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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:欧州 ドイツ編

■2013年5月ドイツ出張⑨深夜のパリ便

おはようございます。

今日は5月29日(水)。クリニックFの診療日です。

昨晩は診療後、広尾に向かい、イタリアンレストランのアッピアで会食を兼ねた打ち合わせがありました。

昔から興味があったある仕事が実現しそうです。

また具体的なお話ができる日が来ましたら、ブログでご報告させていただきますね。

さて、今日のブログ「新国際学会周遊記」は、先週まで滞在したドイツについて。

日本を飛び立った日のお話です。

※※※※※

土曜日の診療を終えて、成田空港へ。

夜10時にパリに発つエールフランス便があるのです。

この時間の出発ですと、離陸してすぐに眠りに落ちることができますので便利だなあと思っていたのですが、パリに到着してみるとなんと朝の3時。

この通り誰もいません。

パリのシャルル・ド・ゴール空港は、最近拡張工事がされていますので、行くたびに形が変わります。

ベルリン便の搭乗は、朝の6時半です。空港のラウンジも、開くのは朝6時から。

一冊本を取り出し読み始めましたが、あっさり読破してしまい時間を持て余してしまいました。

そうしてる内に夜が明けてきました。

エールフランスの機体が沢山見えます。

ちょっと小雨の降る中飛行機はベルリンへ。

到着したベルリンは晴天でした。

これからドイツを南に向かって縦断します。

 


■2013年5月ドイツ出張⑦ 無事に帰国しました

本日朝8時半に無事帰国し、クリニックFで外来をしています。

一週間のお休みを頂いていましたので、朝から大忙しでしたが、ようやく一息つきました。

出張中はご迷惑をおかけしました。

今回のドイツ出張には、エールフランスを使いましたので、パリCDG空港経由。

航空機にディレイがあったものの、初めてのA380の機体に個人的には大満足でした。

国際学会周遊記のドイツ編は来週から書き始めようと思います。


■2013年5月ドイツ出張⑤ミュンヘン空港で。 近代芸術の始祖としてのワーグナー

一昨日バイロイト祝祭歌劇場で行なわれたワーグナー生誕200周年記念式典に出席し、パリ行きの飛行機に乗るため、ミュンヘンに移動してきました。

ミュンヘンは、ワーグナーを後援したフリードリッヒ2世の住居があった場所。

こちらの中央がフリードリッヒ2世。

手前の胸像がワーグナーです。

予定を詰め込みすぎて少々慌ただしかったドイツ出張でしたが、これから帰国です。

昨日記念祝典が行われたバイロイト祝祭劇場(Bayreuther Festspielhaus)は、ドイツ・バイロイトにある全館が木造のオペラハウスです。

このオペラハウスは、リヒャルト・ワーグナーが「ニーベルングの指環」全4話を始めとした自身の作品の上演を目的として計画・設計し、バイエルン王ルートヴィヒ2世の後援を得て1872年に着工、1876年に完成しました。

現在でもワーグナーの子孫達が経営する特別な場所として知られます。

こちらのお二人ですね。

7月から8月にかけて開催されるバイロイト音楽祭のチケットは、ドイツのワーグナー協会に入会しても、最低8年は待たされるというプラチナチケット。

僕も毎年ドイツに申し込みをしていますが、一度も通知が来た事はありません。

中学生のときにワーグナーを初めて聴き、衝撃を受けて以来、30余年の月日が経ちました。

いつかはこのバイロイト祝祭歌劇場の中で音楽を聴いてみたいと思っていたのですが、ついに生誕200周年という記念すべき年・記念すべき時にそれが叶いました。

ワーグナーは、音楽家として近代舞台芸術を完成させた人物であるとも言われています。

祝祭歌劇場の内部をよく観察するとわかるのですが、馬蹄形の欧州の劇場というよりは、むしろ現在の映画館に近い階段型の劇場。

さらに、通常は舞台目の前にあるオーケストラ•ピットが客席と舞台の下に配置されており、客席から見えないようになっているのです。

写真の舞台の前に、小さなピットの隙間が見えますか?

