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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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痛みの講義

昨晩は、セラピストやスタッフの件でいつもお世話になっている自然療法の学校であるIMSIで、自分のもう一つの専門である、痛みの講義を行いました。

熱心な学生さんの前で、久し振りに講義をして、数年前に、都立の看護学校の講義を三年間、頼まれていた時のことを思い出しました。

痛みの感じ方、って、人によって違うと思いませんか?
実は、痛みの感じ方が人によって違う理由があるのです。

痛みは、痛みの受容体で痛みを感受すると、末梢神経を通って脊髄神経の後根というところを通過します。そこで神経線維を乗り換え、大脳の視床という部位に投射されます。この過程まではどんな人でも同じです。

ところが、実際にはその視床から大脳皮質に転写される経路は、その人の経験によって出来上がった神経回路によるのです。

つまり、過去に強い痛みによって、心臓がバクバクし、気持ち悪くなったた経験がある人は、神経経路が出来てしまっていますから、同種の痛みに対して同じような経験を追体験をするというわけです。

根性があるから痛みに強いとか、そういった問題ではないのですね。また、同じ痛みも女性の方が痛みに強いといわれています。僕も注射が嫌いですが、それは思いますね。”鼻からスイカを出す”ぐらいの痛みという、出産なんてしてしまったら、僕はきっと、死んじゃいますね。

講義中に、痛みがある状態は、冷やした方がいいのか、暖めた方がいいのか質問がありました。非常に良い質問です。

捻挫した時にすぐに冷やすのは炎症物質の産生を押さえ、組織破壊の広がりを最小に抑えること。さらに、寒冷の刺激で痛み感覚を麻痺させることが目的なのですが、実は、組織修復のための反応が円滑に進められるためには熱が必要です。熱が無いと組織を作り治すたんぱく質の動きも弱くなり修復過程出来なくなるのです。

捻挫したり受傷した直後には冷やさなければなりませんが、何日も冷やし続けるのはいけないという事になります。

一般に常識と思われているものも、近年の研究でより新しい理論が構築されています。その分野の専門医に聞くという事が大切なのですね。痛みの講義基礎編の後半は、11月16日にまた行います。


オリンポス12神

今回ギリシャに滞在して、オリンポス12神についてふれる機会が多かったので、な んだか 詳しくなりました。ギリシャ神話はハリウッドの映画にも多大なる影響をしていて、今まで知らなかった事実も多く知ることが出来ました。

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世界の宗教のほとんどが一神教です。日本のように八百万の神を祭るのは珍しいのです。でも、そもそもキリスト教がローマ帝国に布教されたのは313年のミラノ勅令からですから、それ以前はギリシャの神々への多くの神への信仰がこの地を支配していたといえます。

オリンポス12神のうち、全能の最高神はゼウスです。ゼウスが中心となって約10年という戦争を経てタイタン神族を倒し、世界をこの支配するようになりました。ゼウスは姉でもある正妻のヘラ(女性、結婚、家庭生活の守護神)との間にアレス(戦いの神)とヘファイストス(鍛冶の神)をもうけます。ちなみにこの二人の兄弟は、大叔母にあたる美と愛の女神のアフロディーナ(ヴィーナス)という一人の女性を妻とします。さらにゼウスは、もう一人の姉(デメテル)を含む6人の女性と関係を持ち、結局7人に子供を産ませるのです。現在ならめちゃくちゃな話ですね。でも、これらの子供達は優秀な神として成長するのです。

つまり、オリンポス12神は、ゼウスを中心として、ゼウスの兄であるポセイドン(海の神)、姉のデメテル(大地と穀物と豊饒の神)、そして正妻のヘラの4人と、叔母にあたるアフロディーナ。さらにゼウスが計7人の異母に生ませた子供にあたる前記のアレス、ヘファイストス、そしてアテナ(知性の女神、アテネの守護神)、ヘルメス(商人と旅人の守護神)、アポロン(太陽神、音楽、医学、弓術、予言の神)、アポロンの双子の姉アルテミス(月の女神、狩猟と出産の神)、そして酒と狂乱の神であるディオニソス(バッカス)で構成されているのです。そういえば、映画のロッキーの飼っていた犬の名前がバッカスでしたよね。

まとめると
ゼウス(全能の神)
ヘラ(女性、結婚、家庭生活の守護神)
アレス(戦いの神)
ヘファイストス(鍛冶の神)
アフロディーナ(ヴィーナス、美と愛の女神)
ポセイドン(海の神)
デメテル(大地と穀物と豊饒の神)
アテナ(知性の女神、アテネの守護神)
ヘルメス(商人と旅人の守護神)
アポロン(太陽神、音楽、医学、弓術、予言の神)
アルテミス(月の女神、狩猟と出産の神)
ディオニソス(バッカス、豊饒、酒と狂乱の神)

というわけです。

僕は今回の学会中、どうしても医学の神のアポロンが気になってしまい、とうとう最後にアポロンのコインを買ってしまいました。このコインは、今回の唯一のお土産になりました。


