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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:化粧品

デスモンド・フェルナンデス医師

デスモンド・フェルナンデス医師は1941年生まれ。御存知の方も多いのではないでしょうか。エンビロン・スキンケアシステムの開発者です。

Fernandez

エンビロンという名前は、「environment(環境)」に由来しており、その名の通り、オゾンホールの拡大など、年々進行する自然環境の悪化による紫外線の脅威から肌を守るために開発したのだと彼自身から聞いています。

紫外線対策において南アフリカは北半球よりも紫外線が強いため、より早い時期からその対策が必要だったのです。「光老化」という概念を早い段階で打ち出した医師としても知られる彼の製品は、今では世界60ヵ国以上で展開されているそうです。

renaissancerenaissance2

彼が率いるアンチエイジングの複合施設「Renaissance Body Science Institute」。

建物の中は

1階が駐車場

2階が形成外科、皮膚科のクリニック

そして

エンビロンシステム教育室

3階が3室のTheater(手術室)

4階に食事療法室

4-5階にまたがってマシンジムセンターという構成になっています。

Table Mountain

テーブルマウンテンがきれいに見える院長室で、ビタミンAやCの商材についての最新の知見をディスカッションをしました。

エンビロン皮膚再生システムはビタミンAを配合していることがキーになっています。

でも、二人の間で特に盛り上がったのはビタミンC誘導体の話でした。

肌の再生にはビタミンAが極めて優れた働きをするのですが、ビタミンAの弱点はすぐに劣化してしまうことです。

そこで、良質のビタミンCが必要となってきます。

ビタミンCはコラーゲンの原料であるばかりでなく、皮下でビタミンAを再生するのに必要な物質なのです。

彼はVCIPという脂溶性のビタミンCが極めて効果的だと話していましたが、僕の経験では日本人の肌にVCIPを使用してしまうと5%ぐらいアレルギー反応が起こってしまいます。

僕はクリニックFのビタミンCローションの原料となっているビタミンC誘導体のAPPS(アプレシエ)の話をしました。APPSは日本の昭和電工が開発したので、国産原料なのです。これには、Drフェルナンデスも大変大きな興味を示し、お互いにとても有意義でおもしろい話ができましたよ。

ディスカッションの後、施設内を案内してくれました。

Dr.F

こちらはエンビロンの教育室。

またスポージムも充実しています。

Dr.F2

すばらしい総合アンチエイジングセンターでした。

こんなアンチエイジング複合施設を作ることができたらいいですね。

 


ナノラディエンスクリーム

今日は、クリニックFでも販売しているナノラディエンスクリームについてお話します。

このクリームはフラーレンとAPPSという二つの新しい化粧品素材を高濃度に配合した高機能性を持ついわゆる ”パワーコスメ” であるとともに、高級クリームの使用感の二つをあわせ持つ、究極のクリームなのです。テクスチャーはアイクリームに使用できるほどなめらかです。

フラーレンは三菱商事で販売されている、グラファイト(黒鉛)・ダイヤモンドに次ぐ第三の炭素の総称です。フラーレンを構成する原子は黒鉛中の炭素と同じ種類ですが、60個以上の炭素原子が強く結合して球状あるいは、チューブ状に閉じたネットワーク構造を形成しています。以前に上野の科学技術館に行った時に、撮った写真がありますので添付しますね。フラーレンの代表選手であるC60はちょうどサッカーボールと同じ形をした球形分子で、直径は約0.7ナノメートル(1ナノは10億分の1メートル)です。

1985年にクロトー博士により発見され、その功績はノーベル賞になりました。この物質は構造上、活性酸素を限りなく吸収できます。化粧品に入れると表皮内にとどまり、しみの元となる活性酸素を除去し続けてくれるのです。その理由は、この図にあるように、フラーレンがビタミンCとビタミンEという双方の構造を併せ持っているからです。

APPS(アプレシエ)は、2004年11月に昭和電工より発売された、シワに効く可能性のある高浸透型ビタミンCです。肌の真皮にあるコラーゲンの生成にはビタミンCが必要です。しかしながら、かつてのビタミンCでは、浸透性が悪く真皮まで到達しませんでした。さらにビタミンCは構造上、活性酸素二つにより破壊されてしまいます。本来シワに効くべき、肌の真皮まで届く前に、大切なビタミンCが破壊されてしまっていたのです。

この二つの薬剤を高濃度に配合することで、いわゆるシワに効く可能性のあるクリームを作ることが出来ました。そして、通常、高機能性のクリームは使用感が悪いことが多いのですが、大手化粧品会社の開発スタッフとともにチームを組み、使用感を重厚にしたクリームです。クリニックFではこのクリームを18900円で販売しています。


毛穴とビタミンCの関係

毛穴に効果のある成分として挙げられるものに、ビタミンCがあります。レーザーで毛穴を収縮させた後、患者さんには必ずホームケアとしてビタミンC入りの外用剤を使っていただいています。せっかくお金をかけてレーザー治療をしても、その後のホームケアが間違っていては大金を水に流してしまっているようなものですからね。

ではなぜビタミンCが毛穴に効くのでしょうか?

