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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:北米 マイアミ編

米国皮膚科学会で最も大きなブース

学会展示場の上の階の渡り廊下から会場を左右に見渡します。

沢山の展示があるように見えますが、通常の年のAADは、この倍の広さがあります。

世界最大級の皮膚科学会ですが、今年は不況のあおりがあったようですね。

中でも中央に最大のスペースを持っていたのは、皮膚科的な製薬会社やレーザー会社ではなく、ボトックスを販売している米国アラガン社。

アラガン社のボトックスは、2002年に米国FDAで美容目的のしわ治療についての認可が下りたため、爆発的に売り上げを伸ばしました。

ここ数年は、まつ毛を伸ばす効果がある医薬品の、ラティースの売り上げが好調なようです。このラティースは、クリニックFでも扱いがありますが、まつ毛が本当に伸びますね。

でも、使うのをやめると元に戻ってしまいます…。


快晴のマイアミビーチにて

学会会場を出て、少しだけビーチに行ってみました。

正面の美しい大西洋と空を見て

左を見て

右を見て

写真を撮ってみました。

でも、僕はスーツ姿だったんで、あまりに場違い(苦笑)。ちょっと気恥ずかしくなり、ほんの10分ぐらいで帰ってきてしまいましたよ(笑)。

つかの間の休息でしたが、癒されました。

すぐに学会会場に戻ります。


マルチプレックスならぬトリプレックスがデビュー

AAD2010マイアミビーチに設けられたサイノシュアのブースでは、クリニックFでも使用している脱毛レーザー機器「エリート」がグレードアップした、「エリート・マルチプレックス(MPX)」が登場していました。

マルチプレックス(MPX)はサイノシュア社の持つ、2つの違った波長のレーザー光を数ミリ秒の間隔で連続して打ちこむ技術です。

2つの波長を、瞬き以下の短い間隔で連続して照射することで二つの波長の相互作用を高めるので、治療効果が上がる反面、治療のパラメーターの組み合わせは桁外れに上がりますので、症状を診断して、レーザー治療を行うそれぞれの医師の経験が治療効果に及ぼす差は格段に広がります。

その辺りが、マルチプレックス治療の醍醐味、面白さでもあるわけです。

クリニックFでも導入しているサイノシュア社のフラクショナルレーザー機器「アファームマルチプレックス」は、1440nmと1320nmのレーザー光をマルチプレックスに照射できます。

1550nmと1927nmの二つの波長を使用できるフラクセル3デュアルがクリニックに導入された後は、ちょっと使用頻度が落ちましたが、アファームMPXは、1440nmの肌の入れ替え効果と1320nmの肌のタイトニング効果を併せ持つ、2007年のデビューとしては画期的なレーザー機器でした。

今回登場したエリートMPXは1064nmと755nmのNd:YAGと、アレキサンドライトの波長がマルチプレックスで出せますので、パラメーターの設定は難しくなったとは思いますが、正しい設定で照射された場合、脱毛効果は明らかに高まるのではないでしょうか。

今回、脂肪吸引のように皮膚に穴をあけるタイプの脂肪溶解レーザー機器である「スパートリポ(治療名ではレーザースタイリング)」も、新しい波長を加えてマルチプレックスならぬ、“トリプレックス”として3波長を(2波長づつの組み合わせですが)使用できる進化系になって新しい機器がデビューしました。

「スマートリポ・トリプレックス」

レーザーマニア(笑)としては実際に使用して、効果を判定したいですね。


フラクセル3デュアルとサーマクールCPT

学会会場で目に付いたのは、このキャンピングカー。

何だと思いますか?

フラクセルとサーマクールを販売するソルタメディカル社がPRに使っている車なのです。

写真はソルタメディカル社COOのClinit Carnellです。

この車に新製品の「フラクセル3デュアル」と「サーマクールCPT」を乗せて(施術ができるようになっています)世界中を走っているのだそうです。

こんな車が来ると、雑誌や新聞などの取材もあるようで、宣伝効果は抜群だったようですよ。

昨年デビューしたこの二台の最新機器ですが、今回のAADでも最も印象に残った機器でした。

フラクセル3デュアルは、クリニックFで昨年末にデモ機として導入し、すでに2ヶ月使用していますが、体験した患者さんの評判も非常に高く、アジアンスキンをリサーフェシング(肌を新しく入れ替える)する目的としては、現行のノンアブレイティブ・フラクショナル機器で最も効果が高い機種だと断言できます。

今後、国内のフラクセル2は、すべてフラクセル3デュアルに変わってゆくのでしょうね。


エステラ社買収のニュース

今年のレーザー開発会社のニュースとしては、日本出国前に情報があった、ソルタメディカル社のエステラ社買収です。

エステラ(AESTHERA)社は2004年にカルフォルニアで創立されたレーザー光治療の機器を扱う会社です。いくつか新しい技術を持った会社なのですが、

この図のように、肌をいったん吸引し、レーザーまたは光を照射する「フォトニューマティック・テクノロジー」という技術によって、その名が有名となりました。

肌を吸引することで、実際の照射野を引き延ばすことができますし、さらに照射部位との距離も短くできるのです。

この技術でシミや赤み、そしてニキビ、脱毛なども、治療効果を上げることができました。

Isolaz proという機器を販売していますが、突然決まったこの買収劇に、今回ブースもエステラ社のまま

「合併しました」

という掲示があったのみでした。

しかし、フラクセルとサーマクールという、最も最先端を行く二つの技術を持ったソルタメディカル社が、さらに新しい技術を手に入れたということは、来年以降の新しい機器の登場が楽しみですね。


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