卒業。そしてストレートに大学の医局または系列の病院で研修医生活に突入し、昼も夜もなく働く。

そのままあっという間に30代も半ばを過ぎ、40代や50代になった頃、

「未成年から成年となり、社会人としての自分を振り返ると、医学部と病院の中にしかなかった」

ということが普通の世界です。

忙しい毎日に流されて、他の学問や病院以外の世界を学ぶ機会を逃してしまうことも十分ありえます。

現在の日本の制度が良いのか悪いのか、それは僕が論じたり判断すべきことではないと思いますが、ひとつ言えるのは、こうした制度を今後も貫くのであれば、各関係省庁はそこを踏まえた上で日本の医療問題、医師問題をどうすべきかを考えていく必要があるのではないでしょうか。

僕が医師であるにもかかわらず、ビジネススクールに通いMBAを取得して良かったと思った点は二点あります。

一つは企業価値評価法についての知識を得たことです。

企業価値評価法については、いつかブログでもふれたいと思いますが、簡単に述べると

財務予測をもとに将来のフリーキャッシュフローを予測し、資本コストにより現在価値に割り引き、事業外資産の処分価値を加算し、有利子負債を控除する。

という、DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法の考え方を身につけたこと。

DCF法を自分が経営するクリニックの財務状況に適応し、常にクリニックの現在価値を上げる努力を行い、そのベクトルに合った投資のみを重点的に行うことができるのです。

クリニックFでは、税引き後の収益のほぼすべてを必要なレーザー機器に投資するという経営スタイルを一貫してしかも確信を持って行うことができ、短期間で世界的に見ても数多くのレーザー機器を所有するレーザー専門クリニックになりました。

レーザー機器が増えるということは、患者さんに対する治療の選択肢が増え、これは診療のクオリティが上がることに直結しますよね。

そして、もうひとつは今日のブログの掲題でもある「リーダーシップ理論」を学んだことでした。

現在主流のリーダーシップ論は、ハーバードビジネススクールのジョン・P・コッターが提案した理論です。

ちなみにコッターは、MITとハーバード大を卒業し、1981年にわずか34歳、史上最年少でハーバード大学の正教授に就任した秀才です。

コッターは著書の中で、組織を動かす人間には「リーダーシップ」と「マネジメント」が要求されると明示し、さらにそれらの違いを明確にします。

リーダーシップは組織をよりよくするために変革を成し遂げる役割を持ちます。企業進路の明確化、人心の統合、動機付けと啓発が課題達成のプロセスとなります。

マネジメントは複雑な経営環境に対処して既存のシステムの運営を遂行すること。計画立案と予算策定、組織化と人材配置、コントロールと問題解決が課題達成のプロセスです。

変化のスピードが加速する現代では、特にリーダーシップの重要性が増しているのですが、組織内での認識は未だ低く、意思決定を合理的に導き出す「プロセス」と「ツール」を著作で提案しています。

一方で、「俺についてこい(笑)」的なリーダーシップを発揮することだけがリーダーシップではありません。

幾つかあるリーダーシップ理論のうちで、僕が面白いと思ったのは、ロバート・K・グリーンリーフによって提案された「サーバント・リーダーシップ論」です。

グリーンリーフは、

「真のリーダーはフォロワーに信頼されており、まず人々に奉仕することが先決である」

と提言しました。

サーバント・リーダーは、まず相手が最も必要としているものを提供し、相手に奉仕したのちに、その後リーダーとして相手を導く役割を受け入れるというもの。

この考え方には学ぶことが多かったです。

クリニックという小さな箱を統率するリーダーシップも大切ですが、ここ数年で、国内でも多くのレーザー販売会社の社長が入れ替わりました。

この変革の時代に、新社長がどのようなリーダーシップを発揮しているかが、企業業績の変化の1つのキーになっている気がしますね。

そして、医師に求められるリーダーシップとはどういった性質のものか、僕も改めて考えてみたいと思います。


日枝神社参拝

クリニックFがある地域の氏神さまは、赤坂の日枝神社です。

出勤の朝、時間に余裕があるときは、クリニックの患者さんとスタッフの健康を祈ってお参りして来るようにしています。

最近キャピタル東急が改装を終えて営業の再開をしましたので、外国からの訪問客らしき人たちがお参りしているのを良く見かけるようになりました。

今日の朝も凛とした雰囲気で、とても気持ちが引き締まりました。

 


