今日のお昼は、伊勢廣(いせひろ)の焼き鳥弁当になりました。
京橋に本店があるこちらのお店は、クリニックFから歩いてすぐのホテルニューオータニにも支店があるんですよね。お弁当は、お店の炭火で焼いたばかりの焼き鳥を何種類か詰めてくれるので、とても美味しいんです。
今日の四谷は絶好の花見日和。はらはらと降る桜吹雪の中、大勢の人が楽しそうに歩いていましたよ。
診療の合間に僕も行ってこようかな。
今日のお昼は、伊勢廣(いせひろ)の焼き鳥弁当になりました。
京橋に本店があるこちらのお店は、クリニックFから歩いてすぐのホテルニューオータニにも支店があるんですよね。お弁当は、お店の炭火で焼いたばかりの焼き鳥を何種類か詰めてくれるので、とても美味しいんです。
今日の四谷は絶好の花見日和。はらはらと降る桜吹雪の中、大勢の人が楽しそうに歩いていましたよ。
診療の合間に僕も行ってこようかな。
英語の「デバイス(Device)」という言葉を仕事上僕はよく使います。そのため、同じ単語が使われているとつい目に留まってしまうのですが、先週その名も「デバイス・ラグ」という言葉があると聞いて、
なるほど
と思わず膝を打ちました。
この言葉、ご存知ですか?
僕がこの言葉を見つけたのは、iphoneで読んだ産経新聞。iphoneで産経新聞の紙面をそのまま拡大して読めるのです。しかもいったんソフトをダウンロードしてしまえば、無料のサービス。
ちょっとした空き時間や、通勤中の電車の車内でも他の人の迷惑にならず、とても勝手がよいんですよね。
その産経新聞、4月3日の紙面に載っていたのが、医療機関にいる者なら聞きなれた言葉の「ドラッグ・ラグ」ならぬ「デバイス・ラグ」について。
以下産経新聞の抜粋です。
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海外で使われている医薬品が日本で使えない・・・この「ドラッグ・ラグ」解消に向けた動きが進む中、日本の医療現場は「デバイス(医療機器)・ラグ」というもう一つのラグ(時間差)を抱えている。
海外で使われている医療機器も、国内で承認されるまでに時間がかかるからだ。
欧米で使われている医療機器の半分が日本では導入されていない。このため欧米では当たり前の治療が、日本人には施されない実態がある。
厚生労働省によると、日本は米国に比べ、医療機器が承認されるまでの期間が平均1年7カ月(平成17年度)も遅い。
中略
日本の審査基準は欧州に比べて厳しい。海外で安全性が確認されても、人体へのリスクが大きい機器では治験が求められ、メーカー側にとって負担となっている。
「市場規模が小さいこともラグの要因」とする指摘もある。世界の医療機器市場(17年度)で米国は42%、欧州も34%を占めるが、日本はわずか10%に過ぎない。
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この記事を読んで、日本のレーザー医業界の惨事もまさにこれが原因だと痛感しました。
特にこの10年間にアメリカを中心として飛躍的に発達した肌を治療するレーザー機器は、ほぼすべてが厚生労働省の認可を得られていないので、クリニックを経営する医師が「個人輸入する」という形態でしか国内で治療ができません。
メーカーや輸入代理店からすると、2年近い歳月とお金をかけて、厚労省の認可をとっても、新しい機器が出た時点でまた再投資が必要になります。
一方で、クリニック経営者の視点からみると、レーザー機器は個人的に輸入されたあくまで個人の所有物なので、リースも通りませんし、事業拡大のために銀行で融資を受けたくても、銀行が必ずその際に求めてくる「担保」として認めてもらうことも叶いません。
頻繁に新しい機器がリリースされるので、患者さんに最新の医療技術をリアルタイムに提供しようと思うと、減価償却が終わる前に機器としての使用をあきらめなければならない時もあり、より質の高い医療を患者さんに提供しようとした際には、こうした度重なる治療機器への投資が、レーザークリニックの経営を圧迫するのです。
レーザークリニックは、レーザー=デバイスへの愛がないと続けられないのですよ・・・。
僕の愛してやまないレーザーたち(ごく一部です 笑)
今日はちょっと写真で見ても・・・弱ってますね。お腹の調子が今ひとつ・・・(苦笑)。この辺でもう一度気合を入れて、夜までがんばります。
さて、「ムンテラ」=診察室でのカウンセリングを行う際、特にシミやニキビ跡についての御相談で僕は意識的に数字を出すようにしています。
このブログで何度も書いていますが、シミやニキビ跡、さらに毛穴は、実際の肌の表面に見えているものだけが病態ではありません。皮膚表面に見えるものは氷山の一角です。