オーケストラのスタッフが私服で演奏するのも、舞台の脇役に徹しているからこそ。

裏方も演者も、そしてもちろん観客も、この場に集うすべての人間が舞台に集中する事が出来るように、という配慮が随所に込められていることが、ここに来るとよくわかります。

先に書いたように、この劇場はゼンパー案が元になっていると言われています。ワーグナーが「盗用した」という説もありますが、それでもワーグナーがいなければこの劇場が完成しなかったこともまた事実です。

テレビや映画館の原型のような歌劇場を、ワーグナーの設計で作り上げたという訳です。

ハリウッドの監督も、揃ってバイロイトに見学に来ると言います。

肝心の200周年特別記念演奏会の題目は

指揮 クリスティアン・ティーレマン

歌手 エヴァ・マリア・ヴェストブルック(ジークリンデ)

ヨハン・ボータ(ジークムント)(リエンツィ)

クワンチュル・ユン(フンディング)

曲目 楽劇「ワルキューレ」第一幕

休憩

楽劇「リエンツィ」序曲とリエンツィの祈り

楽劇「神々の黄昏」ライン川と葬送行進曲

楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」前奏曲

でしたよ。

ワーグナーは思想家としても著名であり

「神は死んだ(も同然だ)(God is as good as dead)」

というドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェに多大な影響を与えました。

イギリスのターナーに始まる風景画の画家は神と宗教から離れることで芸術を完成させ、モネなどの印象派の流れを作りますが、ワーグナーは宗教や神と乖離する事によって成熟した現代芸術の始祖とも言えるのです。

今回一緒に旅行したワグネリアンの研究者仲間の言葉を借りると

「ワーグナーの業績は、レオナルド・ダ・ヴィンチに匹敵する」

と。

ここまでファンを心酔させる作曲家という意味でも、ワーグナーは他に類を見ないのではないでしょうか。

ワーグナーのためにバイエルン王国の財政が傾き、そのためドイツ統一が加速した・・・と言う歴史家も少なくないそうですが、彼の作品にはそういう人を熱狂させ、時に狂わせてしまうものがあるんですよね。

そんなワーグナーは晩年に、13作目の最後のオペラで「パルジファル」という神についての舞台を書きました。

今回ワーグナー生誕の地ライプツィヒでパルジファルを観る事が出来ましたが、本当に夢のような素晴らしい体験でした。

パリ行きの飛行機の時間が来ましたので、続きはパリで書きたいと思います。


■2013年5月ドイツ出張④ゼンパー・オーパー(Semper Oper) ワーグナー生誕200周年前夜祭

おはようございます。引き続きドイツからブログを更新しています。

今日のお昼には、こちらで企業と打ち合わせがありました。また、夕方メールをチェックすると、2013年3本目となる英語のレーザー論文が通過したと知らせがありました。

「Journal of Biomedical Optics」 という工学系のレーザー学会誌です。

マイアミで通過したキー論文があることで、ここ数年レーザー研究の成果が論文としてアクセプトさせやすくなり、徐々にですがこれまで一生懸命やってきたことが少しずつ少しずつ実を結び始めました。

何事も時間がかかりますが、その分しっかりと根を張っていきたいと思います。

昨年10月にも英文論文が通過していますので、ここ7ヶ月で英文論文だけで4報通過した事になります。自己最高新記録ですね。

束の間の喜びの後は再度気を引き締め、弛まぬ努力を肝に銘じ、研究をより頑張っていこうと思います。

さて、僕が今ドイツのどこにいるかと言うと・・・

ドレスデン歌劇場に移動し、ワーグナー生誕200周年前夜祭にやってきました。

通称「ゼンパー・オーパー」。

建築家ゴットフリート・ゼンパーによって1838年に建設された、見事な歌劇場です。

この劇場はワーグナーが1843年から1849年まで指揮者を務めており、「タンホイザー」などの初演の地。

ワーグナーと深い親交のあった建築家であるゼンパーは、ドレスデン美術館やウィーン宮廷劇場の設計を手掛けたことでも有名です。

ワーグナーがゼンパーによって受けた影響、ゼンパーがワーグナーによって受けた刺激が、ドイツにおけるオペラ史を確固たるものとし、それによりドイツ史における様々なケミストリーが起きていったことは想像に難くありません。

