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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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■ASLMS 2013 in Boston⑬ 高周波RF機器の理論 ハーバードスクエアでのパフォーマー 

おはようございます。

今日4月23日(火)もクリニックFの診療日です。

ボストンから帰国後は、毎朝・毎晩悩みながら、新たな工学部の論文と、高周波(RF)治療についての教科書の分担執筆分に取り組んでいます。

モノポーラー機器のサーマクールが2002年にデビューしてからというもの、バイポーラーのシネロンelos (オーロラ、ポラリス)をはじめ、数多くの機器がデビューしました。

高周波は出力、インピーダンス、位相変化によって組織への深達度が変わるのですが、レーザー治療に対するロックスアンダソン教授の選択的光熱融解理論のような、生体に対するメカニズムについて詳細に記載した総論的な論文がないのです。

信頼できると思った論文から親論文を引いてみると、根拠が単なるホワイトペーパーにたどり着いたりしますので、僕自身はRF治療・・・特に理論に関して最初は懐疑的でした。

しかしながら、今回工学論文とRF原稿を二つ並行して書いていたことによって、RF治療自体を工学的に理解し直すことができて、ずいぶんと理解も深まりました。

高周波の基本は、真皮にいかに効率よくエネルギーを加えるかということにあります。

高周波加熱には、誘導加熱(電磁調理器の理論)と誘電加熱(電子レンジの理論)という方式がありますが、1MHzを超える周波数の場合誘電加熱が主になりますので、現存の医療機器はほぼすべてが誘電加熱ということになります。

生体に対する作用は、論文的には水素結合を熱破壊し、コラーゲン分子の3 重らせん分子構造を変化させることによって、コラーゲンに即時収縮をもたらす作用と、マイクロ熱損傷作用によって線維芽細胞の寿命をのばし、コラーゲン発現を向上・正常化(新たなコラーゲンの生成/再構築)させる二つの作用です。

コラーゲンの収縮は,特定の温度への到達に依存するのではなく,温度と加温時間を組み合わせることによって決定されることが報告されています。

例えば、目標温度を60〜65℃に設定した長い照射時間の施術と、85℃に目標温度を設定したミリ秒の効果は同様な結果を生むのです。

高周波RF機器は、使用される電極の数に応じて、ユニ(モノ)ポーラ(単極)、バイポーラ(双極)、又はマルチポーラー(多極)として分類されます。

さらに様式としてはフラクショナルRF、サブレイティブRF、フェーズコントロールRFがあり、

RFと何か別のエネルギーを組み合わせた機器としては、レーザー、光、マッサージ、吸引、超音波、パルス電磁場(PEMFs)、局所的電気刺激(DMA)などとの複合機があります。

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周波数別に分類すると、主な美容機器の周波数はそれぞれ

◇MFに属するもの

●インディバ 390-440kHz

●DEKAスマートサイドスクエア 480kHz

●シネロン社のフォトRF eマトリックス スマスアップ 1MHz

●エンディメドプロ 0.8MHz(深部) 1.37MHz(中深部) 2.45MHz(浅部)

◇HFに属するもの

●Exilis(+同軸超音波のもの) 3.2MHz

●サーマクール 6.78MHz

◇VHFに属するもの

●テノール 40.68MHz

…といった形に分かれます。

どのように効率よく熱を加えるかは各社の知恵の絞りどころで、企業秘密も多いです。

VHFに属するテノールなどは、電波の特徴が強くなりますので、対極板は必要ありませんが、それ以外は必要になります。

サーマクールなどは、

①不導体に対して誘電加熱をする

②一部組織のインピーダンスを低下させる

③選択して電流を流しやすくなった組織に電流を流しジュール熱を発生させる

④さらに加熱する

・・・という工夫をしているようです。

今月末までには論文も教科書もひと段落つきそうで、このまま5月を無事迎えることができれば、そこでようやく一息といったところです。

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4月の頭に出張したボストンの話に戻りましょう。

こちらはハーバード大学がある交差点で、ハーバードスクエアと言います。

何やらにぎやかなパフォーマーを見つけました。

日本の昔懐かしい“チンドン屋さん”を思い出しました。

よく見ると、ものすごく精密な仕組みで各種の楽器から音が出ています。

ハーバードの卒業生でしょうか(笑)?

