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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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シネロン/キャンデラ社の2011年の戦略

そして、学会会場のレーザー機器メーカーの中でもひときわ大きなブースを持っていた、シネロン/キャンデラ社。

今年は「eMatrix(e2)」と「ePrime」という、フラクショナルRF機器が前面に出ていました。

まずは2009年に世界で初登場した非浸襲型フラクショナルRF機器 eMatrixです。

この機種はクリニックFでも、フラクセル3DUALとともに国内第一号機のデモ機を導入し、2009年末より使用している実績があります。

昨年までは国内でも e2(イーツー)という名前でおなじみで、僕も気に入っていた名前なのですが、e2というと、日本ではスカパーを連想されてしまうので、本年から旧名の eMatrixを使用することになったのだそうです。

以前このブログで、クリニックFではニキビ跡のタイプによって、使用するフラクショナル機器を変える話をしましたが、eMatrixは、深いボックスカー型のニキビ跡をもつ患者さんにとっては、治療の選択肢から依然外せない機器です。

シネロン/キャンデラ社では、このeMatrixを、ブースの3分の1という大きな面積にして宣伝していましたので、本年はこの機種を前面に打ち出して売りにいくのでしょう。

それだけこの商品に自信があるのだと言えますね。

そして、同じフラクショナルRF機器でも、実際に針を刺して、RFを流すタイプの浸襲型フラクショナルRF機器のePrime。

ブースでは eMax(トリニティ)と ePrimeが並んで展示されていました。

前回のパリブログでデビューしたてのePrimeについては詳しくふれましたので、詳しくは述べませんが、この機器は、会期中の講演でも多く取り上げられていました。

特にこのエール大学のAmenakas医師は微小侵襲機器の演題で、ePrimeについて特に詳しくふれていましたね。

外科的なフェイスリフトとの比較演題は、とても興味深く聞かせてもらいました。

同じくフェイスリフトと比較されたサーマクールがデビューした時を思い出しますね。

そして、新規にシネロン/キャンデラのダブルブランドで発売されたCO2フラクショナルレーザー。

写真はシネロン社のアジアパシフィック営業トップのミゲルです。

去年彼の依頼で僕がジャカルタと台北で招待講演をさせていただいたのは、このブログでも書きましたよね。

この新フラクショナルCO2機器CO2REの特徴は、レーザー照射径と深度を自由に変えられ、さらに独立した4種類の照射モードで設定できる設定にあります。

この機能を臨床に適応させるには時間がかかると思いますが、自在に使いこなせると、より治療効果も上がるでしょう。

茄子を使って、実際に照射するスペースがありました。

いろいろな設定を試してみたのですが、設定によりさまざまな照射面が見ることができますね。

IMCASパリのブログでもDEKA社の最新フラクショナルCO2レーザー機器をご紹介しましたが、最近CO2フラクショナルレーザーは、各社進化したモデルを発売中で、買い替えの時期に来ているかもしれません。


メディカルスパにもフラクセル?

さて、学会会場展示会に入り、レーザー機器メーカーがデビューさせる機器を観に行きます。

まず気になったのはソルタメディカル社のこちら。

フラクセルのメディカルスパ・バージョンです。

アメリカでは医師免許がなくてもレーザー治療を行える州がいくつもあります。

そういった施設に対し、特にニキビ跡の患者さんなどを治療するために弱いパワーの機器が開発されたのだといいます。波長は1430nm。

フラクセル・リファインやアファームに近い波長です。

「波長が浅くまでしか入らないので、麻酔がいらない。」

ということでしたので、僕も手に照射してみましたが・・・結構痛かったですね(苦笑)。

でも、コンパクトでデザインも良いので、これはアメリカでは売れるかもしれません。

ただし、特にアジアンスキンに対するニキビ跡治療や、毛穴縮小などの治療能力としては、昨年日本でもデビューした「フラクセル3DUAL」が第1選択であることには変わりなく、この分野では一馬身以上(笑)リードしていますね。

 