ワーグナー聖地のひとつ・バイロイト祝祭劇場は、かつてゼンパーが設計したミュンヘンの歌劇場案を元にしていると言われています。

※※※※※

 

僕にとってヨーロッパ出張の楽しみはなんと言っても夜のエンターティメント。ミュージカルやコンサート、そしてオペラ鑑賞です。

今回はワーグナー一色の旅ですので、毎日オペラにどっぷり浸かっています。

夕方7時。

ゼンパー・オーパー前の広場には、記念祝典のため数多くの人が集まってきました。

「ローエングリン」、「タンホイザー」、「リエンツィ」とワーグナー・オペラのハイライトをクリスティアン・ティーレマンが振り、ドレスデン交響楽団が演奏し、

今世紀最も人気のあるヘルデンテノール(独: Heldentenor)(ワーグナー作曲の歌劇・楽劇における英雄的な役どころを演じるのに適した声質をもつテノールのこと)であるヨナス・カウフマンが歌いました。

この歌劇場は内装も素晴らしいのです。

戦時中に破壊され、東ドイツの時代には修復出来なかったのですが、2005年に完全修復がなされました。

この美しさ。

写真では伝えきれませんが、官能の空間です。

本当に素晴らしい。

この日の演奏もあまりに感動して、ホテルに戻るときには思わず鼻歌がでてしまいました。

本当にワーグナーのオペラは完成度が高く、素晴らしいですね。

こちらは翌朝の新聞。

ヨナス・カウフマンと、指揮者クリスティアン・ティーレマンの写真が大きく掲載されていました。

さて、今夜はいよいよ世界のワグネリアンが集結する聖地バイロイトにて誕生祭です。


■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月⑧ ケルン大聖堂

ケルン中央駅を降りると、目の前に大聖堂の側面が現れます。

157mと聞いていましたが、正直、それが実際の大きさと完全に結びついていなかったようで、こんなに巨大な塔だとは・・・というのがはじめて訪れた感想でした。

畏敬の念をここに来た誰もが抱かずにいられないような、そんな建造物です。

まずは中を見学です。

素晴らしい聖堂です。

こちらの右手には大きな見事な装飾のステンドグラスがあります。

キリスト教の教義が説明されたこのステンドグラス。

こちらはバイエルン王ルートヴィヒ1世が奉納したので、「バイエルン窓」と呼ばれているそうです。

こちらはシュテファン・ロホナー作の「大聖堂の絵DomBild」です。

さらに、こちらの中央の祭壇には

世界最大の黄金細工の棺に

「東方三博士の聖遺物」がおさめられています。

建物の外に出ましたがあまりに大きく、広角カメラの写真に納まりません。

少し離れてもやっとこの程度。

苦労して台に乗って、やっと全体像をとらえました(笑)。

この近辺はホーエ通りといって、高級ショッピングモールがあるようで、装飾がきれいでしたね。

大聖堂の周りを数回廻ったのち、フランクフルトに向かう列車の時間が近づいてきました。

駅で電車を待つ間、こちらのソーセージ屋さんで軽食を取りました。

ソーセージがぷりぷりして、おいしかったですよ。

ケルン中央駅からフランクフルト空港に向かいます。

こちら1月1日夜のフランクフルト空港。

向かう先はパリのシャルルドゴール空港です。

暫しの間、ドイツ語圏とはお別れです。

 


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