ビタミンCは、アスコルビン酸と言われる物質です。英語名はascorbic acid。名前の由来はコロンブスの大航海時代に遡ります。この当時、半年間以上船に乗ると、壊血病と言われる出血が止まらなくなるという恐ろしい病気がありました。その原因の解明に医師たちが突き止めたのが、どうやらレモンなどの柑橘類を摂取すると、その病気にかからないようだということ。赤血球の寿命は約180日で、新しく赤い血を作らなければ、生体を維持できなくなるのです。後にこの物質がビタミンCだとわかりました。

ビタミンCはヒドロキシプロリンという、赤血球や肌の骨格を作るアミノ酸を作るのに必要な物質で、コラーゲンの原料になるのです。

壊血病はスコルビックといわれていましたので、それをないものにする“A”という否定接頭語をつけたのがアスコルビック酸の名称の由来というわけです。

肌のコラーゲンを作るには、20種のアミノ酸の中で、特にヒドロキシプロリンとアルギニンが多く必要ですので、たるんだ帯状毛穴などには、ビタミンCは特効薬といえます。

しかし、ビタミンCは、水溶性の物質です。人間の肌の特性上、水溶性の物質は、肌を通過しないのです。通過してしまったら、毎晩のお風呂がそれこそ“命がけ”になってしまいますから(笑)。

そこで、クリニックで使用する化粧品に、どういった工夫をしているのか。明日続きを書きたいと思います。


保湿対策

冬が真近になって肌の乾燥を気にする患者さんから、相談をもちかけられることが度々あります。乾燥を防ぐためにどんな化粧品を使えばいいのでしょうか?美容液やアイクリームはここに置いていないのでしょうか? ・・・。

その度に僕がお話することは、ここはレーザークリニックなので、まずはレーザー/光治療器を使って肌の「基礎工事」を行いましょう、と。例えばクリニックFで最も安価なメニューは美白に効果のある「オーロラ」なのですが1回31,500円、これを 1ヶ月に一度、あるいは2ヶ月に一度でも定期的に照射していくことで、肌は白くなるだけでなく明らかに乾燥しづらくなり、また丈夫になっていきます。エラスチンやコラーゲン、ヒアルロン酸・・・など肌の表皮と真皮にはそれぞれハリや弾力をコントロールする成分がいくつかありますが、こうしたものにレーザーは働きかけ、産生を促すことができるのです。そして化粧品ではこれらに働きかけることは極めて難しいと、医師の視点からは言わざるを得ないときがあります。

こうした「レーザーによる肌のインフラ整備」が整った上で、では日々どんな化粧品を使って保湿に取り組んでいくかと言えば、まずは「洗浄」にこだわってほしい、ということが言えます。化学的なことだけ考えていえば、ファンデーションなどは「油」ですから、同じ「油」を使えば浮いてくるはずです。極論で言えば、わざわざクレンジング剤を使って化粧を落とす必要はなく、オリーブオイルやごま油でもよいわけです。オイルマッサージなどに使う良質の油でメイクを浮かせ、それだけでは気持ち悪いでしょうから、あくまでそのあと軽く洗顔料を使えば、それで十分だと僕は思っています。この程度なら肌が乾きすぎない程度で洗顔が終了するはずです。

その上で肌のpHを整える化粧水で肌を整え、そのあと肌に入れたい成分(ビタミン、フラーレン、セリシンなど)を化粧水やジェルやクリームの形で入れ込んでいけば、日々の保湿というのはそんなに難しいことではありません。写真のAPPS+フラーレン入りの「ナノラディエンスクリーム」はこの時期、クリニックでも人気商品になります。

基礎工事さえきちんと済んでいれば、土台がしっかり築かれていることになりますから、ちょっとやそっとのことでは崩れない、そして乾かない肌になることが可能なんですよ。そんな話も最近はカウンセリングでしています。


皮膚老化の科学とドクターズコスメ

昨日の夜は表参道にある自然療法の国際総合学院IMSIにて、講義がありました。以前ブログでも書きましたが、「皮膚老化の科学」というタイトルで2時間半20人ほどの生徒さんにお話をさせて頂いたのです。診察の後、プロジェクター持参で伺いました(笑)。

大ホールで200人とか400人くらいの出席者の前で講演をするときはそんなに緊張しないのに、こうしたこぢんまりとした会で生徒さんの顔がすべてわかるような場所だと、いや~緊張しますね。「2時間半も大丈夫だろうか?」と不安になりましたよ。

美容クリニックを一度も訪れたことのない、レーザーや美容医療について知識のない方も多かったので、院内の写真や各レーザーの写真、照射風景、皮膚の様々な画像・・・など「絵」をできるだけ使って、わかりやすく説明したつもりです。クイズなども入れてみたり。

最後に皆で集まって、ビタミンCローションを作ったのですが、懐かしい理科の実験や家庭科の授業のようで僕自身も楽しかったですよ。聞けば今回の講座のために、わざわざ淡路島から来てくださった生徒さんもいたとか。夜行バスで帰られたそうです。本当に有難いですね。

新しい試みをいくつかできたので、僕自身とても勉強になりました。次にまたこの経験を生かしていきたいと思います。


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