疾患は立体的だと考えたほうがいいのです。
そして、レーザー照射の深さは、レーザー機器の波長やパワーによって変化させることができますので、その病状の深さによって、僕は治療に使う機器を使い分けています。
疾患の深さで、僕が数字に使う単位は「ミクロンメートル」。
クリニックFの診察ではその病態が皮膚のどの深さまで及んでいるかを、この単位を使ってお話するのです。
たとえば
「○○さんの毛穴の深さは、だいたい150ミクロンメートルぐらいですから、この波長のレーザーを、何J/CM2ぐらいの位のパワーで使用すると効果があると思いますよ。」
・・・といった具合に、話をさせていただくのです。
僕は、ずっとこのように実際の数値を出しながら患者さんにお話し、実際の治療にあたっているのですが、結構こういう話をする医師は少ないようです。患者さんから驚かれたりすることもしばしば。
さて、このような形で疾患の深さについてお話をした後、実際の治療に入ります。
まずは、疾患に合う波長を選び、レーザー機器を決定します。
この図のように特に赤外線領域のレーザー光は、水の吸収度によって、浸達度が変わります。波長が長いと、レーザー光が水に吸収されてしまうため、一般的には波長が短い方が深くまでレーザー光が入るのです。
フラクショナルレーザー・ラインナップでは
915nm マトリックスIR (トリニティ)
1320nm アファームマルチプレックス
1440nm アファーム アファームマルチプレックス
1540nm モザイクHP
1550nm フラクセル3デュアル(エルビウムグラス光)
1927nm フラクセル3デュアル(チュリウム光)
2790nm パール
2940nm サイトン (エルビウムヤグ) ピクセル2940
10600nm eCO2(エコツー) ブリッジセラピー
の、どの機器を使用するかまず考えます。一般的には、下に行けばいくほど、浅くまでしか入らない波長となります。
今年から登場したe-matrix(イーマトリックス・サブレイティブRF機器)はレーザーではなくてRFを使用しますが
深さで言ったら最も深くまで入りますので、このグラフの最も上に位置することになりますね。
機種が決まったところで次にパワーの決定をしますが、
例えばフラクセルの場合、どのぐらいのパワーで照射すれば、どのぐらいの深さまでレーザー光が届くかというデータが、すでに海外の学会では発表されているのです。
ですので、レーザーのパワーもほぼ同時に決定できるというわけです。
疾患の深さに合った施術をすることがとても大切なのです。
クリニックで患者さんと世間話をしていると、その延長でよく聞かれることに、「コラーゲン」についてがあります。
「コラーゲン入りサプリメント/化粧品は効くのか?」
とか
「水炊きやすっぽんを食べると、コラーゲンはほんとに増えるのか?」
とか
「そもそもコラーゲンって年をとると、どうしても減ってしまうもの??」
・・・etc。
コラーゲン入りサプリメントや化粧品についての話は、その道の専門家にまかせるとして(笑)
レーザー専門医としての僕の意見なのですが、肌のコラーゲンが減っているという状況を分かりやすく説明すると、
「加齢によりコラーゲンの原材料となるアミノ酸が減ってしまっている」から
ではなく、
「原料は豊富にあるけれど、コラーゲンを生産する皮膚細胞内の工場が怠けている」から
なのです。
肌の下のコラーゲンを増やすためには、肌の中のコラーゲンを作り出す線維芽細胞を何らかの形で刺激して、コラーゲンを合成させる経路(細胞内の工場)を働かせるしかないのです。
ここ数年の論文では、どの波長のどの光が、肌の中でコラーゲンやエラスチンを実際に増やすのか検討されていますし、実際にそのメカニズムが解明されつつあります。
コラーゲンやエラスチンを増やすレーザー光治療を繰り返して行うと、肌の中がしっかりと充実するので、頬の位置が高い、より若い時の顔に近づくのがわかります。
レーザー・光治療器は、光という電磁波の力によって肌の下のコラーゲンを作り出す線維芽細胞を活性化する、唯一証明された、最も有効な手段なのです。
言ってみれば、怠けて眠りこけている“工場長”をまばゆいレーザービームを当てて覚醒させ、きちんとこつこつ働くようお尻をたたく役割を果たすのです。
「このシミをとりたい」
とおっしゃって御来院する方が、今でもやはり多いのです。
それは時に
「木を見て森を見ず」
・・・ということになってしまうのですが、初診でおいでになる方には時間をかけて説明しないとなかなかわかってもらえないことも。
そんなとき、僕はこんな話をすることがあります。
初めて会う人の年齢を想像するとき、どういった点で人は判断しているでしょう?
