今回米国皮膚科学会(AAD)に発表演題を出すにあたり、何について出そうか悩みました。
元々、僕がここ数年三菱商事の子会社VC60社との共同研究で取り組んでいる抗酸化剤「フラーレン」について、この由緒ある米国皮膚科学会(AAD)でも演題を出そうということになっていました。
しかしながら、AADの演題の採択率は例年低くて、だいたい30%以下なのです。
演題を通すことさえ難しいので、
今までの研究をまとめ、三報ぐらいの演題をそれぞれ違う分野で提出すれば、どれかはダメでもその内一つぐらい演題が通るだろう
・・・と、三つの演題を出したのです。
ところが、結果として運良くすべてが通過してしまい、今回のAADでは、それぞれ違う日に、違う分野で3つの発表をすることになったのです。
ちょっと予想外で驚きましたが、一回の米国皮膚科学会で3つも演題を通した日本人医師は過去にもあまりいないのではないかと、何人かの方にお褒めいただきました。
頑張らないといけません。
学会初日は、アンチエイジングの分野で「シワ」について
学会二日目は、原料の分野で「ホワイトニング」について
学会四日目は、レーザーのセッションで「レーザー治療との併用の効用」について
発表をすることになりました。
一つ目の講演は、かいつまんで説明すると、紫外線の影響で皮下に出る活性酸素や、レーザー照射後に皮下にでる活性酸素をスピンエコー法で測定し、同定しました。
さらに脂溶性のリポフラーレンが、生成された活性酸素を抑制する効果があるために、シワに効果があるのではという仮説のもと、実際の人のシワのレプリカ実験でそれを証明したという発表でした。
まずは会場に入って、自分の発表を学会誌で確認します。学会誌に自分の名前を見つけると、安心しますね。
発表はVC60社の山名社長も御同席いただき、和やかな雰囲気で無事終わりました。
発表の後、インド人らしきドクターが質問をしてきましたが、日本の原料に興味津々という感じでしたよ。
このドクターは、奥さんも皮膚科医のようで、夫婦揃ってのAAD参加でした。シワに効くという、日本製の原材料について、配合の仕方とか、使い方をいろいろ聞いていかれましたよ。
まずは一仕事終わりです。