 

 

 


雪と桜のコラボレーション

昨日はクラシックカーの祭典コッパデ小海に向かう途中、大雪に見舞われましたが、途中の景色の雪と桜のコラボレーションには感動しました。

雪でスタックするので車を停めて写真が撮れなかったのが、残念でした。

こちらは一部の写真です。


eプラス ePlus シネロン/キャンデラ社史上 最高スペックの レーザー/光/RF 機器 

おはようございます。

4月22日(月)はクリニックFの診療日です。

今日は一つ新しい機器のお知らせを。

クリニックFで本邦初導入となり、テストを繰り返してきた、シネロン/キャンデラ社史上最高スペックの複合治療機器 「ePlus」 を、いよいよ今週より患者さんに使用できることとなりました。

メーカーの発表によると、以前のemaxとほぼ同等のスペックとのことでしたが、実際に使用してみるとelosRFの性能が格段に上がっており、同じパラメーターで照射が難しいと思いましたので、しばらくテスト使用してきたのです。

過去の機器との比較特徴としては、インピーダンスフィードバックが1msecと従来の10分の1の精度になったということ。

1ミリ秒づつ適正なRFエネルギーがフィードバックされて照射できるので、RFのエネルギー効率が20-30%アップするのです。

この機種は

◇レーザー

◇光治療

◇バイポーラーRF

◇サブレイティブRF

これらすべての治療を、患者さんの肌質や悩みに応じながら、組み合わせて行うことが可能なものです。

過去10年間でシネロン/キャンデラ社で発表された、ほぼすべての機種の機能を併せ持っています。

シネロン社はもともとフォトフェイシャルを開発した工学博士であるシモン・エックハウス博士をがファウンダーとなって作られた会社。

業績が良いために、老舗レーザーメーカーのキャンデラ社を買収し、社名が変わりました。

シネロン/キャンデラ社が、RFと光・レーザーとの相乗効果を利用したelōs Technology (electro-optical energy or Elos™)を発表したのは2000年のことでしたが、この技術は単一エネルギーソースの治療に比べ、メラニン色素の多いアジア人の表皮の損傷を最小限に抑えながら、真皮で効率よい立体加熱を可能にしたことに意義があると言えます。

僕自身もemaxを治療の中心にしていますので、特にこの機器はクリニックFでも2年以内に買い替えを行ってきました.

開業6年を迎える今は、すでにemaxも3代目です。

こちらはePlusの吸収特性のグラフ。

そして、ePlusに装着可能な10種類のアプリケーターの適応。

患者さんそれぞれの肌を診療した上で、その個性に合った適応アプリケーターを選択・使用し、肌のメンテナンスに使用するという方針ですので、これらのアプリケーターによって生み出せる治療の組み合わせはほぼ無限大と言っていいかと思います。

一台あると、本当に便利な機器だと思います。

さらに、それぞれのアプリケーターのスペック表がこちらです。

クリニックFでは、しばらくの期間今までのeMAXでの治療とePlusの治療が併用されることになります。

混乱を避けるために、ePlusで施術した場合には、施術名にPlus(+)が付きます。

●トリニティ・プラス

●ギャラクシー・プラス

●オーロラ・プラス

●オーロラアドバンス・プラス

●リファームST・プラス

などなど。

皆さん楽しみに待っていてくれましたので、やっとお届けできることになり僕もうれしく思っています。

 


クラシックカーの祭典コッパディ小海

友人の貝瀬先生のお誘いでクラシックカーの祭典コッパディ小海に来たのですが、まさかの大雪。

しかしすごい車ばかりです。

貝瀬先生のアルファロメオの至宝TZ(Tubolare Zagato)と。

ちょっとだけ乗せてもらいましたが久しぶりのキャブレターエンジン音に感動しました。


SPIE Proceedings Article WEB公開されました

おはようございます。

今日4月20日土曜日はクリニックFの診療日です。

ここ数年取り組んできた工学部大学院博士課程の仕事がようやくまとまりつつあります。

つい数日前も応用物理学会の英文論文がWEB公開されましたが、昨日も工学系レーザー学会のSPIE Proceedings ArticleがWEB公開されたと編集部より連絡がありました。

T Fujimoto Y Imai  K Tei T Fujioka S  Yamaguchi

” High temperature heat source generation with a very low power level quasi-cw(continuous wave) semiconductor laser for medical use “, Proc. SPIE 8565, Photonic Therapeutics and Diagnostics IX, 856569 (March 8, 2013);

世界共通言語である英語で論文を書くと、世界各国の人たちに自分たちの研究を知ってもらうことができます。

日本でこんなことについて研究している人間がいるんだ、研究機関があるんだ、と他国で認識してもらうことが先々の日本の工学/医療にとってビジネスチャンスの小さなきっかけとなったり、日本と世界各地との情報や研究を結ぶ何かの懸け橋につながる何かになれば・・・と思うと、夢は広がります。

やっぱり僕は日本の理系人間が現在よりもっともっと世界で認められてほしいと思いますし、医学と工学の融合、医師と工学の専門家の協力関係の強化が、先の国益にも繋がっていくように思えてならないのです。

今後もレーザー医学、レーザー工学で研究をリードして融合できるように、周囲の方々とも力と頭脳を合わせながら研究を続けてゆきたいと思います。

 

 


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