シミの有無や色の白さは、若さの判断基準に実はあまり関係がない。
それよりも
肌にハリと弾力があり、つやつやしている人が、より年齢が若く見られる傾向にあることは恐らく周りの「若々しい人」を見れば皆さんわかっていただけるのではないでしょうか。
レーザー治療にいらっしゃる方には、冒頭のようにレーザー治療≒シミ取り と考える方が多いのですが、以前にも書いたようにそれは日本ならではの現象です。
この10年間でアメリカを中心に行われた技術革新によって可能になったことがあり、レーザー治療の人気と実力はそれにより確実にひとつ上のステージに上がりました。
それは肌を新しく若い肌に「入れ替える」ということ。これをリサーフェシングといいます。
レーザー治療は、単にメラニン色素などを取り去るといった「肌の改善=Improvement」から、コラーゲンやエラスチンを再生させることによって、「入れ替え、もしくは、もとに戻すこと=Replacement または Resurfacing」に意味合いが変わりつつあるのです。
実は、90年代にCO2レーザーによるフル・リサーフェシングの施術が白人の肌に行われるようになりました。しかし、まったく同じパラメーターで色素の強いアジア人に施術をした際、トラブルが続出し、問題になった時期があるのです。アジアの肌にはフルリサーフェシングは、副作用が大きすぎたのです。いつの間にかアジアの国々にとって肌を入れ替える、リサーフェシングという概念は、なくなってしまいました。
アジア人の肌にはリサーフェシングは無理だろうといわれていて何年もが過ぎましたが、
この図のように、肌に正常な部分を残しながら、肌のごく一部分(赤い部分)のみを入れ替えてゆくという、フラクショナル・レーザー・リサーフェシングの概念が登場したのです。
これはアジア人の肌にもリサーフェシングが適応できる画期的な手法。
肌の改善に使用されてきた機器は、1999年に開発されたIPL フォトフェイシャルを中心とした光治療器がしばらくこの業界の中心に居座ってきましたが、アジア人の肌の入れ替えに使用できる機器として2004年に初めて発表されたフラクショナル・レーザーが、徐々にその座に座りつつある、というわけです。
2004年からいくつも現れたフラクショナルレーザーの機器たちを、ここに並べてみましょう。
クリニックFでは、これまで本当に沢山のフラクショナルレーザーを購入し、使用してきました。
これらの機器による「リサーフェシング」を行った患者さんを見ると、ニキビ痕であれ、毛穴であれ確実に改善して、また肌全体も同時に平均して5~10歳ぐらい見た目が若返っています。
医師にとってフラクショナルレーザーを使用する上で、最も注意しなければいけない点は、肌の入れ替え比率と深さです。
フラクショナルレーザー機器のメリットは、肌の一部だけを選択的に入れ替えることが出来るということ。ですから、むやみやたらに多く照射すればよいのではなく、照射野の中に、必ず正常な皮膚を残すということが必要です。
また、患者さんの症状が、ニキビ跡の深さなのか、広がった毛穴の深さなのか、を判断し、それに合った深さの波長とパワーの機器を選択する。
こうすることによって、肌の確実な入れ替えを可能になるのです。
この春に出席したフロリダの米国皮膚科学会(AAD)でも、特にレーザー部門においては、フラクショナルレーザー機器の新規製品の発表が最も多く、またフラクショナルレーザー機器による肌のリサーフェシング技術についての検討演題もとても多かったのが印象的でした。
世界的な流れとして、肌を若々しく入れ替えることに対して興味が出てきているのだとおもいます。
昨年末からデビューした機器では、たとえば
■シネロン社のサブレイティブRF機器であるe-matrixは、ニキビ跡の改善に役立つ機器として
■ソルタメディカル社のフラクセル3デュアルは、新たな肝斑治療の機器として
特に注目を浴びています。
レーザー機器による肌のリサーフェシングによって、肌を入れ替える。それにより、顔全体を若々しい印象に作り変える。
フラクショナル・レーザー・リサーフェシングという言葉を、ぜひ覚えてほしいと思っています。