EADV in Rodos その3

これはレーザーセッションの講演でした。

僕は主にアメリカのレーザー学会に参加していますので、ヨーロッパの学会の発表を聞いていると、少し遅れているとは感じます。

でも、皆工夫してレーザーを使うんですよね。新しいものにこだわらず、古いものを工夫して、大切に使うというヨーロッパの文化を引き継いでいると思います。良いことです。

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ここで、マックスピールで有名な、MAXエンジニアリング社の秘密兵器を見つけま した。

今までベールに隠れていたフラクセルを越える最新機器、MOSAICの実物が来ていたのです。

先月に韓国に行ったとき、MAXエンジニアリング社の社長であるHaelyungに、とても自信作だと言われました。

映像は本邦初公開だと思います。

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この機械はまず、顔を両頬と鼻、前頭部、口周りの5つのパートに分けます。

各々の面積 を測定して、それに見合った面積だけ1550NMのエルビウムグラスレーザーを照射するのです。

各々のパートごとに強さを変えられるのが特徴です。

フラクセルでも、口の周りや、目元の外側など、炎症や色素沈着が起こりやすいところがあり、この部位に照射するのを、施術する医者が経験的に避けてきたのですが、そういったトラブルは減るはずです。

かなりしっかり出来ていますね。世界的に売れるのではないでしょうか。

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MAXエンジニアリング社の営業部北米担当のジミーと写真を撮りました。

ジミーはアメリカ で育った韓国人で、非常に流暢な英語を話します。機械の性能を誇らしげに語ってくれました。

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最後に、しっかりとCertificateをもらってきました。

クリニックの壁に飾ろうと思います。明日はいよいよ帰国です。

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2006 EADV in Rodos その2

ここが学会会場のパレスホテルです。

古いホテルなのですが、内装は非常に充実 しています。今回の会場は二つのホテルにまたがっていましたが、年々会場の大きさは大きくなってきている気がします。

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この日もEADVのパネルの前で、写真を撮りました。

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昨年8月のシンガポールや、10月のロンドンのEADVで会った、グレンコールダー ヘッド博士と会いました。

LEDを開発しているオムニラックス社の顧問をしています。

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会場はこのような部屋が6室もあったのですが、人でごった返していました。

ロードス の島の人たちは、同じような名札をした人が(学会に集まった世界中の4000人の医師たち)たくさん来たので、驚いていたようです。

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インドネシアの富豪で、シンガポールとインドネシア、マレーシアでレーザーの輸入 販売と 化粧品を製造しているアントニウスとも再会しました。

彼も昨年、僕のクリニックを尋ねてきてくれているのです。

彼は奥さんとこの後エーゲ海のクルーズに出かけ、帰りにドバイ(アラブ首長国連邦の首長国の1つ)で、バージュ アル アラブという世界で唯一の7つ星ホテルに泊まるのだそうです。

皆さん知っていますか?

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僕は、1998年、まだあまり日本に知られていない頃に、ドバイに行ったことがあるのですが、このホテルはジュメイラビーチホテルというところの前にある、ヨットの帆のような型のホテルです。

写真を見たことがある人もいるかもしれません。

その頃は高くてとても泊まれず、ディナーだけ食べてきたのですが、建物の高さが300mぐらいあるのです。

そして内装は黄金、黄金、黄金。アラブでお金が余るとこんなことに使うんだ。と妙に感心して帰ってきたのを思い出しました。


船で学会会場へ

今回の出張でのハプニングは、学会開催地であるロードス島への航空券とホテル の手 配がうまくできなかったことです。世界各国から医者や関係者が集まるため、全て予約は満杯。予算に限界もあるため旅行代理店に泣きついたところ、もっとも安く島に入り滞在する方法=船を使えとアドヴァイスをもらいました。そういうわけで今回は、フランクフルトにまず入り、そのあとヴェネチアに行き、ヴェネチアの交通の要所であるローマ広場から、ヴェニス港まで、水上バスを使い運河を走ったあと、この船で会場であるロードス島まで入ることになったのです。全部で二日半かかる勘定です。

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Raadmannsoey船長と。ノルウェー人だそうです。1800人もいる乗客の中で、600人 がアメ リカ人です。アジア人はほとんどいません。船の中には豪華な部屋もありそうですが、僕の部屋は一番安い窓もない8畳くらいの空間です。それでもシャワーは部屋についてますから、ありがたいですね。部屋の中にいると時間も景色もまったくわからないので、かえって仕事がはかどります。日本では時間に追われてできなかった論文の作成や、頼まれている講義内容の構築などの作業がそれぞれ完成しました。

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一歩部屋の外に出ると、レストランなどの設備は部屋のグレードに関係なく皆使用 するこ とが出来ます。船内ではドリンクや食事は、アルコール以外すべて無料。食事ではアイルランドのダブリンからと、アメリカのニュージャージーから来た老夫妻。そして、ノースカロライナから来た二人の老婦人がいました。ヨーロッパの学会に参加するために極東から一人で来た、青年医師との会話を楽しんでくれたようです。欧米人も、どんな年になっても、美肌への興味は尽きないようです。 話していて思ったのが、世界一周100日クルーズするような大型客船で美容皮膚科を作ってはどうかな? ということ。クルーズ中にレーザー皮膚治療を行って、乗船前と乗船後では見た目で10歳若返りするなんて、面白い企画も出来るのではと思いました。

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アドリア海に沈む夕日です。美しかったですよ。明日やっと到着して、いよいよ学会です。

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