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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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マルチプレックスならぬトリプレックスがデビュー

AAD2010マイアミビーチに設けられたサイノシュアのブースでは、クリニックFでも使用している脱毛レーザー機器「エリート」がグレードアップした、「エリート・マルチプレックス(MPX)」が登場していました。

マルチプレックス(MPX)はサイノシュア社の持つ、2つの違った波長のレーザー光を数ミリ秒の間隔で連続して打ちこむ技術です。

2つの波長を、瞬き以下の短い間隔で連続して照射することで二つの波長の相互作用を高めるので、治療効果が上がる反面、治療のパラメーターの組み合わせは桁外れに上がりますので、症状を診断して、レーザー治療を行うそれぞれの医師の経験が治療効果に及ぼす差は格段に広がります。

その辺りが、マルチプレックス治療の醍醐味、面白さでもあるわけです。

クリニックFでも導入しているサイノシュア社のフラクショナルレーザー機器「アファームマルチプレックス」は、1440nmと1320nmのレーザー光をマルチプレックスに照射できます。

1550nmと1927nmの二つの波長を使用できるフラクセル3デュアルがクリニックに導入された後は、ちょっと使用頻度が落ちましたが、アファームMPXは、1440nmの肌の入れ替え効果と1320nmの肌のタイトニング効果を併せ持つ、2007年のデビューとしては画期的なレーザー機器でした。

今回登場したエリートMPXは1064nmと755nmのNd:YAGと、アレキサンドライトの波長がマルチプレックスで出せますので、パラメーターの設定は難しくなったとは思いますが、正しい設定で照射された場合、脱毛効果は明らかに高まるのではないでしょうか。

今回、脂肪吸引のように皮膚に穴をあけるタイプの脂肪溶解レーザー機器である「スパートリポ(治療名ではレーザースタイリング)」も、新しい波長を加えてマルチプレックスならぬ、“トリプレックス”として3波長を(2波長づつの組み合わせですが)使用できる進化系になって新しい機器がデビューしました。

「スマートリポ・トリプレックス」

レーザーマニア(笑)としては実際に使用して、効果を判定したいですね。


フラクセル3デュアルとサーマクールCPT

学会会場で目に付いたのは、このキャンピングカー。

何だと思いますか?

フラクセルとサーマクールを販売するソルタメディカル社がPRに使っている車なのです。

写真はソルタメディカル社COOのClinit Carnellです。

この車に新製品の「フラクセル3デュアル」と「サーマクールCPT」を乗せて(施術ができるようになっています)世界中を走っているのだそうです。

こんな車が来ると、雑誌や新聞などの取材もあるようで、宣伝効果は抜群だったようですよ。

昨年デビューしたこの二台の最新機器ですが、今回のAADでも最も印象に残った機器でした。

フラクセル3デュアルは、クリニックFで昨年末にデモ機として導入し、すでに2ヶ月使用していますが、体験した患者さんの評判も非常に高く、アジアンスキンをリサーフェシング(肌を新しく入れ替える)する目的としては、現行のノンアブレイティブ・フラクショナル機器で最も効果が高い機種だと断言できます。

今後、国内のフラクセル2は、すべてフラクセル3デュアルに変わってゆくのでしょうね。


エステラ社買収のニュース

今年のレーザー開発会社のニュースとしては、日本出国前に情報があった、ソルタメディカル社のエステラ社買収です。

エステラ(AESTHERA)社は2004年にカルフォルニアで創立されたレーザー光治療の機器を扱う会社です。いくつか新しい技術を持った会社なのですが、

この図のように、肌をいったん吸引し、レーザーまたは光を照射する「フォトニューマティック・テクノロジー」という技術によって、その名が有名となりました。

肌を吸引することで、実際の照射野を引き延ばすことができますし、さらに照射部位との距離も短くできるのです。

この技術でシミや赤み、そしてニキビ、脱毛なども、治療効果を上げることができました。

Isolaz proという機器を販売していますが、突然決まったこの買収劇に、今回ブースもエステラ社のまま

「合併しました」

という掲示があったのみでした。

しかし、フラクセルとサーマクールという、最も最先端を行く二つの技術を持ったソルタメディカル社が、さらに新しい技術を手に入れたということは、来年以降の新しい機器の登場が楽しみですね。


マイアミより帰国しました

マイアミより帰国しました。

今年の米国皮膚科学会(AAD)は、初日のレジストレーションの混雑振りには驚きましたが、例年よりは参加者が少なかったようでした。

僕は今回AADで3度の発表を無事に終えることが出来、非常に充実した学会参加になりました。

中日の発表のない日には、レンタカーでエバーグレーズ国立公園と、マイアミからキーウェストに抜けるオーバーシーズ・ハイウェイの7マイルブリッジまで足を伸ばしました。

4日目の発表の後には、PGAツアーのCAチャンピオンシップも開催されている世界的に有名なマイアミドラールゴルフリゾートでも、日暮れまでにラウンドすることが出来ました。

詳しくは、また明日以降、ブログでご報告しますね。


米国皮膚科学会(AAD)僕の発表その2

二日目のセッションの口演は、水溶性フラーレン(ラジカルスポンジ)のホワイトニング効果についてでした。

掲示板でしっかり名前を確認します。

水溶性フラーレンをメラノサイトに同居させると、ビタミンCやアルブチンを超える程の色素抑制能力があるのです。

それをラボで実験し、確実なことがわかったので、実際に人の肌でクリニカルテストを行いました。結果も良好でしたので発表に繋がりました。

このセッションでも物質に対する質問が出ましたね。

皆こういった新しい物質に対しては、興味津々なのですね。


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