2011年ニューオリンズ全米皮膚科学会会場

さて、明けた翌朝。

ニューオリンズのミシシッピー川沿いにある、大きなコンベンションホールに向かいます。

今年の全米皮膚科学会(AAD)はこちらでの開催です。

まだ朝が早く、あまり人がいないようですが、まずはレジストレーションです。

名札とコングレスバック、プログラムを手にして会場に入ります。

ヨーロッパ皮膚科学会のブログでもふれたのですが、全米皮膚科学会AADで認定医(Member)の資格をもらっている日本人医師は20人もいないそうです。

この学会に通うようになって気付いたことが、ひとつあります。学会の講演枠でも、認定医と、学会員以外の医師と、一般の方、プレスの方専用・・・など、講演内容によって細かい取り決めがあって、メンバーの資格を取らないと、すべての講演を聞くことができないことになっているんですよね。

僕も全米皮膚科学会のメンバーにアプライしてから、実際に2008年にメンバーに認定されるまで2年以上かかりました。

アメリカの学会は特にこういった審査が厳しいことで有名なのですが、とはいえ日本にも優れた医師がたくさんいるわけですから、審査に合格する日本人医師も多いはず。

日本人医師の米国皮膚科学会のメンバーがもっといてもいいのになあ・・・というのが僕の正直な感想です。

さて、まずは新製品を探しに展示会場に向かいます。

 


ルイジアナ州ニューオリンズ、バーボンストリート

LAでのまさかの24時間ディレイ。

全米皮膚科学会AAD Annual Meeting 2011が開催された、ルイジアナ州ニューオリンズの空港にたどり着いたのは、もう夜に近い夕刻でした。

空港ではこんなお出迎えや

こんな電光掲示板が。

到着の実感がじわじわと沸いてきます。

ニューオーリンズ、と聞いてもあまりその場所が実感としてぴんと来ない方もおいでになるかと思いますが、場所はアメリカ南部。メキシコ湾に面し、フロリダ州、テキサス州、アラバマ州などに囲まれています。

元はフランス領ということで、今も「フレンチクオーター」と呼ばれる地区にフランス植民地時代の名残が残っている都市であり、また全米有数の観光都市として知られています。

そんな中、僕にとってニューオーリンズといえば、なにはさておきやはりジャズ発祥の地であり、ルイ・アームストロングやハリー・コニック・ジュニア・・・といった沢山のミュージシャンが生まれ育った街でもある、アメリカが誇る音楽の都。

あとはジュリア・ロバーツ主演の映画「ペリカン文書」やデニス・ホッパーの「イージー・ライダー」、最近ではブラッド・ピットの「ベンジャミン・バトン」の舞台、といったイメージをもってやってきました。

とりあえず、この時間では学会もすでにこの日のスケジュールをすべて終え、閉会してしまっています。

会食ののち、音楽の都の観光名所=バーボンストリートに出ることにしました。

それにしてもすごいにぎわいです。

バーボンストリートは既に観光地化していることもあって、街を歩いていてもロックばかり。

ニューオリンズといえば、ジャズのイメージがあったのですが、ジャズの店は後継者が少なくて、圧倒的に少数派なのだそうです。

とは言え、せっかく来たのだから本場のジャズクラブに行ってみたい、ということで連れて行っていただきました。

こちらのお店。

写真だとわかりづらいかもしれないのですが、最後の曲が近づいていたので、会場は座る場もないほどです。

前日に現地入りされた株式会社JMECの西村社長と。

BECK’S BEERを片手に、とりあえず無事につけたことに乾杯です。

夜も更けてきましたが、この通りの人出です。

街角には沢山の音楽。

この人たちはブライアン・アダムスを歌っていました。

それにしてもすごい活気ですね。通り全体がクラブ化しているような状態でしたよ。


無事ニューオリンズより戻りました

昨日の夕方、ワシントンDC経由で全米皮膚科学会AADの開催されたニューオリンズから無事帰国し、クリニックFで、今日から診察を開始しています。

ニューオリンズの滞在は、ディレイもあったので約48時間でしたが、今回はほとんどの滞在時間を皮膚科学会の講演に充てたので、多くの情報を得ることができました。

サッチモことルイ・アームストロングの故郷ニューオリンズでは、夜の街のジャズにも触れることができましたので、また明日以降ブログにアップしてゆきますね。

 


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