15年前の今日。
僕は絶海の孤島イースター島にいました。
思えばコロナ禍前までは、年間20回、多い時は年に半分ぐらい海外にいた生活。
南極を除く5大陸の学会を、レーザー医学の専門家として講演して回る生活を20年やっていました。
結局80カ国以上を滞在しましたが、世界一周チケットを使って学会の合間にそれまで行ったことのない場所に行くのが好きでした。
記憶に残るのがこのチリ領イースター島とアイスランド。貴重な体験でした。
ラパマイシンという薬をご存知でしょうか?
1972年にイースター島のポリネシア語名の「ラパ・ヌイ」のラパと、「菌類から生じた抗生物質」を意味する接尾語のマイシンとを組み合わせてラパマイシンと名付けられた真菌薬。写真にあるラパヌイの唯一の湖の放線菌から単離発見されたんですよね。
その後強力な免疫抑制作用がある事がわかり、抗がん剤として利用されたり、平滑筋増殖抑制効果は心臓血管ステントの技術などに使われています。
2009年の研究では、ラパマイシンを与えられたマウスは与えられる前に比べて寿命が有意に伸びる事がわかりました。
一般的な延命策と違って、すでに高齢化しているヒトの寿命を伸長させる可能性があり、この研究も進んでいます。
まさに薬剤の効能のリポジショニング。
興味深いですよね。