休診日の過ごし方

工学部大学院博士課程に通いだして、休診日の過ごし方が変わりました。

大学院の研究室に行くときもありますが、それ以外は多くの本を読んで知識の習得に努めています。

最近読み始めたのは、月間の業界紙であるOPTRONICSというこの雑誌です。

医学の世界でレーザーを使用した経験があっても、工学の世界からのレーザーへのアプローチは少し違います。

株式会社オプトロニクス社から発行されている雑誌なのですが、レーザー技術者や、大学工学部関係者が読むような光学雑誌です。

レーザーの応用方法が書かれていますが、これを読むと、医学に使われているレーザーは工学利用のものに比較すると、正直数段階遅れていますね。コストの問題があるのでしょう。

知らなかった知識が沢山あり、こんな技術を医療に応用できればいいのになあという発見ばかりで、知的好奇心を満たしてくれます。

より新しいレーザー機器や技術を、患者さんにより早く応用できればなあと思いますよ。

でも、たまには休診日を使ってゴルフやドライブに行くことも、ありますけどね(笑)。


神経ブロック注射と腰痛に効くレーザー

おはようございます。

朝の冷え込みに今日は早起きしてしまいました。

朝から気持ちいい青空。良いお天気になりそうですね。今日も一日診療で日中は外に出られないので、今のうちに良い空気を吸っておこうと思います(笑)。

季節柄もあって、最近クリニックFにレーザーを打ちにいらっしゃる患者さんからのご希望により、神経ブロック注射を打つ機会が増えてきました。

著書でも触れましたが、僕の専門は元々麻酔科なので、クリニックFの患者さんには痛みの治療についてもご相談に乗っています。ただ、今はまだキャパシティに限りのあるクリニックなので、既存の患者さん限定ですが・・。

四十肩やゴルフ肩、腰痛や首の痛み・・などは、注射でずいぶん楽になるのです。

ちなみにレーザーには腰痛、特に椎間板ヘルニア(腰椎や、頸椎椎間板へのレーザー照射)に効果を出せるものもあり、こちらも導入してほしいと患者さんからも関係企業からも言われているのですが、今はキャパの問題でちょっと難しいのです。

痛みに対するレーザー治療は、将来的には非常に魅力のあるレーザーの使用法の1つですし、自分の診療の興味対象にも近いので、導入に関心はあるのですけれどね。

今は院長室や廊下まで、アンチエイジングや美肌に関するレーザー/光治療器に占拠されているような状況ですから(苦笑)。

もうしばらくしたら、すこし広い場所に引っ越さなきゃいけなくなるかもしれませんね。


サイトン社新スタッフ来訪

先日、カルフォルニアよりサイトン社のスタッフがクリニックFにやってきました。

最近学会でよく話すようになったサイトン社の営業 ラーズと、アジアパシフィックの新マネージャーに就任した林さんです。

来訪の目的は、先日までテストさせていただいていたサイトンのレーザー機器。この機器のジュールの評価を聞きに来てくれたのです。

青山のイタリアンレストランで楽しく会食をさせていただきました。

サイトン社のエルビウムヤグを使用したフラクショナルレーザー「プロフラクショナルXC」ですが、機能やスキャニングシステムは予想通り素晴らしい出来でした。

一方、エルビウムヤグという波長を人間に使用してしまうと、どうしてもダウンタイムが長くなりますので、これを日本人の肌に使用すると逆に満足度が低下してしまうのではないかと思い、新しい波長の開発をお願いしました。

特にサイトンのシステムは、レーザー照射時における凝固層と蒸散層を独立して調整できますので、これを二つの違った波長を使用することで、対応できるようになれば素晴らしい機器になると思いましたので、提案したところ、考えてくれると言っていましたよ。

新しい波長が出たら、クリニックFでもぜひ導入したいですね。

また、「スキンタイト」というパルス光のIPLによるタイトニングのシステムも、使用させていただきました。

チカチカした閃光は気になりましたが、パルス光が、コラーゲンの増勢効果があるという論文も出ていますので、非常に魅力的な機器だと思いました。僕も体験してみましたが、照射された満足感はあり、こちらは早めに導入しても良いのではないかと思いました。

肌をタイトニングさせる高周波治療器は

「サーマクール」「テノール」などがあり、知名度を得ていますが

肌をタイトニングさせる光学治療機器は

●シネロン社 「ポラリス」 「リファーム」

●キュテラ社 「タイタン」

がメインでした。

サイトン社「スキンタイト」もこれらのラインナップに含まれ、知名度が上がっててくるのでしょうね。


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